弁護士がワークライフバランスを実現する方法や転職のコツ
by LEGAL JOB BOARD 森田
コンサルタント
- 担当職種:
弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の森田です。
本記事では、「弁護士がワークライフバランスを実現する方法」として、以下のような情報をお届けします。
現職の働き方を改善したい方や、ワークライフバランス重視での転職をお考えの方は、ぜひご一読ください。
弁護士の働き方・ワークライフバランスの実態
弁護士業界は忙しく、ワークライフバランスの実現が難しい傾向にあります。
日本弁護士連合会が発表した『弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査 2020』によると、弁護士の年間総労働時間の平均は2,332.2時間で、2010年の調査より約52時間増加。独立行政法人 労働政策研究・研修機構によると、日本の平均年間総実労働時間(2019年)は1,598時間であり、弁護士の労働時間が長い傾向にあることが分かります。
弁護士の忙しさは職場・分野などによって異なるものの、やはり多忙な方が多いのが実情です。その理由・背景を以下で解説します。
1. 業務委託契約で働くのが主流
多くの弁護士が、職場と「雇用契約」ではなく「業務委託契約」を締結します。インハウスローヤーとして企業で働く場合は雇用契約が主流ですが、法律事務所で働く場合は業務委託契約が主流です。
業務委託契約で働くとなると、担当した案件数や自身の売り上げが収入にダイレクトに影響します。そのため、事務所の案件にプラスして個人受任の案件も請け負ったり、休日を含むプライベートな時間を多少削ってでも仕事を増やしたりする傾向が見られます。
また、自由業のニュアンスが強く、多くの弁護士の報酬は労働時間に応じて支払われるものではないため、あまり残業という概念がありません。それもあり、結果的に長時間労働になっていると考えられます。
2. 職場・取り扱い業務によっては多忙になりやすい
あくまで傾向であり、個人差などもあると思いますが、企業法務系の大手法律事務所で働く弁護士はかなり忙しく、ワークライフバランスを実現しづらい可能性があります。
弁護士業界の中でも、忙しくなりやすいとされているのが「企業法務系」の業務を扱うケース。上場企業の訴訟やM&A案件などの大型案件は、弁護士数名のチームで対応することがほとんどです。クライアント企業によっては国内外の交渉、チームでの打ち合わせが増えるため多忙になります。
また、事務所の規模感としては、大手事務所ほど忙しい傾向にあるとされています。五大法律事務所の弁護士は、特に忙しいことで有名です。深夜までの仕事が連日続くという話をよく聞きます。
3. 働き方改革が浸透しきっていない
弁護士業界においても近年、働き方改革が浸透しつつあります。以前よりもワークライフバランスを重視する方も少しずつ増えてきており、働き方が変化していっている印象です。
しかし、出産や育児、介護などと両立しながら働き続けるための制度が、完全に整備されているとは言えないのが現状です。弁護士は業務委託契約であることが多く、個人・家庭の事情で仕事をセーブすると、収入に影響があるケースもあります。
また、福利厚生などの制度が充実している事務所はあまり多くありません。働きやすさの面で、弁護士業界にはまだ課題が残っていると言えるでしょう。
「ワークライフバランスを重視して働きたい」「今の働き方を改善したい」といったご希望に、「リーガルジョブボード」の弁護士・司法修習生専門エージェントがお答えいたします。ぜひお気軽にご利用ください。
ワークライフバランス重視の弁護士におすすめの働き方
前述の通り、弁護士は多忙になりがちな職種です。しかし、職場によっては、ワークライフバランスを実現することも可能です。
ここからは、ワークライフバランス重視の方におすすめの働き方を紹介いたします。
一般民事・家事系の事務所
弁護士の職場として最も多いのが、一般民事・家事系の事務所を扱う事務所です。
規模によって特徴があり、大手の場合は事務所というよりも一般企業に近い印象です。そのため、福利厚生が充実していたり、休暇を取得しやすい体制が整っている事務所も多いです。
通称「マチ弁」と言われる中・小規模の事務所だと、所長の考えや仕事のスタイルにより、働きやすさが左右される印象です。ただ、基本的には自分の裁量で仕事を進められるので、残業時間を調整することができます。
インハウスローヤー(企業内弁護士)
ワークライフバランスを実現するための選択肢として、「インハウスローヤー」として一般企業に勤める働き方があります。
一般的に企業は働き方改革が進んでおり、法律事務所と比べると残業が少なく、福利厚生も充実しています。
法律事務所ではクライアントから相談を受けて案件を持ちますが、インハウスローヤーは自社を守るのが仕事です。幹部や経営陣と密に連携し、大きな案件にも携わる可能性が高く、やりがいがあります。
ただ、裁量次第で高収入を目指せる法律事務所と比べ、収入は減少するケースが多いです。インハウスローヤーについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
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企業法務部
一般企業で法務部員として活躍するという選択肢もあります。
インハウスローヤーと同じく企業に雇用されるので、法律事務所で働くよりも、福利厚生や残業などの働きやすさが整っている可能性が高いです。
企業によって法務部の業務範囲には差があり、株主総会や紛争訴訟の対応をする企業があれば、契約書対応ばかりといった企業もあります。
給与に関しても、法律事務所と比べると減少する可能性が高いです。法務への転職については、こちらの記事で解説しています。
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ワークライフバランスが整っている求人の紹介
弊社リーガルジョブボードが公開する求人には、ワークライフバランスが整っているものが多くあります。特におすすめの求人をいくつかご紹介します。
一般民事・家事系の事務所
まず、一般民事・家事系の事務所です。週休2日制、各種休暇など休日が充実しており、残業も比較的少なめで安定して働けます。
インハウスローヤー(企業内弁護士)・企業法務部
一般企業で働くメリットは、働きやすさと福利厚生の充実度にあります。
働き方改革の影響で時間外勤務に厳しくなっており、残業時間も多くありません。また、社会保険などだけでなく、独自の福利厚生を備えた企業があるのも魅力です。
【おすすめ求人】
①三井金属鉱業株式会社
②大和ライフネクスト株式会社
③GMOフィナンシャルゲート株式会社
ワークライフバランス重視で職場を選ぶ際のコツ
ワークライフバランスを実現すべく転職活動を行う場合、いくつかのコツ・ポイントがあります。以下の内容をぜひ参考になさってください。
1. 求人票の業務内容・説明文を必ず確認する
求人票の業務内容はしっかり確認しましょう。前述のとおり、企業法務を扱う事務所は、一般民事・刑事を多く扱う事務所より忙しい傾向にあります。
さまざまな案件に対応している事務所であれば、メイン・得意分野を確認することで、事務所の忙しさを予想することができます。
また、求人票の業務内容の項目だけではなく、説明文もチェックが必要です。「案件の比率」や「入社後どういった案件を対応する人物を募集しているのか」などの詳細は、説明文に記載されているケースが多いです。
2. 法律事務所の規模感を把握する
事務所の規模感で、弁護士がどのように仕事を進めているか予想できます。大手事務所ほど大きい案件を多く抱え、チームで動く可能性が高く、多忙になりがちです。
中小規模の事務所は、基本的に自分の裁量で仕事を進められるので、柔軟な働き方を実現できる事務所が多いです。
業務内容に加え、事務所の規模感を把握することも働き方を予想するうえで重要となります。
3. 弁護士専門エージェントから情報を収集する
実際、前述した情報のみでリアルな働き方や内情を把握するのは至難の業でしょう。より確実に実態を把握したい場合、弁護士専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。
- 残業時間や忙しさ
- 職場の雰囲気や人間関係
- そこで働いたことのある人の口コミ
- 年収や給与テーブル
など、転職するにあたって気になる情報の多くを転職エージェントは把握しています。
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