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司法書士補助者の勤務実態|年収・給料は低い?残業はどのぐらい?よくある疑問を徹底解析!

司法書士補助者の勤務実態|年収・給料は低い?残業はどのぐらい?よくある疑問を徹底解析!

by LEGAL JOB MAGAZINE 編集部

編集部

司法書士補助者の勤務実態|年収・給料は低い?残業はどのぐらい?よくある疑問を徹底解析!

司法書士専門の転職エージェントサイト「リーガルジョブボード」です。

本記事では、司法書士補助者として勤務する65名の方に年収に関するアンケートを実施し、年代・経験・事務所規模別など様々な切り口で分析し、勤務実態を徹底解剖しました。

現役司法書士補助者の方はもちろん、司法書士補助者を志している方や、司法書士事務所の先生方もぜひご覧ください。

「司法書士補助者の年収・給料はどのぐらい?」
「残業はどのぐらいあるのだろう…」
「転職したいけど、希望に沿った年収がもらえるか不安」

と考えている方はぜひ本記事を参考にしてください。

記事後半では、司法書士補助者の年収アップ方法についても解説しています。

調査概要

リーガルジョブボードでは、司法書士事務所にお勤めの司法書士補助者を対象にアンケートを実施しました。

対象者 司法書士補助者で勤務している方(リーガルジョブボード会員)
調査期間 2023年11月1日〜2023年11月20日
回答数 65名
雇用形態 正社員:54名、パート:7名、アルバイト:3名、時短勤務:1名
実施者 リーガルジョブボード マーケティングチーム(運営元:株式会社WILLCO)

司法書士補助者の年収を条件別に分析

司法書士補助者の年収中央値

今回の調査で、司法書士補助者の年収中央値は321万円という結果になりました。(※アンケートでは、具体的な年収額を伺っていないため、あくまでも中央値で計算しております。)

全体の年収分布はこちら。

年収250万円未満が最多

「年収250万未満」26.2%(17名)が最多、続いて「350万〜400万未満」20%(13名)が多いという結果でした。全体の4割が年収250万未満〜300万にあたります。

今回の調査には、パートやアルバイト勤務の方が11名含まれていたため、年収250万未満の割合が多くなったと考えられます。その為、正社員だけに絞った年収分布も見てみましょう。

【正社員のみ】司法書士補助者の年収

正社員のみに絞ったデータでは、「350万〜400万未満」24.1%(13名)が最多。次に「300万〜350万未満」20.4%(11名)となっています。

正社員だけに絞った時、年収中央値は345万円となりました。

国税庁が発表している「令和3年分 民間給与実態調査結果」によると、給与所得者の平均給与は443万円で、司法書士補助者の年収は平均値を下回る結果となりました。

もし、年収が300万/350万だったら月給はいくら?

ボーナスを2ヶ月分と仮定して、2パターンの月給と手取り額をシュミレーションしてみました。

条件・計算式ボーナスあり
年収÷(12ヶ月+2ヶ月)
ボーナスなし
年収÷12ヶ月
年収300万月給21.4万円
(手取り:約17.1万円)
月給25万円
(手取り:20万円)
年収350万月給25万円
(手取り:20万円)
月給29.1万円
(手取り:23.2万円)

年収が300万〜350万の場合、月給は21万〜29万となります。この金額は総支給額となり、実際の手取り額をシュミレーションしたところ、手取りは17.7万〜24万円となりました。(手取り額は月給×80%で算出しています。)

転職を考える際に、年収へ目が行きがちですが、大切なのは手取りがいくらになるかです。毎月発生する固定費(家賃や食費、光熱費など)の支出をざっくり計算し、もらえる手取り額で、生活を維持できるのか計算するようにしましょう。

続いて、司法書士補助者の年収の差がどこで生じるのかを分析していきます。まずは経験年数別に調べてみました。

司法書士補助者の経験年数別 年収

経験年数が上がるほど、年収300万未満の割合が減り、年収350万〜450万円以上の割合が広がっています。

経験年数に応じて年収は上がっていますが、年収400万以上になるには少なくとも3年以上の経験が必要であることがわかります。

また、その他にこのデータから気になる点としては、以下2点です。
・経験1年未満で年収350万〜400万の方がいる
・経験5年未満まで250万未満〜350万未満の方が半数近くいる

これらから、必ずしも経験年数に応じて、年収上がるわけではないといえます。

まず、経験1年未満の方がなぜ年収が350万以上となるか、これには2つの共通点がありました。

①事務所の規模が中規模〜大手法人である
②残業時間が30〜40時間を超えている

中規模〜大手法人では、案件数が担保されていることで残業時間が多くなる傾向になりますが、その残業時間分の給料が増えるため、同じ経験年数でも差が開いたのだと考えられます。

また、経験5年未満で年収250万未満〜350万未満の共通点は以下2つです。

①残業時間がほぼない〜20時間未満
②転職経験数が3回以上

残業が少ないとワークライフバランスを維持しやすい反面、全体の年収・給料にも影響が生じます。また、司法書士補助者の方は転職を重ねることで年収が上がりづらくなるケースがあります。

その理由は、司法書士のように、スキルが明確にわかる「資格」がないためです。採用側も面接を通じて感じる期待値でしか年収を提示できないため、転職によって年収が下がる可能性があります。

続いて、勤続年数別に年収に変化があるのか、分析します。

【勤続年数別】司法書士補助者の年収

勤続年数別の年収推移を見ると、3年未満の方の半数以上が年収300万未満、3年以上から徐々に年収幅が広がっており、一つの事務所で長く勤める方が年収が上がりやすいことがわかります。

一つの事務所で長く勤めることで、事務所のルールや顧客対応、業務に対する理解が深まる為、対応できるの幅が広がります。その分、しっかりと年収に還元される環境であれば、必然的に年収も上がるということです。

司法書士補助者の年収は事務所規模別に差がある?

【事務所規模別】司法書士補助者の年収

続いて、事務所の規模別に年収に差が生じるのか、分析しました。全体数の内訳は個人事務所34名:法人勤務31名です。

個人事務所では、全体の7割近くが年収350万未満という結果になりました。反対に法人は、全体の半数以上が年収350万円以上となっています。また、年収500万以上の回答があったのは法人のみでした。

この結果から、法人の方が年収が高い傾向にあると言えます。

法人の方が年収が高くなる理由として、考えられるのは以下4つです。

・法人格にすることで社会的信頼度が高まり、取引内容の幅が広がりやすい
・所員数が多い為、受け入れられる案件数が増え、売り上げに繋がる
・業務の仕組み化・法人の組織化が進み、昇給しやすい
・役職(課長・部長など)を設けている場合があり、手当の支給を得られる

将来的に年収500万以上を目指すのであれば、法人に勤める方が希望が叶いやすいでしょう。

司法書士補助者の年収満足度

年収満足度は「どちらともいえない」が最も多く、全体の85%の人が現状の年収に満足はしていないという結果になりました。

全体的に年齢や業務内容、残業時間に対して、思うような年収が得られていないと感じる方が多いように見受けられました。

司法書士補助者の年収アップの方法については後半で解説しております。

司法書士補助者のリアルな残業時間

続いて、リアルな残業時間についてみなさんに聞いてみました。1年間を通して、1ヶ月の平均残業時間でお答えいただいております。

多かったのは、「10時間未満」と「10〜20時間未満」24.6%(16名)でした。

全体の7割弱が残業20時間未満となっており、司法書士補助者は比較的残業が少ない傾向であることが伺えます。

こののデータにはアルバイトやパートの方も含まれている為、正社員のみに絞り再度データを出しました。

【正社員のみ】司法書士補助者の残業時間

大きな変化はなく、正社員でも比較的残業が少ないことが伺えます。

正社員のみに絞った残業時間の中央値は20時間となりました。

ただ、16.7%の方は40時間以上も残業をしていらっしゃいます。また、これらに該当する方の中には年収250万未満の方が数名いらっしゃり、過酷な職場環境で働いていることがわかります。

一般的に月/40時間以上の残業は長くて辛いかと思います。

月40時間の残業があるとどんな生活になる?

残業月40時間は、1日あたり残業2時間になります。(月20営業日で計算)

9時〜18時が勤務時間だった場合、2時間残業すると20時が退勤時間となります。そこから帰宅し、家に着くのはもう少し遅くなるでしょう。家庭をお持ちの方やプライベートの時間を大切にしたい方にとっては平日の自由時間は限られてしまいます。

残業が多く辛い・ワークライフバランスを充実させたいと考えている方は、今より良い環境となる可能性が十分にあるので、一度ご相談ください。

働きながら司法書士資格の勉強はできる?

司法書士補助者を志望する方から、「実務と資格勉強を両立できますか?」とよく質問を受けますが、アンケートにお答えいただいた65名中28名が勉強していると回答しました。

残業時間別の内訳は以下の通りです。

・残業ほぼない・・・6名
・残業20時間未満・・・9名
・20時間〜40時間未満・・・8名
・40時間以上・・・5名

平日の平均勉強時間は1.7時間で、多い方で1日5時間以上勉強していると回答がありました。

司法書士補助者の最高年収

司法書士補助者の年収についてお話ししてきましたが、最高年収がどのぐらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか?

弊社LEAGAL JOB BOARDの転職エージェントによると、司法書士補助者の年収は300万円程度から始まり450万円程度で一度頭打ちを迎えることが多いようです。

役職付きや、番頭と呼ばれる実務能力が高い人に限り、年収400万を超えることがあります。最大600万円の年収の方もいらっしゃいました。

司法書士補助者が年収を上げる方法

司法書士補助者として年収を上げたい、と考える方も多いのではないでしょうか?

司法書士補助者が年収を上げるためには、以下4つの方法があります。

1.中規模以上の法人へ転職をする

所員数10名以上の中規模法人は案件数が安定していることが多いです。

案件数が多く、事務所の運営が安定していれば、必然的に事務所の売り上げにつながります。それが給料に反映されるため年収を上げやすくなると言えます。

2.実務スキルを上げる

今、分業制の事務所で勤務されている方に当てはまりますが、業務を一貫して任せられるスキルを身につけてから転職する方法があります。

分業制の事務所に勤めていた方の中には、約1年ほど外回りをメインにされてきた方もいらっしゃいました。

この場合、転職を試みても他の業務を任せられるか不安という採用側の考えから採用されづらく、転職できても同じ業務を任せられる可能性が高くなります。

現在の事務所でできるだけ多くのスキルを身につけてから転職する方が、年収アップに繋がる可能性が高まります。

3.実務経験のある業務内容で転職をする

「不動産登記の経験を積んだから、次は相続業務に携われる事務所へ転職したい」

など、年収アップに加えて、スキルアップも叶えたいという声をよくいただきますが、これは非常に難易度が高い転職です。

例えるなら、営業としてバリバリ経験を積んだ人がWEBマーケティングに転職をするようなもの。経験分野と未経験分野への関連性が少ないため、初年度の年収は下がる傾向にあります。

年収アップを狙うなら、現職と同じ業務分野で転職をする方が叶いやすいでしょう。

4.管理職(チームリーダーやマネージャー)になる

転職をせず、いま勤めている事務所で管理職を目指すことも年収アップに繋がります。

管理職になることで登記業務以外のスキル(教育・案件管理・顧客との折衝など)を身につけることができます。

ただ、全ての事務所で管理職のポジションが用意されているわけではないので、司法書士と司法書士補助者の立ち位置がどのようになっているかを入職前に確認できると良いでしょう。

司法書士補助者のキャリアコンサル例

簡単な転職モデル例を出し、どのようなキャリアプランを描けるか。司法書士補助者の転職エージェントの北澤に聞きました。

◆モデル例
【現状】
・30代 男性
・司法書士事務所で経験5年
・業務内容は不動産登記が中心
・残業60時間/年収450万円(残業代込み)
【希望】
・残業時間を30時間以内に減らし、試験勉強の時間を捻出したい
・年収はできれば現状維持を希望

北澤 北澤
優先順位を一緒に考えましょう。時間・年収どちらを優先しますか?

北澤:残業60時間だと確かに大変ですよね…お疲れ様です。一方で、今のご年収は司法書士補助者としては比較的高い金額です。

試験合格を優先するのであれば、年収を下げてでも転職することを選択肢に入れる必要がありますし、お給料を優先するのであれば、今の職場で働きながら合格を目指す選択肢もあります。

仮に転職する場合、少しでも給与の減少幅を抑えるため、経験のある不動産登記分野での転職をオススメします。中規模以上の法人では、管理職のポジションを用意していることがあるため、将来のキャリアプランの幅も広がります。多少合格まで時間が見込まれる場合でも、その間にキャリアアップをすることが可能です。

何を優先すべきかは皆さんのご状況により、個別具体的です。優先した希望を叶えられそうか、過去の入職実績をもとにお伝えしますので、一緒に考えてみましょう!

転職エージェントの利用は「年収アップ・働き方改善」への近道

  • 年収を上げたいが、希望に沿った年収がもらえるか不安
  • 転職先の事務所の人間関係が気になる
  • 今より残業が増えないか心配

これらのうち、一つでも当てはまるという方は、司法書士補助者専門のエージェントと個別相談を受けていただくのがおすすめです。業界に特化したエージェントのみが知る、求人には載っていないリアルな事務所の情報をお伝えすることが可能です。

弊社LEAGAL JOB BOARDでは、転職についてのご相談・ご支援だけでなく、あなたの「市場価値・年収診断」も無料で行っております。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB MAGAZINE 編集部

編集部

士業専門の業界・転職情報メディア「LEGAL JOB MAGAZINE」の編集部。 司法書士や弁護士、弁理士、知財職種、土地家屋調査士、測量士などの職種を取り扱っています。 転職・就職ノウハウと業界知識に関する記事を中心に、インタビュー記事やイベント情報も発信します。

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