五大(四大)法律事務所とは?特徴・年収・学歴について解説|必要なスキルや条件も
by LEGAL JOB BOARD 森田
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- 担当職種:
順位 | 法人名 | 弁護士数 | 所在地 |
---|---|---|---|
1 | 西村あさひ法律事務所 | 702 | 東京都 千代田区大手町 |
2 | アンダーソン・毛利・友常法律事務所 | 639 | 東京都 千代田区大手町 |
3 | 森・濱田松本法律事務所 | 623 | 東京都 千代田区丸の内 |
4 | TMI総合法律事務所 | 583 | 東京都 港区六本木 |
5 | 長島・大野・常松法律事務所 | 568 | 東京都 千代田区丸の内 |
6 | ベリーベスト法律事務所 | 380 | 東京都 港区六本木 |
7 | アディーレ法律事務所 | 236 | 東京都 豊島区東池袋 |
8 | 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 | 217 | 東京都 千代田区内幸町 |
9 | シティユーワ法律事務所 | 185 | 東京都 千代田区丸の内 |
10 | 弁護士法人大江橋法律事務所 | 170 | 大阪府 大阪市北区 |
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五大法律事務所に興味をお持ちの方や、就職・転職活動中の弁護士・司法修習生の方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
五大法律事務所とは?
2022年5月末時点で、日本には1万8,128件もの法律事務所が存在しています。うち、弁護士数1~2名の事務所が約80%程度、弁護士数3~5名の事務所が約15%程度と、小規模な事務所がほとんどです(※)。
そんな中、弁護士数500名を超える事務所が、以下の5事務所です。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
- TMI総合法律事務所
- 長島・大島・常松法律事務所
弁護士数が上位5位のこれらの事務所が、「五大法律事務所」と呼ばれています。
※出典:日本弁護士連合会「弁護士白書 2022年版 法律事務所の共同化及び弁護士法人の現状」
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※以降、記事内で用いている各事務所の弁護士数は、LEGAL JOB MAGAZINE 編集部調べ(2024年1月時点)によるものです。
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所は、702名の弁護士が所属している国内最大手の法律事務所です。
国内のみならず、海外にも複数拠点を展開。業界における知名度が非常に高く、国外進出も積極的に行っています。
五大の中でも最大手と言われるだけあり、M&Aや銀行・金融、事業再生・倒産、不動産取引、コーポレート、知的財産法・情報法など、幅広い分野に対応。中でも、M&Aや倒産に強いとされているようです。
弁護士の成長・キャリア形成に力を入れており、大手法律事務所の中でもいち早く新人セミナーを導入した実績があります。入所後の2年間、各新人弁護士には指導担当として3~4名程度のパートナーが割り当てられるなど、教育・育成制度が充実。
新卒採用では、例年40~50名前後を採用しています。中途採用は随時行っており、採用サイトで詳細な情報を確認できます。特に募集しているのは、コーポレート分野や、知財/IT分野に関心のある方とのことです。
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アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、639名の弁護士を抱えている大手事務所です。
国内は東京・大阪・名古屋に拠点があり、海外は北京やシンガポール、バンコクなど複数の拠点を有しています。
五大の中でも海外クライアントの比率が高く、国際・国内企業法務分野で受賞歴多数。特にファイナンスやキャピタルマーケットなどに強みを持っているほか、労働事件も多く扱っています。
専門分野ごとに組織を分けるセクション制ではなく、様々な分野の案件に携わることができる組織体制です。また、教育・研修やキャリア形成を目的とした制度が整っています。
新卒採用では、例年30~50名前後を採用しています。中途採用にも注力しており、採用サイトで募集情報を確認できます。様々なバックグラウンドを持つ弁護士の参加に積極的で、国内業務専門事務所や英米のローファームとの特定共同事業事務所などの弁護士の応募実績があるとのことです。
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森・濱田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所には、623名の弁護士が在籍しています。
国内は東京や大阪、名古屋など、海外は北京やシンガポール、バンコクなど、国内外ともに複数拠点を展開。
M&Aや争訟・紛争解決などに強みを持っています。中でも争訟・紛争解決は、前身である森綜合法律事務所の時代から有名で、外部からも高く評価されています。
若手弁護士の育成に注力しており、新人研修プログラムや英語力向上のサポートがあります。さらに、中長期的なキャリアアップのためのローテーション制度や、フロアレビュー制度なども用意されています。
新卒採用では、例年30~50名前後を採用。中途採用も随時行っており、採用サイトで情報が確認できます。
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TMI総合法律事務所
TMI総合法律事務所は、583名の弁護士が所属している大手事務所です。
国内は東京や名古屋、大阪など6拠点、海外はシリコンバレーや上海、バンコクなどに拠点を有しています。
外国大手法律事務所と業務提供をおこない、国外案件に積極的に対応しています。コーポレートやファイナンス、知的財産をはじめ幅広い分野を扱っていますが、特にベンチャーや知的財産案件に強く、弁理士も多数在籍しているのが特徴です。
新卒採用では、例年20~30名前後を採用しています。中途採用は、採用サイトで「若手弁護士中途採用(第二新卒)」と「弁護士中途採用」の情報が確認できます。主体的に学び続け、クライアントや社会のために動ける弁護士を求めているようです。
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長島・大野・常松法律事務所
長島・大野・常松法律事務所は、568名の弁護士が所属している大手事務所です。
東京オフィスを中心に、ニューヨークやシンガポール、バンコクなど、複数の海外拠点を展開しています。
特にファイナンスにおける評判が高く、国内外の様々な金融取引や金融規制全般の豊富な実績・ノウハウを有しています。国際案件も多く、大型案件を多数抱えているようです。
組織体制としては、弁護士・スタッフを案件ごとに配置するスタイル。また、パートナーが若手アソシエイトのOJTを行います。育成グループ制度をはじめ、教育制度が充実している印象です。
新卒採用では、例年30~40名前後を採用。中途採用も積極的に行っています。採用サイトによると、第二新卒に相当する若手弁護士や裁判官・検察官経験者の応募も歓迎とのことです。
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五大法律事務所の平均年収・初任給
五大法律事務所の平均年収は以下の通りです。
入職後の年数 | 平均年収 |
1年目 | 1,000万円~1,200万円 |
3年目 | 1,300万円~1,500万円 |
5年目 | 1,600万円~2,000万円以上 |
五大法律事務所は、初任給から年収1,000万円を超えます。
一般的な事務所の場合、初任給は大体500万円〜600万円です。五大法律事務所はかなり給与水準が高いことが分かります。
また、役職に就いた場合の平均年収は以下のとおりです。
役職 | 平均年収 |
パートナー | 数千万円~数億円 |
シニアアソシエイト | 1,600万円~3,000万円 |
ジュニアアソシエイト | 1,100万円~1,500万円 |
シニアアソシエイトの最高年収は、3,000万円程度とされています。パートナーともなれば、さらなる高収入を目指すことができます。
五大法律事務所で働くメリット
五大法律事務所で働くメリット4つを解説します。
給与水準が高い
五大法律事務所で働く弁護士の年収は、1年目から1,000万円を超えます。
一般的な弁護士の初年度年収は、500~600万円程度とされていますので、2倍近い収入を得ることができます。
しっかり働いてしっかり稼ぎたい方は、五大法律事務所への就職を希望する傾向にあります。
弁護士キャリアに有利に働く
弁護士としてキャリアを築くうえで、五大出身という経歴は非常に有利に働きます。
転職する場合には、採用側に好印象を与えられます。独立する場合でも、クライアントから信頼を得やすいなどのメリットが考えられます。
転職・独立のどちらを選択しても優遇されるでしょう。
国内外の様々な業務を経験できる
五大法律事務所は国際的なネットワークを構築しており、国外の案件も多数抱えています。
小・中規模の事務所では、なかなか扱えないような大規模案件が多いのも特徴です。
若手のうちから幅広い経験を積み、成長していけるのは大きな魅力でしょう。
多くの弁護士と切磋琢磨してスキルを磨ける
五大法律事務所の弁護士数は、どの事務所も500名以上です。そのため、様々な弁護士と仕事をする機会に恵まれています。
大きな案件は基本的にチームで取り組むため、他の弁護士に刺激をもらいながらスキルアップが目指せるはずです。
五大法律事務所で働くデメリット
デメリットは、ワークライフバランスが取りづらいことでしょう。
多忙とされる弁護士の中でも、五大法律事務所の弁護士は特に忙しいことで有名です。深夜までの仕事が連日続くという話をよく聞きます。
一般的な法律事務所の場合、月150~200時間前後の勤務という方が多いです。一方で、五大法律事務所は、約2倍の月300~400時間の勤務が目安となるでしょう。
もちろん、事務所や個人によって差はあるかと思いますが、ワークライフバランスを大切にしたい方には不向きな職場かもしれません。
五大事務所に就職・転職するためのスキルや条件
五大法律事務所への就職・転職を目指す場合、求められるスキルや条件を解説します。
高学歴であること
五大法律事務所の採用活動では、出身大学・大学院のレベルが重視される傾向にあります。
実際に、五大法律事務所には、名の知れた大学・法科大学院の出身者が多く在籍しています。特に、東京大学や慶應義塾大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などの大学・その法科大学院の出身者が多いようです。
学歴が絶対とは言えませんが、ある程度は採用に関わっていると考えて良いでしょう。
司法試験の順位が高いこと
一般的に、司法試験の成績が良好とされる目安は、総合順位500位以内です。しかし、五大を含む大手法律事務所を目指すならば、総合順位100位以内が好成績の目安となります。
司法試験の順位と学歴を合わせて参考にすることで、地頭がいいかを見極めているのです。
司法試験の成績や学歴が、就職活動に与える影響について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
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語学スキルが豊富であること
五大法律事務所では国外案件を多く扱っており、語学スキルは大きなアピールポイントになります。
具体的には、ビジネスレベルの英語力やTOEIC800点以上くらいの人物を求めています。また、英語以外に中国語などの他言語のスキルがあれば、さらに優遇される可能性が高いです。
語学スキルに自信のある方は、海外留学の経験やTOEICスコアなど、裏付けとなるエピソードやデータをしっかり伝えてくださいね。
タフであること・体力があること
五大法律事務所の弁護士は多忙なため、タフで体力がある方が向いています。
実際に、五大法律事務所からの転職を希望される相談者からは、「体力がもたなくなってきた」といった理由が聞かれます。
年収や経験できる業務など、他事務所にはない魅力も多いですが、かなりハードワークになるのは間違いないでしょう。
エージェント利用は“内定率アップ”の近道
弁護士としての就職・転職を検討されている方は、転職エージェントの活用がおすすめです。
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