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企業内弁護士(インハウスローヤー)の平均年収|年齢別・業界別・実務年数別で解説

企業内弁護士(インハウスローヤー)の平均年収|年齢や業種別に分析&解説

by LEGAL JOB BOARD 森田

コンサルタント

担当職種:
  • 弁護士
  • 法務
企業内弁護士(インハウスローヤー)の平均年収|年齢別・業界別・実務年数別で解説

弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の森田です。

本記事では、「企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収」を様々な観点から分析します。

インハウスローヤーの平均年収、年齢・経験年数・業種ごとの年収などを知りたい方は、このまま読み進めていただけますと幸いです。

インハウスと法律事務所の年収比較、どちらで働くべきかの判断についても解説しています。

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企業内弁護士の平均年収

企業内弁護士(インハウスローヤー)の平均年収は700万円〜1,000万円程度です。実際に、リーガルジョブボードの独自調査では、企業内弁護士の平均年収は約745万円となっています。

しかし詳細に言うと、平均年収は「働く年代や業界・実務年数」などさまざまな要因によって変化します。そこで、以下の条件別に企業内弁護士の年収をより詳しく解説します。

  • 年収の中央値
  • 年齢別の平均年収
  • 実務年数別の年収
  • 業界別の年収

企業内弁護士の年収分布:年収1,000万円以上が約半数

企業内弁護士の年収分布は以下の通りです。

年収データは、日本組織内弁護士協会(JILA)による「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」に基づきます。

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満31.1%
500万円~750万円未満4818.1%
750万円~1,000万円未満7026.4%
1,000万円~1,250万円未満6424.2%
1,250万円~1,500万円未満2910.9%
1,500万円~2,000万円未満238.7%
2,000万円~3,000万円未満176.4%
3,000万円~5,000万円未満83%
5,000万円以上31.1%
※参照:日本組織内弁護士協会(JILA)「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

この調査では、年収750万円〜1,000万円が26.4%で最多、次いで年収1,000万円〜1,250万円が多くなっています。企業内弁護士は、年収750万円〜1,250万円程度の方が多いと言えるでしょう。

年収1,000万円以上に当てはまるのは、全体の約54%(計144人)に及びます。この調査では半数以上が1,000万円以上の年収を得ており、企業内弁護士はスキル・経験などに応じて、高収入を目指せることが伺えます。

「自分に合った企業・業界を知りたい」「自分の経験値でインハウスを目指せるか知りたい」といった方は、インハウスへの転職に強い「リーガルジョブボード」の専門エージェントまでお気軽にご相談ください。

【年齢別】企業内弁護士の年収

続いて、年齢別の企業内弁護士の年収です。

年収データは、日本組織内弁護士協会(JILA)による「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」に基づきます。

30歳未満の年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満120%
500万円~750万円未満240%
750万円~1,000万円未満240%

母数が少なくはありますが、30歳未満の企業内弁護士の年収は、500万円〜1,000万円未満が目安と言えます。30歳未満で年収1,000万円以上を得ている方がいない理由として、国内企業の企業内弁護士は、年功序列での昇給がベースであることが考えられます。

30歳〜35歳未満の年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満23.3%
500万円~750万円未満2948.3%
750万円~1,000万円未満1728.3%
1,000万円~1,250万円未満915%
1,250万円~1,500万円未満11.7%
1,500万円~2,000万円未満23.3%

30歳〜35歳未満の企業内弁護士の年収は、500万円〜750万円未満が目安です。年収750万円〜1,000万円も一定数存在しています。30歳未満に比べて年収1,000万円以上の割合が増えており、年収1,000万円〜1,250万円未満は9名が該当しています。

35歳〜40歳未満の年収

年収人数(人)割合
500万円~750万円未満1214.5%
750万円~1,000万円未満3441%
1,000万円~1,250万円未満1821.7%
1,250万円~1,500万円未満78.4%
1,500万円~2,000万円未満78.4%
2,000万円~3,000万円未満44.8%
5,000万円以上11.2%

35歳〜40歳未満の企業内弁護士の年収は、750万円〜1,000万円未満が目安でしょう。35歳を過ぎてくると、年収1,000万円以上の割合が高くなってきます。約45%(計37名)が年収1,000万円以上に該当し、年収5,000万円以上も1名ですが存在しています。

40歳〜45歳未満の年収

年収人数(人)割合
500万円~750万円未満47.8%
750万円~1,000万円未満1223.5%
1,000万円~1,250万円未満1733.3%
1,250万円~1,500万円未満713.7%
1,500万円~2,000万円未満59.8%
2,000万円~3,000万円未満35.9%
3,000万円~5,000万円未満23.9%
5,000万円以上12%

40歳〜45歳未満の企業内弁護士の年収は、1,000万円〜1,250万円未満が目安といえます。40代前半では、年収1,000万円以上がスタンダードになってきており、約69%(計35名)が年収1,000万円以上に該当します。

45歳以上の年収

年収人数(人)割合
500万円~750万円未満11.5%
750万円~1,000万円未満46.2%
1,000万円~1,250万円未満2030.8%
1,250万円~1,500万円未満1421.5%
1,500万円~2,000万円未満913.8%
2,000万円~3,000万円未満1015.4%
3,000万円~5,000万円未満69.2%
5,000万円以上11.5%

45歳以上の企業内弁護士の年収は、1,000万円〜1,250万円未満が最多で、年収1,250万円〜1,500万円未満も多くなっています。この調査での最大値は5,000万円以上ですが、なかには億を稼ぐ方もいらっしゃいます。

「自分に合った企業・業界を知りたい」「自分の経験値でインハウスを目指せるか知りたい」といった方は、インハウスへの転職に強い「リーガルジョブボード」の専門エージェントまでお気軽にご相談ください。

【経験年数別】企業内弁護士の年収

続いて、弁護士としての経験年数別で見た企業内弁護士の年収を解説します。

年収データは、日本組織内弁護士協会(JILA)による「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」に基づきます。

経験5年未満の年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満25.7%
500万円~750万円未満1645.7%
750万円~1,000万円未満1131.4%
1,000万円~1,250万円未満25.7%
1,250万円~1,500万円未満25.7%
1,500万円~2,000万円未満25.7%

経験5年未満の企業内弁護士の年収は、500万円〜750万円未満が最も多く、次いで750万円〜1,000万円未満が多くなっています。年収1,000万円以上という方も約17%存在しています。

経験5年~10年未満の年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満10.9%
500万円~750万円未満3027%
750万円~1,000万円未満4237.8%
1,000万円~1,250万円未満2320.7%
1,250万円~1,500万円未満98.1%
1,500万円~2,000万円未満43.6%
2,000万円~3,000万円未満21.8%

経験5年〜10年未満の企業内弁護士の年収は、750万円〜1,000万円未満が最多ですが、500万円〜750万円未満と1,000万円〜1,250万円未満の該当者も多くなっています。年収500万円〜1,250万円未満を中心として、分布に幅が出てきています。

経験10年~15年未満の年収

年収人数(人)割合
500万円~750万円未満22.3%
750万円~1,000万円未満1618.6%
1,000万円~1,250万円未満3237.2%
1,250万円~1,500万円未満1517.4%
1,500万円~2,000万円未満1416.3%
2,000万円~3,000万円未満67%
5,000万円以上11.2%

経験10年〜15年未満の企業内弁護士の年収は、1,000万円〜1,250万円未満の方が最も多くなっています。経験10年を超えると、年収500万円未満の該当者はおらず、年収750万円〜2,000万円未満が一般的になると言えるでしょう。

経験15年~20年未満の年収

年収人数(人)割合
750万円~1,000万円未満15.6%
1,000万円~1,250万円未満738.9%
1,250万円~1,500万円未満316.7%
1,500万円~2,000万円未満316.7%
2,000万円~3,000万円未満211.1%
3,000万円~5,000万円未満211.1%

経験15年〜20年未満の企業内弁護士の年収は、1,000万円〜1,250万円未満の方が最も多く、年収750万円未満の方はいませんでした。年収1,000万円以上の方がほとんどで、年収2,000万円〜5,000万円未満も一定数いることが分かります。

経験20年以上の年収

年収人数(人)割合
2,000万円~3,000万円未満746.7%
3,000万円~5,000万円未満640%
5,000万円以上213.3%

経験20年以上の企業内弁護士の年収は、この調査では全員が年収2,000万円以上となりました。年収2,000万円〜5,000万円未満が多くなっています。弁護士としてのキャリアにともなって、企業内弁護士の年収も上がる傾向にあると言えるでしょう。

【業種別】企業内弁護士の年収

続いて、企業内弁護士の平均年収をメーカー、金融、ITの業種別に分析します。

年収データは、日本組織内弁護士協会(JILA)による「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」に基づきます。

メーカーの年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満11%
500万円~750万円未満2422.9%
750万円~1,000万円未満3028.6%
1,000万円~1,250万円未満2523.8%
1,250万円~1,500万円未満76.7%
1,500万円~2,000万円未満76.7%
2,000万円~3,000万円未満87.6%
3,000万円~5,000万円未満32.9%

メーカーの企業内弁護士の年収は、500万円〜1,250万円未満の該当者が多くなっています。年収1,000万円以上の方は約48%(計50名)でした。特に年収が高い層は、管理職や役員・ジェネラルカウンセルである可能性が高いでしょう。

金融系の年収

年収人数(人)割合
500万円~750万円未満59.8%
750万円~1,000万円未満713.7%
1,000万円~1,250万円未満1733.3%
1,250万円~1,500万円未満917.6%
1,500万円~2,000万円未満611.8%
2,000万円~3,000万円未満35.9%
3,000万円~5,000万円未満23.9%
5,000万円以上23.9%

金融系の企業内弁護士の年収は、1,000万円〜1,250万円未満が最多でした。年収500万円未満の該当者はおらず、年収5,000万円以上という方もいます。

外資系企業は実力次第で高年収を目指すことができ、中でも外資系証券会社は給与水準が高い傾向にあります。具体的には、ゴールドマン・サックス証券、UBS証券、JPモルガン証券などです。

企業によっては、役員クラスで年収3,000万円~4,000万円+賞与という高収入を得ることもできます。

IT系の年収

年収人数(人)割合
250万円~500万円未満12.7%
500万円~750万円未満616.2%
750万円~1,000万円未満1129.7%
1,000万円~1,250万円未満821.6%
1,250万円~1,500万円未満410.8%
1,500万円~2,000万円未満38.1%
2,000万円~3,000万円未満12.7%
3,000万円~5,000万円未満25.4%
5,000万円以上12.7%

IT系の企業内弁護士の年収は、500万円〜1,250万円未満の該当者が多くなっています。メーカーや金融に比べて、年収分布が全体的に散らばっている印象を受けます。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やマイクロソフトなど、外資系の大手IT企業で管理職クラスになれば、ボーナスなども込みで年収3,000万円以上も目指せるでしょう。

「自分に合った企業・業界を知りたい」「自分の経験値でインハウスを目指せるか知りたい」といった方は、インハウスへの転職に強い「リーガルジョブボード」の専門エージェントまでお気軽にご相談ください。

企業内弁護士と法律事務所の年収比較&どちらで働く?

企業内弁護士と法律事務所、どちらの働き方を選択するか検討する際には、「年収」「ワークライフバランス」「キャリア形成の幅」が主な軸となります。

比較項目法律事務所インハウス
年収の高さ・上り幅
ワークライフバランス
キャリア形成の幅

結論、多忙でも高収入を目指したい方は法律事務所、ワークライフバランスを大切にしたい方はインハウスローヤーを選択するケースが多いです。

インハウスローヤーの特徴として、ワークライフバランスが実現しやすいことがあります。企業に属する会社員となるため、福利厚生も充実している傾向にあります。プライベートと両立しながら、安定した働き方・給与を望む方に合っているでしょう。

一方で、年収1,000万円以上を目指したい方などは、法律事務所の方が合っているでしょう。法律事務所の弁護士は、スキル・経験や案件数に比例して年収が伸びやすく、働けば働くほど稼げる傾向にあります。その分、インハウスローヤーに比べると、ワークライフバランスは二の次になりがちです。

キャリア形成の幅や、法律事務所からインハウスへの転職難易度など、詳しく知りたい方はリーガルジョブボードの弁護士専門エージェントにご相談ください。最近の動向を含め、情報を共有させていただきます。

企業内弁護士の動向・今後の需要

2013年には953名だった企業内弁護士ですが、2023年には3,184人と3倍以上に増加しています。

企業内弁護士数の推移(2013〜2023)

企業内弁護士数が増加した背景には、企業活動で生じ得るリスク・不正に対するケア、コンプライアンスへの意識が強まっていることがあります。時代とともにビジネスのあり方は変化し続けており、その分、法令違反や予期せぬ不祥事も起こり得る状況です。

また、顧問弁護士よりも企業内弁護士を雇う方がコストが抑えられるといった観点から、自社に弁護士を置いている企業も多いです。

今後も企業内弁護士の需要は増加すると予想されており、弁護士の働き方としてよりメジャーになっていくでしょう。

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※参照:日本組織内弁護士協会(JILA)「企業内弁護士数の推移」

企業内弁護士に求められるスキルは?

企業内弁護士を目指すにあたり、求められるスキルは以下のようなものがあります。

  • コミュニケーション能力
  • 英語力
  • マネジメント能力 など

当然ながら企業によって求められるスキル・経験などは様々ですが、上記のどれか一つでも当てはまっていればアピールポイントになるでしょう。詳しくは以下の記事で解説しています。

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インハウス転職に強い専門エージェントの活用を

企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職を検討している方、キャリアについてお悩みの方は、リーガルジョブボードの弁護士専門エージェントにご相談ください。

また、以下のような方も、弁護士専門エージェントへの個別相談を活用いただくのがおすすめです。

  • 希望に沿った「最適な求人」を知りたい
  • 市場価値や年収が適正かの診断をして欲しい
  • キャリアや将来に漠然とした不安がある

情報収集のみでのご利用も可能ですので、お気軽にお問合せください。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 森田

コンサルタント

担当職種:
  • 弁護士
  • 法務

教育業界でキャリアをスタートした後、ITコンサルティング事業の法人営業に従事。昨対売上2.5倍を実現し、事業成長を牽引する。 リーガルジョブボードでは、知財領域での転職支援実績が評価され、弁護士領域に中核メンバーとして参画。 キャリアコンサルタント国家資格を所持しており、徹底的な情報収集と的確なキャリア提案を強みとする。

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