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司法書士補助者とは?仕事内容や忙しさ・給料・就職方法を解説

司法書士補助者とは?仕事内容や忙しさ・給料・就職方法を解説

by LEGAL JOB BOARD 北澤

転職エージェント

担当職種:
  • 司法書士
司法書士補助者とは?仕事内容や忙しさ・給料・就職方法を解説

こんにちは。司法書士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の北澤です。

「未経験から法律に関わる仕事をしたい」「勉強と並行して司法書士実務も経験したい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

そんな方には、学歴や職歴、経験問わず挑戦できる司法書士補助者の仕事がおすすめです。

本記事では、「司法書士補助者」に関する知識・情報をすべて理解できるようになっています。具体的には以下について解説しています。

・司法書補助者の仕事内容や役割
司法書補助者の年収や給料
受験生が司法書補助者になるメリット
司法書補助者の求人

司法書士補助者としてのキャリアがあると、司法書士になった際の初年度年収が上がったり、すぐ業務をキャッチアップできるなど、多くのメリットが存在します。一方でデメリットもあるので、いま司法書士補助者になることが得策か慎重に判断してください。

本記事を最後までご覧いただくことで十分な判断材料が手に入るはずです。

※現在、司法書士補助者の求人数が過去最高となっております。経験者・未経験者ともに歓迎する司法書士補助者の求人をすぐに紹介できますので、下のボタンからお気軽にご連絡ください。

司法書士補助者とは

司法書士補助者とは、司法書士の登記業務や書類作成、各種手続きを補助する職種です。

司法書士一人では対応できる業務量に限界があるため、司法書士補助者が書類作成補助や法務局などへの書類提出といったサポート業務を行います。

当然ながら、登記申請や不動産決済などの“司法書士の独占業務”は、司法書士資格者のみに許されているため、司法書士補助者が行うことはありません。

司法書士の業務内容やなり方について理解を深めたい方は、以下の記事もご覧ください。

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司法書士補助者の仕事内容

具体例を挙げると、以下のような業務内容になります。

  • 来客、電話対応や資料収集
  • 書類作成補助
  • 依頼者への一次対応
  • 法務局や裁判所への書類提出の運搬などを目的とする外勤業務

事務作業から外勤業務まで、幅広く携わります。対外的な業務が多くあるため、取引先との良好な関係を構築する「コミュニケーション能力」は必ず求められます。

また、大手法人に多い傾向として、営業部門が所内に設けられており、営業経験のある無資格者(司法書士補助者)が在籍していることが多いです。

営業部門は資格者の代わりに営業活動を行います。具体的な営業手法は、不動産会社や銀行、葬儀会社などの既存取引先に対して定期訪問を行うルート営業と取引先開拓の新規営業です。

司法書士補助者に与えられる権限は?

司法書士補助者に与えられる権限は、司法書士有資格者が行う業務の「サポート」です。

この権限の違いこそが司法書士と司法書士補助者の違いであり、登記申請や不動産決済・職務上請求といった「司法書士の資格保持者の名前を使って実施するもの」はすべて資格者が立ち会わなければなりません。

司法書士補助者が実施することは法律で認められておらず、責任の所在はすべて司法書士有資格者になります。

司法書士補助者と一般事務との違いは?

一番大きな違いは「法律の知識が必要」であること。冒頭でも解説した通り、主な業務は司法書士のサポートです。資格者と同等の知識とまでは言いませんが、業界の知識はある程度理解しておく必要があります。

司法書士補助者に発行される「補助者証」とは?

資格ではありませんが、司法書士補助者として業務するには「補助者証」というのものが必要になります。

補助者証とは「司法書士会」から発行される証で、司法書士補助者は常に補助者証を身に付けなければなりません。この規定は「司法書士法」で定められています。

第二十五条 司法書士は、その業務の補助をさせるため補助者を置くことができる。
2 司法書士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の司法書士会に届け出なければならない。補助者を置かなくなつたときも、同様とする。
3 司法書士会は、前項の規定による届出があつたときは、その旨をその司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない。

引用元:司法書士法施行規則

司法書士補助者は業務の関係上、裁判所や法務局へ足を運ぶ場面が多く発生しますが、そのたびに補助者証の提示を求められます。提示できなければ必要な手続きも行えません。

補助者証の発行には下記が必要になります。

  • 司法書士補助者使用届
  • 司法書士補助者証発行請求書
  • 履歴書
  • 住民票の抄本
  • 顔写真
  • 発行手数料

発行手数料は1,000円となり、約1週間程度で発行されます。事務所への入所が決まってから手続きを進めるようにしましょう。

司法書士補助者は激務?残業時間や忙しさは事務所による

司法書士補助者の平均残業時間は、月20~30時間程度です。しかし残業時間や業務の忙しさは事務所によって異なるので、あくまで目安としてください。

また、司法書士補助者には

  • 司法書士資格を目指している補助者の人
  • 資格は目指していないけど補助者として働いている人

の2通りの方がいらっしゃいますが、「資格は目指していないけど補助者として働いている人」は基本的に一般的なサラリーマンになるので、忙しい傾向にあります。営業や打ち合わせ・期日のある仕事がたびたび発生するので、締め切り直前は残業時間が3時間を超えることも。これは司法書士補助者に限らず、あらゆる業界や職種でも有り得る内容です。

一方で「司法書士資格を目指している補助者」の方は、残業せずに帰れる場合があります。事務所によっては、司法書士試験の受験生に配慮する環境を積極的に作っていたり、受験勉強で忙しい補助者はすぐに退勤するよう推奨したりする場合があるからです。

リーガルジョブボードでは司法書士受験生を歓迎する司法書士事務所の求人紹介も可能なので、お気軽にご相談ください。

司法書士補助者の主な勤務形態

司法書士補助者の主な勤務形態は以下の通りです。

  • 正社員(正職員)
  • 契約社員
  • アルバイト・パート

業界未経験者は、パートやアルバイトといった「時短勤務」で雇用してもらうケースはほとんどありません。というのも、専門性のある業務で、パート・アルバイトの場合は「業務を教える時間」が少ないために、ゼロから育てるというカリキュラムを組みにくいからです。そのため時短勤務は経験者を採用するパターンが比較的多いです。

司法書士試験の受験生から「時間確保を優先するために時短勤務を志望したい」という方がいらっしゃいますが、なかなか難しいのが実情です。

未経験の方は、まずは正社員として勤務し、司法書士補助者としてのキャリアを積んでいきましょう。

司法書士補助者の給料・年収

司法書士補助者の給料・年収を解説します。以下が未経験1年目の目安です。

  • 正社員(正職員)は初年度年収280~300万円
  • アルバイト・パートは時給1,100円

初年度年収から、経験・キャリアを積んでいくと徐々に年収が上がっていきます。どれくらい上がるのかは事務所によってまちまちなので、面接の場で聞いておくと良いでしょう。

ちなみに司法書士補助者の経験があると、資格取得後の初年度年収がアップするケースがあります。実際にリーガルジョブボードで転職された司法書士補助者の方は、資格取得後、司法書士の平均初年度年収より50万円アップした状態で司法書士事務所に入職されました。

所属する司法書士事務所によって初年度年収は変動するので、少しでも給与が良い職場に入りたい方はリーガルジョブボードにご相談ください。

司法書士補助者が向いている人

ここからは、司法書士補助者の仕事が向いている人の特徴を紹介します。あくまで一例なので、一つも当てはまらないからと言って「補助者の仕事は絶対にできない」わけではありません。あくまでも「求められる人物像」として認識しておく程度で良いでしょう。

司法書士の資格取得を目指している人

司法書士の資格取得を目指している方は、司法書士業界や業務に対する理解度が比較的早く、熱量のある人材だと事務所側は認識します。そのため、資格取得を目指している方は司法書士事務所から歓迎されます。

ちなみに司法書士補助者の面接選考では、必ずと言っていいほど、資格取得に対する熱意が問われます

  • 前回の試験の点数はいくつだったか?
  • 勉強時間はどれくらい費やしているか?
  • 勉強期間はどれくらいか?

こういった質問には必ずスムーズに答えられるよう、事前に整理しておきましょう。資格取得や司法書士業に対する熱意をアピールすることも忘れないでくださいね。

丁寧でミスをしない人・几帳面な人

司法書士の仕事は、業務の特性上、ミスが許されない仕事です。そのため「丁寧に仕事を進められる人」が重宝されます。逆に大雑把に仕事を進めるタイプの方にとっては、司法書士業務は大変と感じるかもしれません。

広く浅くより、狭く深く学ぶことが好きな人

司法書士は専門職なので、専門知識をどれだけ身につけられるかが問われます。司法書士業界に関してどれだけ深く理解できるか・深く仕事を極められるかが大切となるでしょう。

司法書士補助者として働きながら受験勉強するメリットとデメリット

「司法書士補助者」と「受験勉強」の兼業を通じて司法書士資格を目指すことについて、解説します。

私はこれまで、たくさんの司法書士補助者の方々を転職支援してまいりましたが、補助者として働きながら受験勉強を進めるのは正直「メリット」と「デメリット」両方存在すると考えています。

以下にメリットとデメリットそれぞれ紹介するので、補助者として働こうか悩んでいる受験生の参考になれば嬉しいです。

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補助者として働きながら受験勉強するメリット

司法書士補助者をしながら資格取得の勉強を進めるメリットは以下の通りです。

  • 先輩司法書士から受験に関する情報を得られる
  • 受験生のための勉強休暇や時短勤務が可能※事務所による
  • 資格取得後の初年度年収が上がりやすくなる
  • 新人研修に対する理解があるので休みを取得しやすい
  • 職場選びにおいて譲れないポイントが自ずとできる

司法書士試験の受験勉強を応援する司法書士事務所であれば、勉強時間を確保しつつ働くことができます。業務を覚えつつ勉強を進められるのは大きなメリットです。

また補助者としてのキャリアがあれば「経験者」として見なされるので、初年度の年収も上がりやすくなります。初年度年収は司法書士事務所によって変動するので、絶対に上がるわけではありませんが、リーガルジョブボードでの転職事例では初年度年収が通常年収に比べて「50万円」アップした方もいらっしゃいました。

最後に紹介した「職場選びにおいて譲れないポイントが自ずとできる」点も大きなメリットです。司法書士事務所で働いているうちに、自ずと、職場に対して譲れない点は「年収」なのか「残業時間」なのか「人間関係」なのか分かっていくはず。そういった軸を叶えられる職場選びができるようになるので、失敗しない就職活動を進められるようになります。

補助者として働きながら受験勉強するデメリット

一方で、司法書士補助者として働きながら受験勉強を進めるデメリットは以下です。

  • 司法書士試験の難易度が直接的に下がるわけではない
  • 所属する司法書士事務所がブラックだった場合、残業に追われる可能性がある

の2点。

まず司法書士補助者の求人は、あまり多く存在しません。リーガルジョブボードの補助者の掲載求人数は一番多いとされていますが、それでもエリアによって求人数のばらつき・偏りがあります。

また、司法書士の実務を経験したからと言って、司法書士試験の難易度が下がるわけではありません。もちろん学習内容と仕事がリンクするポイントはあるので、学習理解を深める意味ではメリットになると思います。

最後に、業務量が多く残業時間が40時間を超える事務所へ入ってしまうと勉強時間を確保するのが難しくなります。求人票だけではリアルな情報を得られないこともありますので、事務所の内情に詳しい業界専門の転職エージェントへご相談ください。

司法書士補助者に就職するには?

司法書士補助者の求人サイトから応募すれば、選考を受けることができます。資格不要の職種なので、誰でも応募可能です。

リーガルジョブボードでは、司法書士補助者の求人が年々増加しており、2023年8月現在で過去一番の求人数を誇っています。

  • 未経験者歓迎の補助者求人
  • 経験者を募集中の補助者求人
  • 正社員・アルバイトの補助者求人

など、あなたのご状況に沿った最適な求人提案をさせていただけますので、まずは下のボタンからお気軽にご相談ください。

実際の司法書士補助者の求人はこちらからご覧いただけますが、掲載されている求人はほんの一部です。ウェブには公開されていない求人も多数ご用意ございますので、気になる方は上のボタンから転職エージェントサービスに登録してみてくださいね。

※転職エージェントとは、あなたのご希望に沿った求人紹介や転職サポートを行う者です。

未経験から司法書士補助者になるための条件

ここからは、司法書士業界が未経験の方が実際に司法書士補助者になるための方法・条件について解説します。

繰り返しになりますが、司法書士補助者は特別な資格が必要ないため、どなたでも求人に応募できます。ただし、司法書士補助者に転職するにあたっての「有利な条件」「不利な条件」は、ある程度存在します。詳しくは以下で解説します。

年齢が若ければ若いほど有利

年齢は若ければ若いほど、未経験でも司法書士補助者として採用されやすいです。内勤業務の処理能力や外勤業務での体力が求められうため、司法書士業界は若手人材を求めています。

ちなみに、「若い」と見なされる年齢は40代までとされています。司法書士全体の平均年齢は50歳程度だからです。実は多くの方々にチャンスがあるので、ぜひ前向きに検討してみてください。

社会人経験があると有利

どのような正社員やアルバイトでも良いので、社会人経験があると司法書士補助者の内定が出やすくなります。特に歓迎される経験は以下です。

  • 企業での一般事務経験(PCスキル)
  • 不動産関連の就業経験

事務経験はそのまま補助者業務に直結するスキルです。また、不動産と司法書士は密接に関わり合うので、不動産での就業経験はそのまま司法書士の業務内容にも活きます。

司法書士試験の受験生だと有利

司法書士資格の取得に向けて勉強中の方も、司法書士補助者の就職に有利です。基礎的な知識がすでにあり、実務においても即戦力として活躍が期待されるからです。

司法書士補助者の書類選考や面接選考・志望動機の対策

もし司法書士補助者として本格的に転職活動を始める際は、選考対策を入念に行っておきましょう。絶対入りたい司法書士事務所があっても、一度選考に落ちてしまうとしばらくは応募できません。

以下の記事では、司法書士補助者を志望する方のための「履歴書・職務経歴書の対策」「面接・志望動機の対策」についてまとめているので、ご一読ください。

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司法書士補助者の求人はこちら

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ちなみに司法書士の転職エージェントサイト「リーガルジョブボード」では、あなたのご希望条件(年収やエリア・残業時間など)に合った司法書士補助者求人を随時紹介しております。紹介する求人はウェブサイトには公開されていない「非公開求人」も含まれておりますので、数多くの求人紹介を受けることができます。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 北澤

転職エージェント

担当職種:
  • 司法書士

リーガルジョブボードの司法書士専門の転職エージェント。キャリアの選択は一過性のものではありません。人生を振り返った時に「あの転職は最善の選択だった」と言えるような転職支援を心掛けます。またご転職にあたっては、職場の雰囲気等の求人票に現れない部分もお伝えできるよう、事業所への取材を定期的に行っております。職場選びでお悩みの方はお気軽にご相談ください!

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