土地家屋調査士

土地家屋調査士の将来性がある理由4つと向いている人の特徴

by LEGAL JOB BOARD 篠原

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担当職種:
  • 土地家屋調査士
  • 測量士

こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の稲田です。

今回は、「土地家屋調査士の将来性」について詳しく解説します。

本記事では、以下のポイントをまとめています。

  • 土地家屋調査士の将来性がある理由
  • 目指すメリット
  • 向いている人の特徴

活躍する土地家屋調査士になる方法についても解説していますのでぜひ参考にしてください。

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土地家屋調査士の将来性がある理由

土地家屋調査士は、「表示に関する登記」を担っており、不動産の物理的現況(大きさや形状など)を公示する役割があります。

そんな不動産登記に関する専門家である土地家屋調査士ですが、「調査士を目指そうと思いつつも、将来性があるのかどうか心配で目指すべきかどうか分からない..」という声を周囲からよく聞きます。

結論から言うと、土地家屋調査士は将来性があり、目指しがいのある資格です。近年の業界や転職市場を考えても、仕事に困ることはありません。

そこでここからは、土地家屋調査士は将来性がある理由をまとめます。

世代交代の時期が間近になっている

現在の土地家屋調査士は50代以上の方が約7割を占めています。もっとも多いのは60代で、定年といわれる年齢に近い層がほとんどです。

土地家屋調査士は独立できる士業なので、会社員や公務員のような定年退職制度はありませんが、体力や精神面で年齢とともに引退する方が多いです。

ここ数年でも引退する先生が増えている印象で、今後世代交代が大きく進んでいくだろうといわれています。

実際、弊社リーガルジョブボードへ土地家屋調査士事務所の先生方から「若返りを図りたい。」「未経験でも若い人材を育てたい!」といったご相談があり、世代交代の波を痛感しております。

AIで代替できない仕事である

多くの職業がAIに取り変わられてしまうといわれていますが、土地家屋調査士の仕事がなくなることはありません。

確かに不動産の調査や測量面でもAIの技術を用いるようになる場面は増えるでしょう。しかし、完全な代替はできず必ず人力が必要になります。

例えば、土地家屋調査士の業務は測量だけではなく「境界の立ち合い」など人を介さないと行えない業務があります。

AI技術で業務の効率化につながるようになる可能性は高いですが、土地家屋調査士の仕事が奪われることはありません。

相続をきっかけにした分筆や売却が今後増加する

土地家屋調査士業界では世代交代が行われていますが、それはこの業界に限った話ではありません。

世代が変化するとき相続に関わる業務が増加し、不動産が大きく動くようになります。特に団塊世代の高齢化によって、そういった動きが活発になると予想されます。

増えるのは相続による分筆や売却の案件で、それらは土地家屋調査士が行う業務です。

そのため今後もそういった案件が増加傾向なので、将来的に案件が安定して見込める業界と考えられます。

安定的かつ仕事の幅が広がっている

表示に関する登記は土地家屋調査士しか行えず、法律により義務づけられている独占業務です。

民間からだけではなく、役所からも定期的に公共事業の依頼があります。この制度は、公共嘱託登記土地家屋調査士協会が、官公署による登記・測量案件を一括で受注し、協会の社員である調査士が分担するというものです。

他の職種ではなかなかこのような制度はなく、独立したてで売り上げが不安定な方にとってはとても心強い制度です。

実際民間の仕事がなかったとしても、この公共事業でそこそこの売り上げを出している土地家屋調査士はいます。

そして、この公共事業の需要は安定しており50年以上は続くと考えられています。

また、土地家屋調査士の仕事は土地に関することだけではなく、「建物の案件」もあります。

「土地の案件」と比べ「建物の案件」は、短期間で終了することがほとんどで、経費もさほどかかりません。受注額は建物の大きさによって異なり、例えば平均的な2階建て戸建ては1件10万円前後となります。

マンション(区分建物)の登記は、1専有部分(1部屋)でいくらと換算し、最低でも数十万~大規模の場合数百万円になります。

土地家屋調査士の対応する案件の幅は広く、数も安定しているといえます。

また土地家屋調査士が行っていなかった業務を依頼されるケースが増えてきています。

例えば下記のような内容です。

<私道の通行や掘削を許可する署名>

依頼された土地が接している私道の所有者が複数共同でいる場合、通行許可や工事のためのアスファルトを掘り返す許可をお願いし署名捺印をもらう。

<越境物に関する覚書>

お互いが所有している土地の境界線を越えて屋根などが建てられないよう「今後家を建て替えるときは、境界線内にそれぞれ建てましょう」という覚書を結ぶ業務

こういった業務は不動産業者がやってきたものが多いので、長年土地家屋調査士として活躍してきた先生方の中には、「本来はすべきではない」いう考えの方が結構いらっしゃるようです。

しかし、不動産会社からすると、そういった案件に柔軟に対応してくれる先生に頼りたいという考えがあるため、柔軟に案件に対応できるとよいでしょう。

土地家屋調査士業界は資格よりも実務経験が重視される

実は土地家屋調査士業界では、実務経験がもっとも重要視されます。

そのため土地家屋調査士業界で働きたいと考える場合は「資格を取る」よりも、まずは「土地家屋調査士事務所で土地家屋調査士補助者や測量士補などで現場経験を積む」と行動を起こした方が資格取得後も早く活躍できるようになります。

土地家屋調査士補助者であれば資格は必要ないため、資格なしでも土地家屋調査士業界で働くことが可能です。

また、独立希望の場合は土地家屋調査士資格の取得は必須ですが、独立希望ではない場合は経験やスキル次第で土地家屋調査士補助者でも高給与を目指すことができます。

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土地家屋調査士を目指すメリット

将来性がある土地家屋調査士業界を、目指すメリットを解説していきます。

高収入を目指せる

1番のメリットは高収入を目指せるということです。

勤務土地家屋調査士の場合の年収は、スタートが約350万円程度からなので高収入なイメージはないかもしれませんが、多い方だと年収約700~800万程度を得ている方もいらっしゃいます。

また、土地家屋調査士は独立を目指せる資格なので開業をすると自身の裁量で働くことができ、年収1,000万円を超す方がいるのも事実です。

土地家屋調査士の案件は1件20万円程度から100万円を超すものまでございます。1件にそれほどの受注額が提示されるのは、それほど土地家屋調査士は専門性が高く、法律的な知識と測量技術を必要とするので誰でもできる仕事ではないためです。

人生の選択肢が増える

先ほどもお話ししましたが、土地家屋調査士は独立開業を目指せる資格です。勤務を続ける、独立をするなど選択しを増やし挑戦し続けられるのが魅力です。

また独立をすると定年はありませんので、長く働きたい・ある程度稼いで早めに引退したいなどの選択肢もあるので、自分に合った働き方を選ぶことができます。

なくならないニーズを獲得できる

表示に関する登記は土地家屋調査士しか行えず、法律により義務づけられている独占業務です。

そのため、不動産に関する法体制が変わらない限り仕事がなくなることはありません。それこそ、上記でお話ししたように仕事の幅が広がっていますので業界的に将来性があるといえます。

土地家屋調査士に向いている人の特徴

では、どういった方が土地家屋調査士には向いているのかをお話ししていきます。

コミュニケーション能力が高い人

どんな職業にも言えることですが、土地家屋調査士は特に高いコミュニケーション能力が求められます。

土地家屋調査士は確定測量をする際に、依頼者及び関係者との立ち合いが必須条件です。

測量が必要な登記では全ての工程で2、3ヶ月程かかりますが、もし何らかの理由で立ち合い困難になった場合、確定測量ができず、それまでの業務が無駄になってしまいます。

実際、それは珍しいことではありません。

また、クライアントとして不動産会社から登記を依頼されることもあり、企業を相手にしたコミュニケーション力も必要でしょう。

土地家屋調査士は職人のような技術者のイメージが強いですが、実際はコミュニケーション能力も求められる両面を持ち合わせた職業です。

体力に自信がある人

調査士の仕事は、申請だけでなく自ら測量をしたり、1日に依頼を何件もこなしたり、かなりタフな仕事です。

それらをやりくりするためには、体力に自信があった方が良いでしょう。

また、確定測量では「確定杭」と言ったコンクリートの杭を地面に押し入れる作業があり、かなり力の要る工程だと言えます。

現在では、プラスチックの比較的軽い杭などもありますが、耐久性などの観点からほとんどがコンクリートの重い杭です。

1人での作業ではありませんが、いずれにしろ体力には自信があった方がいいでしょう。

数字やデータに強い人

建物や土地を調査する際、細かなデータを処理しなくてはなりません。

特に、土地家屋調査士は人々の所有地を測量するため、ミリ単位での精度が求められます。

もし、数字が少しでも間違っていたら取り返しのつかないことになり得ます。

場数を踏めば、慣れる作業でもありますが、得意に越したことはありません。

パソコンで図面を描く業務もあるため、パソコンにも慣れておいた方がいいでしょう。

自身が土地家屋調査士として向いているかどうかを判断するためにまずは実務を経験したいと、土地家屋調査士補助者として働き始める方もいらっしゃいますので、気になる方はぜひ求人をご覧ください。

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土地家屋調査士のなり方

土地家屋調査士になるためには、土地家屋調査士資格を取得する必要があります。

試験は、毎年10月に行われる筆記試験と、翌年1月に行われる口述試験で構成されています。

筆記試験は相対評価となっており、上位の約400名程度が合格となります。

筆記試験の合格者のみが翌年の口述試験に進むことができ、口述試験も通過すれば土地家屋調査士となる資格を得ることができます。

詳しくは下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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将来性のある土地家屋調査士業界で長く活躍するためのポイント

将来性のある業界ではありますが、すべての方が高収入を維持しているかというとそうではないのが現実です。

土地家屋調査士業界で長く活躍するためには何が必要かを下記で解説していきます。

最新の測量知識・技術を仕入れていく

テクノロジーの進化において、測量の知識や技術も日々新しくなっております。

例えば、近年ではドローン測量が登場したことで、広範囲の測量が早くより正確にできるようになりました。

最新の技術を常に学んで、取り入れることは長く活躍するためにはとても重要です。最新の技術は測量の質を変えるため、クライアント側の満足度アップにもつながります。

地域の特性を理解しておく

地域の特性により、備え付けられている書類や確定するまでの手順は違います。

土地家屋調査士が行う測量において、行政が所有する道路との境目は重要で、その道路の扱いは行政によって違いがあるため、その特徴を理解しておきます。

また地域特有の歴史から特別な配慮を必要とすることもあり、土地家屋調査士は地域の特性を理解しておかなければなりません。

地域に密着した土地家屋調査士が多いのはこういった背景があるためです。

新しい制度に対応する

土地の境界や判定に関し、H17年から筆界特定・H18年からADRなどの新しい制度ができました。

相続に伴う分筆や売却の際、境界紛争が多く発生することが考えられますので、そのためこういった制度に対応できるスキルを身につけておくとよいでしょう。

例えば「ADR認定土地家屋調査士」に認定されると、弁護士と共同の土地境界トラブルがあった場合、裁判になる前に解決することが可能です。

ちなみにADR認定土地家屋調査士になるためには、下記が必要です。

「土地家屋調査士特別研修」(以下「特別研修」という。)は、法務大臣により指定された国家資格の研修であり、この特別研修を受講し考査に及第した土地家屋調査士には、法務大臣が「民間紛争解決手続代理関係業務を行うのに必要な能力を有する」とした認定が付与され、民間紛争解決手続代理関係業務(ADR)を行うことができる※土地家屋調査士、「ADR認定土地家屋調査士」となります。日本土地家屋調査士会連合会は、特別研修の実施法人となり、15 回まで終了しております。

出典:「ADR認定土地家屋調査士」を目指そう!!

他士業の先生との人脈や周りに負けない知識をつける

近年、司法書士や税理士とタッグを組んでやっていくのがトレンドですので、他士業の先生方との人脈も土地家屋調査士として働く上で活かせます。

例えば独立をするとき、「土地家屋調査士と司法書士」など他業種と会社を立ち上げることも増えてきました。

また、人脈を築くだけでなく周りに負けず対話できる知識やコミュニケーション能力もとても重要です。

スキルの高い方の周りには同じような先生が集まるものです。土地家屋調査士の領域はもちろん、自身の専門ではない分野にもアンテナをはって、社会情勢を仕入れておくことも必要なスキルの1つです。

土地家屋調査士業界に興味のある方は

土地家屋調査士業界に興味がある方は、資格取得を目指しながら土地家屋調査士補助者として働くのをおすすめします。

それは上記でもお話しした通り、土地家屋調査士業界では資格よりも実務経験を重視している傾向が強いためです。

少しでも早めに業界に入り経験を積んでおくことで、長く活躍できる土地家屋調査士として基盤を築くことができます。

土地家屋調査士業界で働いてみたいとお考えの方は、ぜひ弊社リーガルジョブボードへお任せください。

弊社リーガルジョブボードでは、あなたにあった求人の紹介だけではなく、内定率を上げるための応募書類の添削や模擬面接などの対策を行っております。

また資格取得のため、勉強をしながら働くとどうしても仕事が忙しく、なかなか試験勉強に身が入らないということがあります。そういったことのないよう、資格取得を無理なく目指せる事務所をご提案できますのでご安心ください。

ひとり一人の今後のキャリアに合わせて転職のサポートを行っておりますので、ぜひ下記のボタンよりお問い合わせください。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 篠原

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