【土地家屋調査士】法人事務所・個人事務所の働き方の違いや規模別のメリット・得られるスキル
by LEGAL JOB BOARD 堀内
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の堀内です。
今回は「法人事務所」と「個人事務所」の違いや、規模の大きさ別の働き方の違い・それぞれのメリット・得られるスキルについて解説します。
どういう事務所に入職すれば良いか迷っている方は、本記事を読むことで判断の手助けとなるでしょう。
土地家屋調査士へのキャリアチェンジを考えている方・経験者として転職しようとしている方は必見です。
土地家屋調査士における法人事務所・個人事務所の大きな違い
法人事務所と個人事務所の大きな違いは「登録できる調査士の人数」です。
法人は「登録できる調査士の人数が1人以上」、「個人事務所は登録できる調査士の人数が1人のみ」です。
そのため法人事務所は規模が大きく、個人事務所は規模が小さい傾向にあります。
しかし、何人事務所に所属しているかは様々で法人事務所でも人数が多くないところもあります。
実はこの事務所の「規模」によって、働き方や得られるスキルに違いが出てくるのです。
というのも、規模が大きく所員が多い事務所は「分業型」、規模が小さい事務所は「統括型」という業務フローを採用している傾向があるからです。
大人数の事務所は「分業型」の傾向がある
分業型とは、一つの大きな業務をいくつかのフローに分け、それぞれに担当者をつけるやり方です。
分業型事務所は登録できる調査士の人数が1人以上可能な「法人事務所」である場合が多いですが、個人事務所であっても人数の多い事務所は測量部隊、データ打ち込み隊など、業務を分けてする職場も存在します。
規模が大きい事務所だと、「測量部門」「登記部門」など、部門ごとに業務を分担している場合もあります。規模が大きいということはつまり案件の数が多いことになるので、効率化を図るために分業型にしています。
ただし「同じ担当者が最初から最後まで担当した方がお客様への安心感に繋がる」というビジョンを持っている事務所の場合は、規模に関係なく分業していないケースもあります。
土地家屋調査士として転職・就職をご検討中の方、職場選びでお悩みの方は、ぜひリーガルジョブボードにご相談ください!土地家屋調査士の専任エージェントが、内定獲得のため手厚くサポートいたします。
少人数の事務所は「統括型」の傾向がある
一方で統括型とは、業務の全工程に一人の担当者が携わるやり方です。
個人事務所は登録している調査士が1人しかいないため、比較的規模が小さく、「統括型」の事務所が多い印象です。
そのような事務所は就職すると、1つの案件の流れを把握しながら学べるため数年で大きくスキルアップできます。
ちなみに案件の数が少なくても、事務所の人数自体が少ないため経営的な問題とはなりにくいので、安心してください。
事務所規模によるそれぞれのメリットやデメリット・得られるスキル
ここからは、法人事務所・個人事務所それぞれのメリットやデメリット・得られるスキルを解説します。
所員数が多い分業型事務所のメリット・デメリット
分業型事務所で働くメリットは2つあります。
- 収入が安定している
- 部門ごとの専門性が高まる
以上2点が大きなメリットです。
規模が大きい分、コロナや社会環境の変化があっても収入は安定します。
また効率が常に求められるため、所属部門での専門性が上がるでしょう。
一方でデメリットは以下の2点です。
- 同じ部門で働き続けなければならない
- 職務範囲が小さく、昇級に時間がかかる
人によっては、他の業務が行えないストレスや、業務に飽きてしまうことなどがありえるかもしれません。
大きい組織のため、任される職務範囲が小さく、昇級にも時間がかかります。
しかし一定のスキルが認められれば、他の地域での支店を任されることもあり、そうすると一気に収入や裁量が与えられるようになります。
その場合「半独立」のような体制になるため、何かあったら法人が後ろ盾してくれので、独立を考えている方や独立に関する実務経験を積みたい方には合うかもしれません。
分業型事務所で得られるスキル
分業型事務所で得られるスキルは以下の2つです。
- 大きな案件や企業への対応力(コミュニケーションなども含めて)
- 測量や登記の専門性
分業型事務所は案件の規模も大きいことが多く、企業への対応や効率的に進めるノウハウなどを知ることができます。
部署にもよりますが、そういったことを扱える環境にいるとコミュニケーションを含めた対応力がつくことも考えられるでしょう。
また、測量部門や登記部門がある事務所が多いため、各部門ごとの専門性は上がります。
どうやったら効率よく測量できるのか、書類の整理が早くできるのかなど、そのようなノウハウを転職で活かすこともできるでしょう。
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所員数の少ない統括型事務所のメリット・デメリット
続いて統括型事務所について。
統括型事務所で働くメリットは、以下の2点です
- 成長速度が早い
- 転職活動で有利
統括型事務所のメリットは、全業務を全てできるようになるまでのスピードが分業型事務所に比べてかなり早いことです。
そうなってくると、同じ年代の調査士より経験値が高いため、転職活動で圧倒的に有利になります。
昇級も早いため、貰える給料の額もそれなりに変わってくるでしょう。
一方でデメリットは以下2点。
- 経営が不安定になる恐れがある
- 人手不足で忙しい
統括型事務所は案件が少ない傾向にあるため、コロナなどの社会的な要因に対応できない可能性は少なからずあります。
また案件が増えると人手不足で忙しくなるため、残業や休みなども不安定になるでしょう。
しかし近年、ワークライフバランスに力を入れている事務所も増えてきたため、職場によっては忙しさに差があります。
統括型事務所で得られるスキル
統括型事務所で得られるスキルは以下です。
- 一通りの業務をこなせるようになる
- タフな環境下で仕事をやり抜く力
調査士であっても、確定測量までできるようにならないと一人前にはなれません。
個人事務所なら、比較的早く一人前の土地家屋調査士となれるでしょう。
小さな個人事務所であっても一戦力として会社を引っ張る存在になれば、転職先でかなり良い条件で働けます。
チームをマネジメントする力、新人教育の経験など、主体的に働くスキルが得られるはずです。
ただし、統括型事務所で案件が立て込むととても忙しくなります。
少ない人数で業務を効率よくこなすこと、仕事を最後までやり抜く力、全てにおいてバイタリティー溢れる人材になれることでしょう。
法人に転職しても、その力を発揮することができます。
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まとめ
分業型事務所は
- 規模が大きい傾向があり、法人事務所が多い
- 年収は多くないが安定、役職についたら一気に上がるが昇格が遅い傾向
- 測量・登記の専門性や企業対応のスキルが身に付く
統括型事務所は
- 基本的に規模が小さい傾向があり、個人事務所が多い
- 昇格が早く、給料が高くなりやすい
- しかし会社の経営状況に左右されるため不安定
- バイタリティー溢れる人材になれる、マネジメントなどに携わる機会が多いためリーダーシップなどもスキルアップ
どちらの方が良い、優れていると言うことはありません。
それぞれで学べる内容が違うため、自分のやりたいことやなりたい姿を考慮した上で自分にあった事務所を選ぶ必要があります。
求人や問い合わせのみではわからないことが多く、自力で良い事務所を探すことはギャンブルのようなものです。
もし何か転職に関して気になることがあれば、気軽に弊社リーガルジョブボードの転職エージェントにご相談ください。