弁理士・特許技術者の履歴書と職務経歴書の書き方や例文のご紹介
by LEGAL JOB BOARD 三島善太
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。弁理士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の三島です。
今回は、「弁理士・特許技術者の履歴書・職務経歴書の書き方や例文」について解説します。
履歴書や職務経歴書の書き方は大切です。書き方を誤れば、あなたの魅力が十分に伝わらずに選考が終了するためです。
そこで本記事では、好印象を与えるための履歴書や職務経歴書の書き方や例文を具体的にご紹介します。ぜひご覧ください。
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この記事の目次
弁理士および特許技術者の履歴書・職務経歴書のフォーマットとサンプル
履歴書と職務経歴書をお持ちでない方は、以下のリンクをクリックするとそれぞれのフォーマットやサンプル(例文付き)をダウンロードできます。
弁理士・特許技術者の履歴書の書き方
ではまず、弁理士・特許技術者の履歴書の書き方に関するポイントからご紹介。下図の番号にしたがって、ひとつひとつ解説します。
①顔写真のポイント
顔写真は、あなたの印象を左右する大事な要素です。そのため必ず、履歴書用の証明写真で撮影するようにしましょう。
稀にスマホで撮影した写真や集合写真から切り抜いた写真などを貼り付ける方がいらっしゃいますが、それはNG!先方様に良い印象を与えられるよう、証明写真の貼り付けは必須です。
また、以下の点を踏まえるとさらに好印象を与えられるようになります。
表情
まず表情について。
良い印象を与えるために、以下を意識して撮影してみてください。
- 顎を少し引く
- 口元を閉じ口角を少し上げる
- 目を細めないよう注意する
- 前髪が目にかからないようにする
表情は第一印象ともなりますから、とても大切です!
髪型
男性・女性ともに、フレッシュな印象を与えるために、目に髪の毛がかからないようにしましょう。
男性の場合は、額もそれなりに出すことでより明るさを伝えられます。
髪が長い女性は、なるべく顔が隠れないよう工夫すると良いでしょう。
服装
男性・女性ともにスーツが好ましいです。
派手にならないよう、スーツの色は黒や濃いめの紺、グレーなどにしましょう。男性の場合、ネクタイはあまりに個性が出すぎていなければ問題ありません。
②学歴・職歴のポイント
職歴についてですが、ブランクがある場合は、もしその時にやっていたアルバイトがあればそれも書くようにしましょう。ブランクがあっても、アルバイトをやっていた場合はマイナスのイメージにはならないのでご安心ください。
そのほかは特に大事なポイントはありません。西暦表記もしくは元号表記の統一に気をつけつつ、時系列順に経歴を記していきましょう。
ただし、経歴詐称は絶対に避けましょう。事務所様や企業様に迷惑をかける他、社会的な信用も失いかねません。
③免許・資格の書き方やポイント
弁理士資格をすでに持っている方は「弁理士資格」と表記しましょう。
弁理士資格を持っていない方でも、現状をお伝えするために
- 弁理士資格 短答式試験 合格
- 弁理士資格 論文式試験 合格
- 弁理士資格 口述試験 合格
例えばこのように「今どの段階にいるのか」を明記すると良いです。
特に特許事務所がお相手の場合、このあたりを書いておくと選考で非常に有利になることがあります。
また、弁理士の特性上「英語関連の資格」も書いた方が効果的です。目安として「TOEIC700点以上」の実力がある場合は、表記しておくと先方の反応が良くなります。
ちなみにまだ合格しておらず、これから受験する予定の場合は「自己PR」にて「受験予定」の旨を記載するのが好ましいです。
④志望動機・自己PR・特技・趣味の書き方や例文・ポイント
次に、志望動機や自己PR・特技や趣味の書き方についてご紹介します。
志望動機は下記でも詳しく解説しているので、万全な対策を打ちたい方はあわせてご覧ください。
▶弁理士の志望動機(例文)や面接対策|面接でのNG発言も解説
弁理士の志望動機と自己PRの書き方・例文
志望動機や自己PRは非常に大切です。自分自身の価値や魅力を伝える項目となるからです。
志望動機と自己PRがうまく表現できないと、どんなに素晴らしい素質があってもそれが先方に伝わらず、書類で落ちてしまうケースも。
そこで以下に、志望動機・自己PRの効果的な伝え方をまとめます。
- 今までの経験や業務を伝える(志望先に関連する項目のみ)
- その経験や業務が志望先でどのように活きるのかを伝える
- 補足として自分の強みがあれば伝える(例えば英語力や文章力など)
- (まだ受験していない場合)何年度の弁理士試験を受験する予定なのか伝える
この順番でお伝えすると円滑かつ効果的にあなたの魅力が伝わるようになります。
以上を踏まえた例文を記載するので、参考にしてください。
【例文】
電気や物理、化学、機械、材料などの技術分野における明細書作成業務・調査業務に従事してまいりました。この経験は、同じ技術分野を扱う貴社の弁理士業務において大きく貢献できると考えております。現在も、特許査定率を上げるべく日々分析や研究に邁進しております。また英語力にも自信があり、弁理士業務にて求められる基本的な英語力には問題なく応えられると思っております。
(まだ受験していない場合)20xx年度の弁理士資格の短答式試験を受験予定のため、試験対策として現在予備校に通っている状態です。
特技や趣味の書き方・例文
採用担当者によっては、履歴書に書かれている特技や趣味から求職者の印象や人柄・長所を把握しようとします。そのため、あなたのポジティブな一面や長所をアピールできるような趣味があれば積極的に書きましょう。
好感を持たれやすい特技や趣味として、例えばですが
- バスケットボールやサッカーなどのチームスポーツ(協調性や体力のアピールに繋がります)
- 読書(知欲さや勤勉さが伝わる可能性があります)
など。もしその趣味や特技におけるアピールポイントがあれば、書いた趣味の横にカッコ書きなどで補足して書いておくと良いです。
以上を踏まえ、下に例文を載せます。
【例文】
・バスケットボール(中高大とバスケ部に所属し、今も社会人サークルで週末に活動しています)
・読書(週に1冊はビジネス書や知財に関する本を読破しています)
⑤本人希望記入欄の書き方やポイント
基本的に「貴社規定に従います」と記入するようにしましょう。
給料や待遇に関しての希望や条件を書ける欄ではありますが、それらを強く伝えすぎてしまうと、選考に不利になるからです。
なので伝えたい希望条件がある場合は、面接を進めながら少しずつ話し合っていくことがベターです。
ただし、「子育てで16時には上がらなければいけない」など、どうしても譲れない点がある場合は記載しましょう。
弁理士・特許技術者の職務経歴書の書き方や例文
最後に、弁理士および特許技術者の職務経歴書の書き方について解説します。
職務経歴書がしっかり書かれているだけで、採用担当者からの見られ方は大きく変わるので、特にここからは熟読していただきたいです。
職務経歴書に書く項目は以下です。
- 職務要約
- 職務経歴
- その他補足事項(出身大学での研究内容や持っている資格など)
- 自己PR
それぞれの書き方や例文について解説します。
職歴要約の書き方と例文
職歴の要約は「概要を簡単に伝えるのが目的」なので、これまでの経歴を4〜5行程度で大まかに・簡潔に記載しましょう。
「卒業後にどういう企業や事務所で働き、どういった業務に従事してきたのか」という流れで書くとスムーズです。
体言止めを用いながら表現すると簡潔かつ読みやすくなります。
【例文】
大学卒業後、○○株式会社に入社。ベアリングボールの開発設計や電気設備の管理に携りながら、電気通信主任技術者を取得。電気通信主任技術者が弁理士試験の選択科目免除に活かせることをきっかけに、△△△特許事務所へ転職。 業務に励みながら弁理士資格を取得し、現在所属中の株式会社○○○へ入社。特許調査に関する業務を日々行っています。現状対応できる技術分野は、電気、制御、物理・化学関係など。これらの分野は一定の業務経験や知識があり、今後も広げていく予定です。
職務経歴の書き方と例文
勤務先の名称、勤務期間、勤務先の概要、勤務先での成果や従事した業務内容、ポジションなどを、経験のある勤務先ごとに書いていきます。
複数の経歴がある場合は、直近の経歴から記載しましょう。
ここで注意したいのが、
- 知財関連の業務経験がある場合
- 知財関連の業務経験がない場合
それぞれにおいて職務経歴の書き方が若干異なるという点です。そこで、それぞれの場合での職務経歴の書き方を記載しておきます。
知財関連の業務経験がある場合
知財関連の業務経験がある方、すなわち経験者の場合は、その経験内容を具体的に記載することが大切です。
主な記載内容としては、
- 出願業務で行ったそれぞれの件数を数字で記載
- 英語を使った業務の経験や成果を具体的に記載
- 取り扱った技術分野の種類を具体的に記載
- 文章を作ることに対する経験を記載
など。
これらをアピールすることで、採用担当者により分かりやすく経歴をお伝えできます。かつ、あなたの価値や魅力も伝わりやすくなります。
もちろん、知財関連の業務経験以外の経歴(株式会社等の法人でのご経験)もあわせて記載してください。
【例文】 職務経歴※直近の経歴から記載 ■2016年3月~2019年11月 ○○特許事務所 従業員:30人 分野 :知的財産、コンプライアンス、ベンチャー支援など ▼業務内容 技術第二部門に配属 主に特許出願、中間処理業務に従事 技術分野:電気電子、機械、物理、化学等 ・出願明細書作成:年間120件を作成 ・主要担当技術:電気回路、電子回路 ・国内出願:2〜3件 ・外国出願:2〜3件 ■2014年10月~2016年2月 株式会社○○ 従業員 :100人 売上高:200億円 事業内容:大型施設・工場用のメンテナンス製品開発および販売 ▼業務内容 開発部に配属 主に製品設計や工程管理業務に従事 ・製品プロトタイプの点検・保守業務 ・開発メンバー(8人)のマネジメント業務 |
知財関連の業務経験がない場合
一方で知財関連の業務経験がない場合は、これまでの職務経歴を書いていきましょう。
ただし、未経験の方は以下のポイントを記載するようにしてください。
- これまで経験・担当した技術分野
- 英語力を伝えられる経験や知見など
これらに関することが書ける場合は明記し、アピールしましょう。あなたのポテンシャルをより伝えられるようになるからです。
ちなみに、採用担当者はあなたの「文章力」も見ています。その文章力は、職務経歴書の文章や表現・クオリティから判断することが多いです。
理由は、知財メインの業務である「特許出願業務」の中に「明細書作成」という業務があり、この業務をこなすには「文章力」が必要とされるからです。
【例文】 職務経歴 ■2014年10月~2016年2月 株式会社○○ 従業員 :100人 売上高 :200億円 事業内容:大型施設・工場用のメンテナンス製品開発および販売 ▼業務内容 ・開発部に配属 主に製品設計や工程管理業務に従事 製品プロトタイプの点検・保守業務 開発メンバー(8人)のマネジメント業務 補足 ・論文を執筆する機会が数回あり、情報を伝える文章の書き方を意識してまいりました。 ・TOEIC 780点 |
その他補足事項の書き方や例文
職務要約や職務経歴の他に、補足事項があれば記載します。
例えば以下のような内容を記載すると、強いアピールポイントになります。
- 持っている資格や免許
- 大学や企業での研究実績、講師歴、登壇実績など
- 英語関連の経験やスキル
などなど、ご自身でアピールしたい内容や知財に活かせるポイントがあれば積極的に記載しましょう。
特に2点目は、以下の例文のように詳しく書くようにしましょう。
【例文】 講師歴 xxxx年:「○○○○○○(実際に講義した内容)」日本弁理士会 xxxx年:「○○○○○○(実際に講義した内容)」日本弁理士会 関西会 xxxx年:「○○○○○○(実際に講義した内容)」日本弁理士協同組合 英語スキル ・TOEIC780点(2019年時点) ・その他、これまでの業務にて英語での文書作成や読み書きを行ってまいりました。 |
自己PRの書き方と例文
弁理士の自己PRの書き方や例文に関しては上記で紹介した通りです。
まだ弁理士資格を持っていない方は、その旨をこの自己PRの欄で記載することをおすすめします。
- 弁理士資格 短答式試験 合格
- 弁理士資格 論文式試験 合格
- 弁理士資格 口述試験 合格
このように、弁理士資格の取得までの現在地点をお伝えできると良いです。
まだ受験勉強を進めていない場合は、「○月から予備校に通い始める」など、これからの勉強計画や意欲について書いてください。
自己PRは特に大事なポイントです。
あなたとまだ会ったことのない採用担当者に、価値や魅力をプレゼンするための貴重な項目になるからです。
前述した項目に目を通し、自己PRの作成・修正を行っていきましょう!
記入する内容が思いつかない方へ
ここまで弁理士・特許技術者の履歴書および職務経歴書の書き方についてまとめてきましたが、書類作成は非常に大変です。
書き方は分かっても、具体的にどういう内容を記載したら良いか思いつかないなど、お悩みの方は、弁理士・特許技術者専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」までご相談ください。
書類作成は、力を入れれば入れるほど内定率も上がります。伝えたいことが書類でうまく伝えられないのは非常にもったいないので、専門エージェントをぜひご活用ください。
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