司法書士
働きながら司法書士を目指す!無理なく試験合格するために必要な年数と体験談

【司法書士】働きながら目指せる?社会人でも目指せる理由や合格体験記

by LEGAL JOB MAGAZINE 編集部

編集部

働きながら司法書士を目指す!無理なく試験合格するために必要な年数と体験談

こんにちは。リーガルジョブマガジン編集部です。

本記事では、現役司法書士・志村 直也氏に監修いただき、「働きながら司法書士合格を目指すこと」について解説します。

働きながらの司法書士受験を検討している方や、働きながら合格を目指すのが現実的か判断したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

監修者:志村 直也氏
フラタニティ司法書士事務所の代表司法書士で、業界に関する知識やトレンドを発信中。不動産登記を中心に後見・相続業務に注力している。

働きながら司法書士合格は無理…?

決して容易ではありませんが、司法書士は働きながら受験し、合格を目指すことができる資格です。事実として、一定数の方が働きながら司法書士試験に合格しています。

社会人になってからや、パート・アルバイトで働きながら司法書士を目指す方が多い理由を、次章で詳しく解説します。

働きながらでも司法書士を目指せる理由

ここでは、社会人や働いている方でも司法書士を目指せる理由を解説します。

理由1:受験資格を問われないから

司法書士試験には受験資格がなく、社会人になってからでも受験できます。学歴や経歴も問われません。

実際に司法書士として活躍されている方の中には、大卒ではない方や、全く別の仕事をされていた方もいらっしゃいます。司法書士は職歴や学歴に関係なく目指すことができる資格です。

理由2:受験回数に制限がないから

司法書士の受験回数には制限がないため、働きながら自分のペースで合格を目指すことができます

「働きながら3年以内の合格を目指す」といった目標を立てる方も多いです。補足として、合格までの受験回数は4回前後が平均と言われています。

理由3:年齢に関係なく活躍できる資格だから

司法書士は年齢に関係なく売り手市場で、就職・転職のチャンスは大いにあります。また業務面で見ても司法書士の需要は高く、定年もないため長く活躍できるでしょう

現役司法書士の平均年齢は、東京司法書士会で49.9歳、大阪司法書士会で52.1歳など、全国的に50歳前後です。

働きながら合格した人の割合は?

司法書士合格者の方のキャリア支援を行なってきた弊社エージェントによると、「働きながら合格した人」が6割ほど、「専業(受験勉強に専念)で合格した人」が4割ほどとのことです。

司法書士試験は合格率ですが、多くの方が働きながら資格取得をされています。

例を挙げると、司法書士合格者のうち、大体の方が以下のような状況で受験勉強をしていました。

  • 企業に正社員として勤めながら受験勉強をしていた
  • 仕事を辞め、実家暮らしで受験勉強だけに専念していた
  • 司法書士補助者として正社員やパートで働きながら受験勉強していた
  • 派遣やアルバイト等で収入を得ながら受験勉強の時間を確保していた

働きながら司法書士を目指すメリット・デメリット

次に、働きながら司法書士を目指すメリット・デメリットをまとめます。

メリット1:金銭的余裕ができる

働きながら司法書士を目指す最大のメリットは、金銭的余裕ができることです。

資格勉強にあたって、教材費が必要になるほか、通信講座や予備校を利用する場合は費用がさらに大きくなります。合格後も新人研修や特別研修で、まとまった費用が必要です。

また生活を維持するためにも、収入源を確保しながら受験勉強をしたいという方が多くいらっしゃいます。

メリット2:資格取得後の転職活動が有利になる

何らかの就業経験は、司法書士合格後の就活に有利に働く可能性が高いです。

司法書士は業務の性質上、クライアントなどの関係者とコミュニケーションを取る場面が多く、PCスキルやビジネスマナーやコミュニケーション能力などが求められます。

「社会人経験や就業経験があれば、スキルは最低限身についている」と自然に理解されるため、合格後の就活に有利に働く傾向にあります。

補足として「社会人経験の長さや深さ」は、年齢が上がるほど重視されやすいです。正社員だけでなく契約社員、派遣社員、アルバイトなどすべてが社会人経験とみなされます。社会人経験に不安がある方は、ちょっとしたアルバイトから始めてみるのも良いでしょう。

デメリット:専業よりも勉強時間が減ってしまう

働きながら司法書士を目指すデメリットとして、専業で勉強するよりも、どうしても勉強時間が減ってしまう点があります。

司法書士合格に必要な勉強時間は約3000時間と言われています。合格までの期間は、1日8時間以上で約1年、1日3時間なら約3年、平日3時間+土日などの休みに10時間以上勉強すれば2年程度が目安です。

そのため1年などで短期合格を目指す場合、働きながらの受験勉強は難易度が高いかもしれません。

「働きながら合格」を叶えた人が実践していたこと

働きながら司法書士に合格した方が実践していたことを紹介します。勉強法や時間の使い方など、参考にしていただけるはずです。

隙間時間を活用して勉強する

隙間時間を活用しての勉強ですが、具体的には以下のような方法です。

  • 通勤・退勤電車の中で参考書を読む
  • 仕事の昼休憩の時間に勉強する
  • 早起きをして朝に1時間勉強する

日常生活の隙間時間を無駄にしないで勉強すること、それを習慣化することで合格に近づいたとのことです。

ハードワークな職場は避ける

勉強時間を確保するため、残業がほとんどない職場を選んだという方もいます。

ハードワークな職場で働くと、平日の勉強時間を確保するのが難しくなるほか、帰宅後や休日は体力回復に時間を費やしてしまいがちです。

収入・仕事を確保しながら、毎日コツコツと勉強して合格を目指したい方は、司法書士補助者として働くことも検討してみてはいかがでしょうか。

働きながら司法書士試験に合格!体験記やエピソード

ここからは、働きながら合格した方の実際のエピソードを掲載します。

30代男性/元公務員/受験回数4回

大学卒業から公務員として長年勤務していました。
公務員といっても部署によっては多忙な時期もあり、40~50時間程残業をしていたこともあります。

勉強を始めた当初は1歳の子供がおり、妻に協力してもらいながらも朝食など、家の手伝いは多少なりともしながら勉強をしていました。
4回の受験で、なかなか合格できないもどかしさを抱えつつも、家族に協力してもらいながら隙間時間を効率的に使い、勉強時間をどうにか捻出してきました。
通勤電車の中、お昼休みなど少しでも時間があれば、すかさずテキストを開いていました。

公務員の年功序列で縦社会の世界に不満があったので、今は司法書士で手に職をつけ、どんどんキャリアアップしていきたいと思っています。
新たな人生が開けたような感じで、これからが楽しみでわくわくしています!

30代女性/元補助者/受験回数9回

司法書士事務所で補助者として勤務しながら受験勉強をしていました。受験勉強に専念するため、残業はなく18時でほぼ帰れていたため、勉強時間は1日6時間ほどですがコンスタントに取れていました。

3年間は独学しましたが、これではダメだと思い予備校へ通い始めました。結構、試験勉強自体を楽観的に考えしまっていたため、全く受かりませんでした。5回目あたりで諦めようかと思いましたが、やはり未練があり引くに引けず、これまでの試験の振り返りをし、予備校の先生に相談したりと真剣に向き合って9回目でようやく受かりました。

結婚や出産、旦那さんの転勤などで環境が変化しても、職に困っていない女性の先輩司法書士を見ているので、やはり手に職をつけることができ良かったと思っています!

未経験で司法書士事務所で働きたい方へ

司法書士の受験勉強中の方や、受験勉強を始めようとしている方で、

  • 勉強を始めたばかりだが、司法書士事務所で働ける?
  • これから受験勉強を始めるが、司法書士補助者に転職できる?
  • 司法書士事務所で働きながら、受験勉強はできる?

といった疑問をお持ちの方は、司法書士の転職エージェント「リーガルジョブボード」まで、お気軽にご相談ください。業界に精通したエージェントがお悩みを伺います。

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参考文献

この記事の執筆者

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士業専門の業界・転職情報メディア「LEGAL JOB MAGAZINE」の編集部。 司法書士や弁護士、弁理士、知財職種、土地家屋調査士、測量士などの職種を取り扱っています。 転職・就職ノウハウと業界知識に関する記事を中心に、インタビュー記事やイベント情報も発信します。

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