
土地家屋調査士になるためのロードマップ|何から始める?スケジュールは?徹底解説

by LEGAL JOB BOARD 篠原
転職エージェント
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こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の篠原です。
日々転職支援を行う中で、土地家屋調査士が気になっているという方から、「何から調べればいいのか、何から始めればいいのかわからない」という声をいただくことがあります。
そこで今回は、土地家屋調査士に興味があり、どうすれば土地家屋調査士になれるのか疑問をお持ちの方へ「土地家屋調査士とは何か?」「土地家屋調査士のなり方」について解説していきます。
この記事を読むことで、土地家屋調査士として働くまでのイメージを持つことができますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
土地家屋調査士の役割とは
まずは土地家屋調査士の役割を理解することが大切です。
土地家屋調査士とは、土地や建物の登記に関する測量、手続きや書類作成を行います。
正確な登記手続きは、不動産取引を進めるために必要不可欠で非常に重要です。
土地家屋調査士は、その不動産取引に欠かせない専門家として土地や建物の登記に関する業務を担当します。
土地家屋調査士とは何か、もっと詳しく知りたい方はぜひ下記の記事を参考にしてください。
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土地家屋調査士の業務内容
土地家屋調査士は、書類作成などの内勤と測量などの外勤の仕事があります。
具体的には下記のような業務になります。
- 法務局で図面や書類を取り寄せる資料調査
- 現地の状況を正確に把握するための測量業務
- 測量業務を行った後の図面作成
- 隣接地所有者や関係者を含めた境界立会業務
- 登記の申請業務
不動産取引は高額なものが多いので、トラブルを防ぐためにも登記と測量は正確さが求められます。土地家屋調査士はその重要な場面で、取引の基盤となる登記を作成する重要な役目があります。
こちらの動画でも業務内容については解説していますのでぜひ参考にしてください。
土地家屋調査士になる方法、資格取得
土地家屋調査士になるためには、土地家屋調査士資格を取得しなければなりません。
資格の取得方法は2つあります。
❶土地家屋調査士の試験を合格し、資格を取得
❷法務省の職員として一定年数勤務した後、法務大臣の認定を受けることで資格を取得
試験を受けるために必要な学歴や実務経験はなく、誰でも受験することが可能なため、多くの人が①の方法で資格を取得します。
土地家屋調査士試験日と合格後のスケジュール下記のようになります。

土地家屋調査士試験について
試験は2回、10月の筆記試験と翌年1月の口述試験があり、筆記を合格した者のみ口述試験を受けることができます。
筆記試験は午前(9:30~11:30)と午後(13:00~15:30)の部に分かれており、午前と午後、合わせて200点満点のテストです。
測量士補・測量士・一級建築士・二級建築士を取得していれば午前試験が免除になります。実際、9割の方は午前試験免除で受験している印象です。
いずれかの資格を取得後、土地家屋調査士資格に挑戦するのもおすすめです。
各指導機関では試験の難易度から「測量士補」を推奨する学校が多いようです。
測量士補試験はこれら免除資格の中で唯一、択一式試験のみで実施され、合格基準(450点/700点)が明確化された絶対評価試験であることが要因といえます。
試験内容は、
- 民法に関する知識
- 登記の申請手続(登記申請書の作成に関するものを含む。)及、審査請求の手続に関する知識
- 土地及び家屋の調査及び測量に関する知識及び技能であって、次に掲げる事項
ア. 平面測量
イ. 作図 - その他土地家屋調査士法第3条第1項第1号から第6号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
その年の難易度によって変わりますが、近年の合格率は8~9%と言われています。
合格点に関して、難易度が高い時で60%以上、比較的易しい時で80%以上は求められます。
練習問題をする際は、80%以上を目指して頑張りましょう。
また、試験の難易度についてはこちらの記事で詳細に記載しています。ぜひ参考にしてください。
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試験日程などの詳細は、法務省のホームページをチェックしてみてください。
資格取得のための学習方法を選択する
資格取得のための勉強には、下記のような方法があります。
独学
独学か、予備校や講習会に参加するなどの方法がありますが、実は多くの方は始め独学を選択することが多いです。
独学での何よりのメリットは、自分のペースで勉強できるというところです。
現職が不定休でなかなか予備校に行くスケジュールが立てにくい方は、独学を選択することが多いです。
デメリットとしては、わからないところを聞ける環境にないので、自身で自力で調べたり理解する必要があります。
予備校
予備校のメリットは、直接指導を受けながら学習を進めるため、疑問に思ったことはその場で解決できるところです。
独学で勉強するよりも資格取得までのスピードが早いので、いち早く資格取得をしたい方におすすめです。
予備校の役割は下記の通りです。
- 基礎から応用までの知識を網羅的に指導。
- 試験の傾向や対策を具体的に伝授。
- 定期的な模擬試験での自己評価の機会を提供。
- 質疑応答のセッションで、学習中の疑問や不明点を解消。
また、モチベーションを維持するという点で予備校を利用するメリットは大きいといえます。
どんなに強い意志を持って始めた学習も、「難しい→わからない→つまらない」といった状態が続くとモチベーションを保つことが難しくなり、挫折に陥るケースも現実問題として少なくありません。
もちろん、予備校を利用することで、「易しい→わかる→おもしろい」と必ずなるわけではありませんが、決まったカリキュラムを計画的(半強制的)に受講するという行為は、例えモチベーションが下がった状態でも継続することは独学に比べて明らかに容易になります
そして、その苦しい時期を乗り越えることこそが、合格への大きな一歩です。
さらに、特に通学講座では、同じ目的を持つ受験仲間をつくりやすく、お互いに切磋琢磨できれば、苦しさを忘れ、飛躍的に実力アップできる機会を得ることができます。
デメリットとしては、毎日講義があるわけではないといっても、仕事などスケジュール調整が必要というところです。
ただ、過去授業を振り返るため録画している授業を見直せるように準備している予備校もありますので、そういったものもうまく使って試験勉強に取り入れることもできます。
また予備校では公開模試という、本番を想定した実戦形式の模試を行っています。 本番に近い緊張感に慣れたり、回答の時間配分を養ったりとタメになることが多いので 公開模試を受けることもオススメしております。
※模試に関しては予備校に通っていなくても受けることは可能です。
こちらは、東京法経学院さまの授業を体験させていただいた動画となっております。
予備校選びの参考にぜひご覧ください。
土地家屋調査士補助者としての働き方
「土地家屋調査士に興味はあるけど、資格取得後に就職して仕事が合わなかったらどうしよう。」と考える方もいらっしゃると思います。
そんな方は土地家屋調査士補助者として一度業界に飛び込んでみることもおすすめです。
土地家屋調査士補助者とは、土地家屋調査士の補助をする人と言われています。
あくまでも「補助」がメインのイメージですが、実際にやっている業務は独占業務を除いてほとんど同じということが多いです。
そのため、資格取得を目指しながら補助者として働いている方も多くいらっしゃいます。
資格者との違いは、土地家屋調査士は自分自身で業務を受託し実施することができ自分の名前で登記申請することができるが、補助者は土地家屋調査士の指示や監督下でのみ業務を実施できるというところです。
中には、高収入を得ている補助者の方もいらっしゃいます。その理由は下記で解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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実際、土地家屋調査士と補助者の違いは、土地家屋調査士は自分自身で業務を受託し実施することができ自分の名前で登記申請することができるが、補助者は土地家屋調査士の指示や監督下でのみ業務を実施できるというところです。
業務自体が近いとはいえ、土地家屋調査士業界で独立やご自身の価値をより高めるには、やはり資格取得を視野に入れておく方がよいでしょう。
土地家屋調査士業界の仕事を探す
では最後に、土地家屋調査士業界で仕事を探す方法をお話しします。
土地家屋調査士・補助者の求人探しは一般的に下記のサイトで行います。
- 一般的な就職・転職サイト(ハローワーク、大手求人サイトなど)
- 各地の土地家屋調査士会サイト
- 土地家屋調査士専門の求人サイト
しかし、全職種の求人と比べ土地家屋調査士の求人は少なく探しづらいため、おすすめは土地家屋調査士専門の求人サイトでの検索です。
弊社リーガルジョブボードでは、土地家屋調査・補助者に特化した求人を簡単に検索することができます。
未経験からスタートできる求人も多数掲載しておりますので、ご利用ください。
また、どういう働き先があるのかわからないという方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。
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土地家屋調査士業界に行くかどうか迷っている方はぜひご相談ください
土地家屋調査士は、不動産取引における非常に重要な部分を担っています。
とはいえ、いきなり飛び込むのは不安という方もいらっしゃるでしょう。
弊社リーガルジョブボードでは、土地家屋調査士業界に詳しい専門のエージェントが転職相談を実施しております。
まだ転職するかどうか決めておらず情報収集をされる場合も、大歓迎です。
転職に関する情報収集やキャリアプラン、資格取得に関するご相談もお受けしております。
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