
【土地家屋調査士】スキルアップ方法や法人・個人事務所の特徴の違い

by LEGAL JOB BOARD 宮脇
キャリアアドバイザー
- 担当職種:

こんにちは。土地家屋調査士に特化したキャリア支援を行う「リーガルジョブボード」の峯です。今回は、「土地家屋調査士のスキルアップや法人・個人事務所の違い」について解説します。
調査士の方からよく、以下のようなお言葉をいただきます。
「なかなか収入が上がらない」「資格を持っているのに登記しかさせてもらえない」「同い年なのに転職してきた人の方が業務範囲が広く、高い給与をもらっている」
土地家屋調査士としての年収を上げる方法はずばり、スキルアップすることです。本記事では、このような収入やスキルアップに関するお悩みを解消するので、同じようなお悩みを持つ方はこのまま読み進めてください。
この記事の目次
土地家屋調査士のスキルアップとは
調査士に求められるスキルは、独占業務である「登記」以外に以下の2つがあります。
これらのスキルを総合的に向上させることが、収入アップや昇給につながります。そしてこれらのスキルは転職活動にも大いに役立ちます。
では、それぞれのスキルを詳しく解説していきましょう。
測量の技術
土地家屋調査士の独占業務には「表示に関する登記」などがありますが、実務のイメージとしては、登記を行うために必要な情報を集める“測量”の部分が大きいと感じる方も多いと思います。
実際、土地家屋調査士として仕事を続けていくうえで、測量技術はどうしても避けて通れません。
なかでも境界を確定するための「確定測量」は、腕がもっとも試される場面です。ミリ単位の誤差も許されず、依頼者や隣接地の所有者との立会いも必要なため、机上の知識だけでは対応しきれません。
現場で経験を重ね、自分が中心となって測量を進められるようになると、「ようやく一人前になったな」と実感できる仕事でもあります。
また、転職の場面でも測量経験の有無は大きな差になります。「測量経験者のみ」と条件を出している事務所も珍しくないため、早い段階で測量に携われる環境に身を置いておくほうが、将来の選択肢は確実に広がります。
コミュニケーション能力の向上
一言にコミュニケーションと言っても、
これらは同じコミュニケーションですが、違った意味合いになってきます。
エンドユーザーとのコミュニケーション
測量を行う際には、近隣の敷地に入らないと作業ができないことがあります。
そのため、「敷地に入ってもよいか」「どの範囲までなら大丈夫か」など、事前の確認がとても重要です。境界を探す作業では、近隣の庭に小さな穴を掘って探索することもあり、そうした場面では特に丁寧な説明とコミュニケーションが欠かせません。
相手が若い方なのか、それともシルバー世代なのかによっても、立ち振る舞いや声のかけ方も変わってきます。その人に合った距離感で話せるかどうかが、現場をスムーズに進める大事なポイントです。
交渉や説明が上手な上司の立ち回りを観察しながら、現場経験を重ねるほど、自分なりの“コミュニケーションの型”が身につき、業務にも自信が持てるようになります。
他事務所や法人とのコミュニケーション
土地家屋調査士の仕事では、他の土地家屋調査士事務所や司法書士事務所、建設会社、不動産会社など法人とのやり取りも多く発生します。相手も専門家だからこそ、求められる情報の精度や対応スピードが高く、個人対応とはまた違ったコミュニケーションが必要になります。
図面や測量データを共有する際には、相手が次の工程に進むために何を求めているのかを正確に理解し、誤解のないよう確認を重ねることが大切です。
また、法人が絡む案件はスケジュールの影響も大きいため、進捗共有や連絡のタイミングにも気を配る必要があります。
こうした対応がスムーズにできる土地家屋調査士は、相手からの信頼も得やすく、結果的に仕事の幅やチャンスも広がっていきます。
スキルアップをする上で大切なこと
スキルアップするためにまず大切なのは、「いま自分に何ができて、何ができていないのか」を正確に把握することです。
自分の現在地を把握できていなければ、どれだけ努力しても方向がズレてしまい、成長のスピードも遅くなってしまいます。
そのうえで、今後どんな力を身につけたいのか、そのためにはどんな事務所でどんな経験を積むべきなのか。こうした“キャリアの軸”を早い段階で定めビジョンが明確にしておくことが、結果的に最短でスキルアップにつながります。
とはいえ、自分ひとりで今の実力や将来の方向性を客観的に判断するのは簡単ではありません。ときには第三者の意見やプロの視点が、成長のヒントになることも多いのです。
そこで、弊社リーガルジョブボードでは、土地家屋調査士専任のキャリアアドバイザーが、キャリアプランや転職に関する相談会を無料で実施しています。
ご連絡いただければお電話や対面・ウェブ通話でお話させていただきますので、お気軽にご利用ください。
身に付くスキルは法人・個人事務所で異なる
土地家屋調査士の就職先は、「法人事務所」と「個人事務所」があります。
実は、それぞれで身に付くスキルは異なります。スキルアップを考える上で、このあたりを把握しておくことは大切です。そこで、法人・個人事務所それぞれの特徴を以下で解説します。
※あくまでも傾向で、必ずしも該当するとは限りません。
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「法人事務所」で働くことの特徴やメリット/デメリット
「法人事務所」で働くことの特徴
法人事務所は比較的規模が大きく、案件も多いため効率化を図るために「測量部門」「登記部門」など、分業している法人もあります。
もちろん、全ての法人が分業型を取っているわけではありません。「登記は同じ人が最初から最後まで担当した方が、お客様への安心感に繋がるはずだ」と考え、あえて分業型を取り入れていない法人も存在します。
法人によっては司法書士事務所などの他士業の事務所と併設している場合もあり、お客様に対してワンストップサービスを提供できることが魅力です。
法人事務所のメリット・デメリット
次に法人事務所で働くことのメリットやデメリットについてです。
- メリット:収入が安定している・部門ごとの専門性が高まる・教育体制がしっかりしている場合が多い
- デメリット:事務所によるが分業で担当できる業務範囲が狭くなる場合がある
規模が大きい分、社会環境の変化があっても収入は安定しやすいのが魅力です。
支店をいくつか抱えているため、社内で認められれば他の地域での支店を任されるなど、法人内でキャリアアップをすることができます。
「個人事務所」で働くことの特徴・メリット/デメリット
「個人事務所」で働くことの特徴
個人事務所は「統括型」が多いのが特徴です。
個人事務所は、所長である土地家屋調査士が1人で、補助者を数名抱えているという比較的小さい規模の場合が多く、分業制を取らずに幅広い業務を担当するスタイルが一般的です。
そのため大体の個人事務所が「統括型」に分類されています。
統括型は、「一人で全ての業務に携わることができる」体制です。
個人事務所のメリット・デメリット
個人事務所で働くと、一人で全ての業務に携われるため、数年で著しく成長できます。
スキルを磨きたい方や圧倒的に成長したい方はおすすめです。
案件の数が少ないことは悪いことではなく、収益を振り分ける人数が少ないため問題ではありません。
- メリット:成長速度が早い・幅広く業務を経験できるため転職活動で有利
- デメリット:法人に比べたら不安定・人手不足の事務所も多い
個人事務所のメリットは前述した通り、全業務を全てできるようになるまでのスピードが法人に比べて比較的早いことです。
経験値が高くなるため、転職活動で有利になりやすいです。
しかし、デメリットもあります。
それは、「経営状況が不安定になるリスクが多少あること」です。
個人事務所は案件が比較的少ないため、数年前のコロナウイルスなど予想できない社会的な要因に影響されやすいと言えます。
また案件が増えると人手不足で忙しくなるため、残業や休みなども不安定になるでしょう。
しかし近年、ワークライフバランスに力を入れている事務所も増えてきたため、職場によっては忙しさに差があります。
職場選びやキャリア、スキルアップについてお悩みの土地家屋調査士の方は、リーガルジョブボードにご相談ください。土地家屋調査士専任のキャリアアドバイザーが、希望のキャリア実現のため手厚くサポートいたします。相談のみでのご利用も可能です!
スキルアップを叶えた転職の成功例
最後に、弊社を通してスキルアップを実現できた方の転職例やエピソードをご紹介します。
支店の経営・マネジメントのキャリアステップを実現した調査士
【調査士歴9年/29歳男性】
こちらの方は、働いている事務所の「理念が合わない」という理由から転職活動を始めることになりました。
経営やマネジメントなどに携われる転職先をご希望されていました。
そして弊社での求人紹介を受け、新たな事務所に転職を決めます。
この事務所は新しい支店を立ち上げる予定があったため、「支店を前進させる経験豊富な人材が欲しい」というニーズがあり、双方の需要がマッチしました。
調査士の方の人柄もよく、最初は年収600万円を提示していましたが、事務所側が「こんなに良い人材はいない」ということで、700万円で内定が決まりました。
異業種から未経験の調査士へのキャリアチェンジを実現できた方
【調査士歴0年/48歳男性】
こちらの方は最近調査士の資格を取得し、測量と登記どちらも学べる事務所を希望されました。
もともとは調査士とは畑違いの業界で働いていた方でしたが、働きながら調査士の資格を取得されたのです。
当時働いていた職場の年収が約400万円だったのですが、調査士未経験だと350万円くらいになることを了承していただき、転職活動を開始されました。
とある調査士事務所にこちらの方をご紹介したところ、内定が出ました。
未経験の調査士の方ではありますが書類や面接から好印象を与えられ、最終的に年収は前職と変わらず400万円でスタートすることになりました。
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※ちなみに今回ご紹介した2つの転職例ですが、どちらも求人サイトに掲載される前の求人(非公開求人)でした。
弊社リーガルジョブボードにご登録いただくと、土地家屋調査士専任のキャリアアドバイザーを通して、非公開求人のご案内も可能になります。
求人サイトに掲載される前の新鮮な求人情報を定期的にご紹介しているため、転職を視野に入れている方はぜひご利用ください!
調査士としてスキルアップを実現するには
土地家屋調査士としてスキルアップを実現するには、まず、今後どのような土地家屋調査士になりたいのかを改めて考えることです。
いずれは独立したいのか、勤務調査士として事務所の柱になりたいのか、、など。
ビジョンを定めていくうちに、いま何が足りなくて、何を学ぶべきかが見出されます。
そうすると、どういったスキルアップを実現できれば良いのかが分かるようになり、もっと言うと「どのような事務所で働ければ良いのか」も自然と分かるようになります。
しかし、これらを一人で考えるのは難しいです。さらに言えば、叶えたいスキルアップがどの事務所で実現できるかなんて、正直分からないです。
そんな時に役立つのが、キャリアアドバイザーの活用です。
キャリアアドバイザーを活用すると転職活動が有利になります
土地家屋調査士・測量士は、キャリアアドバイザーを活用することで、スキルアップが実現できる事務所の求人をチェックすることができます。
あなたのご希望をアドバイザーにお話することで、ご希望に沿った求人を定期的に紹介してもらえます。
また、キャリアアドバイザーを活用すると「自分では求人先に確認しにくいこと」も確認できるようになります。
例えば、以下のような質問は自分ではしにくいです。
- ボーナスはどれくらいですか?
- 給料はどういうペースで上がっていきますか?
- ワークライフバランスはどうでしょうか?
- 1日あたりの残業時間はどれくらいですか?
しかし、アドバイザーを介することで、これらの情報を入手できます。
リーガルジョブボードには、土地家屋調査士専任のキャリアアドバイザーが在籍しておりますので、求人票にはない情報や事務所の雰囲気など、リアルな情報を充分にご提供できます。転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご利用ください。
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