司法修習生の履歴書の書き方|志望動機や自己PRの例文・注意点も解説
by LEGAL JOB BOARD 青木
コンサルタント
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こんにちは。弁護士・司法修習生専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」の青木です。
本記事では、司法修習生が内定を獲得するための「履歴書の正しい書き方やコツ」をご紹介します。
履歴書や職務経歴書は、あなたの「第一印象」を決定づける書類です。第一印象が良くなければ「面接の必要はない」と判断され、就職活動がうまくいかなくなってしまいます。
また、人気の事務所ほど書類選考の突破が厳しくなる(倍率が高くなる)ので、気になる求人があればあるほど書類対策の重要性は高いです。
法律事務所の採用担当者が「この人と面接したい」「もう少しお話してみたい」と思える履歴書の書き方を、本記事を通してお伝えするので、就活中の司法修習生や弁護士の方はぜひご覧ください。
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基本となる履歴書の書き方
まず、履歴書や職務経歴書は第一印象が大切です。採用側が「この人は誠実で、本気でうちの事務所に入所したいと思っていそう」と感じる履歴書は、内容を読まなくてもわかる事が多いです。
記入が必要な箇所に空欄がないことを前提に、文章量や文章構成、改行のタイミングなど、読み手に伝わりやすい文章になっているか、などの様々な情報によって「第一印象」が決定されます。
手書きかパソコンで作成しているかなどは関係なく、丁寧に見やすく仕上げることが大切です。基本の書き方は、下記の記事で詳細にまとめています。
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面接官となる弁護士の多くが、日常業務の合間に採用活動を行うため、面接までに履歴書を細部まで読み込めていない可能性もありますが、油断は禁物です。
最終的な合否を決定する際には、必ず履歴書を再度確認されます。他の候補者との比較に履歴書を用いることも多いので、しっかりと準備したいところです。
「でも1人で作成するのは面倒…」「第三者の客観的なアドバイスが欲しい」という方は、弁護士専門のの転職エージェント「リーガルジョブボード」に、ぜひお気軽にご相談ください。採用担当者に好印象を与える履歴書の作成・添削などのサポートを無料で行っております。
好印象を与えるためのポイント
好印象を与えるためのポイントを解説します。
志望理由+自己PR
履歴書の志望動機欄を埋める方もいますが、基本的に志望動機や自己PRは別の用紙に書くようにしましょう。そもそも、履歴書の志望動機欄は小さいため思っていることをすべて書くことは難しいかと思います。
書くときは、A4用紙に1枚内、長くても2枚までで簡単にまとめるようにしましょう。
忙しい弁護士にとって、あまりに長い文章を読むのは面倒に感じてしまいますので、長くならないように注意が必要です。
アルバイト経験もアピールになる!
司法修習生の中には、アルバイト経験がある方もいるでしょう。アルバイトで感じたことや達成したことなどを自己PRに入れ込んでもOKです。
何を感じたのか、達成したのかなどで、自身の考え方や価値観を表すことができます。
例文:
「塾講師のアルバイトで保護者とのトラブルに対応した時、保護者に寄り添い話し合いを重ねることで、問題解決に導きました。弁護士になっても、クライアントに徹底的に寄り添える弁護士になりたいと考えており、クライアント第一の理念を掲げている貴所に魅力を感じています。」
起承転結で”伝わる”文章に
自己PR・志望動機を書く際には、結論(自分の強みや志望理由)と根拠・具体例(強みを発揮したエピソード/志望するに至った出来事)が一貫しているかを意識して作成しましょう。
作成にあたり、以下の流れをぜひ意識してみてください。
- 起(自分の強みを定義)
- 承(強みを発揮した場面での背景や目標)
- 転(困難に対し強みをどう発揮したか)
- 結(結果と纏め)
しかし、実際に「伝わる文章」にするためには、客観的な視点での推敲が必要です。
私共のような書類添削を定期的に行っている転職エージェントや、周囲の知り合いなど、様々な立場の方からのアドバイスを貰うようにしましょう。
志望動機を作るポイント
志望動機を作るポイントをご紹介します。
弁護士になろうと思ったきっかけ
司法修習生が志望動機を作る際には、弁護士になろうと思ったきっかけを絡めて書くと、あなたの考えも一緒に伝えやすくなります。
- 単純に弁護士に憧れていた
- 法律学に面白みや魅力を感じた
- 専門性の高い仕事がしたい
上記のようなきっかけを持つ方が多いですが、その想いだけでなく、どうしてそう思ったのかも伝えられると良いでしょう。
例文:
貴所は、労働問題など生活に密着している案件を多く扱っており、人々の生活に貢献したいと考えている私が目指す弁護士像に近づけると考えております。
自分の体験したエピソードを踏まえて具体的に説明すると尚良し
志望動機により熱を持たせるために、自身の体験やエピソードを踏まえるのは効果的です。
例文:
「在学中、法律サークルに参加しており、実際に困っている方々にアドバイスをさせていただく機会がありました。法的トラブルを一緒に解決する中で喜びをしり、法的知識をいかし社会貢献がしたいと考えるようになりました。」
このように、実際のエピソードを入れ込むことで、リアリティが生まれます。
この事務所でなくてはならない理由
何より、応募先でなくてはならない理由が必要です。
- 事務所の考え方に共感できる
- 自分が目指す弁護士像に近づくために必要な経験がつめる
上記のようなことが考えられると思います。
応募先によって理由は違うはずですので、必ず応募先ごとに志望動機を変えるようにしましょう。
例文:
貴所を志望しますのは、貴所が理念に掲げている「〇〇」に共感し、私自身も依頼者に寄り添い評価される弁護士になりたいからです。
私は、専門的な知識で多くの問題を解決し人々の生活に貢献したいと考え、法学部に進みました。
トラブルを解決するためには、今まで勉強してきた知識に加え、私の長所でもあるチャレンジ精神や向上心が大切と考えております。(長所をアピールできるエピソードなどがあると尚よし)
貴所は、労働問題など生活に密着している案件を多く扱っており、人々の生活に貢献したいと考えている私が目指す弁護士像に近づけると考えております。
自己PRを作るポイント
次は、自己PRを作るポイントを解説していきます。
自分はどんな人物なのかを簡単に書く
「私は、積極的で行動力があります。」というように、簡単に自分はどんな人物なのかを書くのも良いです。
そして、その後にそれをアピールできるエピソードを書いていきます。
例えば、この場合だと「積極的で、行動力がある」という性格なので、以下のように書くとどんな人物なのかを分かりやすく伝えることができます。
例文:
「大学時代は、100名以上の部員が所属するクラブに入部し部長を務めることで様々なイベントを成功させてきました。自分とは全く違う考えや経験を持った部員をまとめるのは大変でしたが、積極的に個々と交流するよう努めることで、クラブをまとめることができました。」
エピソード例
また、エピソードを書く際は
- 学生時代に努力したことや熱中したこと、達成したこと
- アルバイト経験
などを書くことが多いでしょう。
例文:
「幼いころより弁護士に憧れておりましたので、早くに弁護士実務を体験したいと考えエクスターンシップに参加しました。派遣された弁護士事務所では、民事事件について訴訟・準備書面・答弁書を何度も提出し、修正をしながら起案しました。弁護士としても、どんな事件であっても、努力を惜しまず常に全力を尽くすことで、ニーズに応えたいと考えています。」
「塾講師のアルバイトで保護者とのトラブルに対応した時、保護者に寄り添い話し合いを重ねることで、問題解決に導きました。弁護士になっても、クライアントに徹底的に寄り添える弁護士になりたいと考えております。」
上記のように、経験したエピソードに加え、それがもとで考えたことを一緒に書くと思いが伝わりやすくなります。
どの分野に興味を持っているのか
自己PRでは、どの分野に興味を持っているかを書くことがあります。
なぜ興味があるのかを解説することで、自身の考え方をアピールすることができます。
例文:
「民事訴訟法のゼミに参加し、弁護士として身近に起こる問題を法的に解決する面白みを学び、一般民事に興味を持っています。」
しかし、実際に現場に出ていない司法修習生の場合、想像や理想の内容になってしまうこともあるため、必ずしも書く必要はないでしょう。
注意点
代表的な注意点を3つほど、下記でお話します。
事務所によって、内容をカスタマイズ
履歴書の内容を使いまわしすることは避けましょう。希望事務所の系統が似ることはあっても、全く同じ事務所はありません。
その事務所を志望する動機や、その事務所だからこそ有効な自己PRを作成します。当たり障りのない、どの事務所にも当てはまるような内容は、採用側には響きません。
具体的には、事務所のホームページを確認し、その事務所の志望動機を作成するのがおすすめです。「うちの事務所のことをよく調べている」「本当に入所を希望しているんだな」と思ってもらえるように意識してみてください。
履歴書をメールで送る時はPDF
履歴書をメールで送る際、ExcelファイルやWordファイルのまま送る方がたまにいますが、事務所側から指定がない場合は基本的にPDFに変換して送ります。
また、一般的に使用されていないソフトを使用して、そのままの形式で送ると相手側が開くことができません。先方が全部のデータを問題なく確認できるか、見やすくなっているかに気を付けてください。
司法試験の話題について書かない
前提として、他の候補者の方も司法試験を突破しています。「合格した」という事実だけではPRになりにくいです。
また、「合格順位」をもとにPRしたい場合は司法試験500位以内、四大・五大法律事務所は100位以内であれば好印象を与える可能性が高いです。合格順位によっては、自身の能力をマイナスに見られる可能性があるので要注意です。
よくある質問、Q&A
よくある質問とその回答を下記にまとめました。
事務所の呼び方は?
法律事務所のことは「貴社」「御社」とは呼びません。履歴書では「貴所」、口頭では「御所」というのが正しいです。
履歴書サイズについて
市販の履歴書サイズはB4、ネット上に上がっている履歴書のテンプレートはA4が多いので、どちらが適切か質問されることがあります。
結論は、B4とA4どちらでもOKです。ビジネス上、一般的にA4やA3用紙が使用されることが多いので、他の書類と管理するにはA4の方がいいと考える方もいらっしゃるようです。
運転免許など、弁護士に関係のない資格も書く必要はありますか?
基本的に、弁護士に関係のない資格でもすべて記入します。しかし、持っている資格が多く記入する枠が足りない場合は、優先度の高い資格を書くようにしましょう。
転職エージェントを活用すると大手の内定率が上がる理由
弁護士・司法修習生の就活は、内定の可能性がグッと上がる「転職エージェント」の活用がおすすめです。
弊社「リーガルジョブボード」は、弁護士業界に詳しいエージェントがあなたのスキルや資質を見極め、求人紹介だけでなく、以下のサポートも無料で行ってくれます。
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ちなみに、自分で直接求人に応募するよりも、転職エージェントを経由して応募した方が内定率がグッと上がることをご存知ですか?理由は以下の記事で解説しています。
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