弁理士

弁理士の志望動機(例文)や面接対策|面接でのNG発言も解説

by LEGAL JOB BOARD 三島善太

転職エージェント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許技術者

こんにちは。弁理士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の三島です。

本記事では「弁理士の志望動機や面接対策」について解説します。「特許弁理士」と「意匠・商標弁理士」それぞれにおいて対策すべき項目は異なるので、別々でまとめています。

「面接で絶対に言ってはいけないこと」もお伝えしますので、あわせてご覧ください。

本記事を読むことで、志望動機や面接選考の万全な対策が打てるようになります。特許事務所の選考をこれから受ける特許弁理士や意匠・商標弁理士の方はぜひご覧ください。

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弁理士の志望動機と面接対策

志望動機や面接対策は、あなたが「経験者」か「未経験者」かによって、ポイントが変わります。

そのためここからは、それぞれにおける特許弁理士と意匠・商標弁理士の志望動機と面接対策をまとめています。

▼該当する箇所に飛べます
>>「特許弁理士かつ経験者」の方
>>「意匠・商標弁理士かつ経験者」の方
>>「特許弁理士または意匠・商標弁理士かつ未経験者」の方 

「特許弁理士」の「経験者」の場合

初めに、「特許弁理士」かつ「経験者」の場合の、志望動機や面接対策について解説します。

志望動機の考え方・例文

経験者の場合、「経験してきた業務や技術分野に対する理解が、選考先の事務所や企業でどのように活かされるのか」を伝えるのが「志望動機」に繋がってきます。

この志望動機が明確に伝われば伝わるほど、「即戦力として活躍してくれそう」と思ってもらえるため、極めて重要なポイントです。

明確に伝えるには「ご自身のストーリーを語り、ストーリーとのマッチ度が高いから志望した」という組み立て方でお話をすると良いです。

以下に具体的な例文を記載します。

志望動機の例文
「大学卒業後は△△事務所に入り、□□(技術分野)に関する○○業務を行ってきました。御社は□□に関する事業をやっており、私にはそのあたりの経験やキャリアを積んできたため、その点でマッチ度が高いと考えました。以上の経緯から即戦力として活躍できると思っています。」

また、下記のような経験も先方へのアピール材料になります。

[ アピールになる経験の例 ]
中小企業診断士の資格を持っている(=知財と経営双方の視点からのクライアント支援を期待できる)
研究者として論文を出している(特定の技術分野への知見・知識の豊富さが期待できる)
企業で何かしらの研究開発をしていた(特定の技術分野への知見・知識の豊富さが期待できる)
事務所から別の企業に出向して業務をしていた(クライアント側の問題把握・解決能力に期待できる)

※「志望動機の内容やアピールポイントが思いつかない」という方は、あなたのご経歴やスキルに沿ったアピールポイントの洗い出しをマンツーマンでお手伝いいたします。

もしアピールポイントが洗い出せない場合は、反対に「選考先がやっていること」に着眼しましょう。選考先の特徴を志望理由に盛り込むことで、志望先への理解や意欲を示せるからです。下記が例です。

[ 選考先の特徴を活かした例文 ]
①スタートアップ企業の知財コンサルをやっている事務所の場合
「貴所のHPを拝見し、スタートアップ企業の知財コンサル業務に強みを持っていることを知りました。
自分自身が知財部のない企業で勤めていた経験があり、そういった企業に寄り添って、企業の発展に知財の面から貢献できる弁理士になりたいと考えています。貴所でならその思いが叶えられると考え、志望しております。」

②特定の国への出願が強い事務所(例えば「中国の案件が強い」など)
「貴所は、特に中国出願に強みをお持ちだとお見受けいたしました。私は中国語に自信があり、これまで中国出願を多数経験してきました。貴所でならその能力や経験を活かせると考えております。」

面接対策

弁理士の面接での大事なポイントは「経験値を語ること」です。

具体的には、

  • 経験してきた技術分野を詳細に語ること
  • 経験してきた業務内容を幅広く伝えること

以上2点です。

特に明細書作成の経験については、エピソードや数値を交えて具体的に伝えましょう

「どのようなクライアントの案件を担当したのか」「月に明細書を何件作ってきたか」というような、明細書作成の件数やペースについてです。

さらなるアピールポイントとして、もしあれば、「掛け持ちで翻訳や中間処理などの他の業務をやっていたかどうか」も伝えるとより経験値が伝わりやすくなります。

面接で聞かれること

基本的に最初に自己紹介を求められ、それに付随して展開される場合が多いです。

[ 面接でよく聞かれること ]
扱っていた技術分野は何か?
明細書作成件数の月平均
中間処理件数
翻訳チェックの経験はあるか
作成した明細書のチェックはどのように受けていたか
クライアントとのコミュニケーション経験はあるか

件数については多ければ多いほど、経験についてはあればあるほど好印象を与えられます。

上記の質問で答えられる項目がある場合は事前に準備を行い、深く・具体的に語れるようにしましょう。

ちなみに5点目の「作成した明細書のチェックはどのように受けていたか」の質問意図は、「自立して明細書を作成できるかどうか」「どのくらいの裁量で任されていたのか」を採用担当者が判断するためです。

6点目「クライアントとのコミュニケーション経験はあるか」の質問意図は「クライアントからのヒアリング能力があるかどうか」「クライアントに分かりやすく技術のお話を伝えられるかどうか」を判断するためです。

志望動機や面接対策をマンツーマンで行っています。あなたのご経歴やスキルに合わせた対策が可能なので、より確実に選考を突破したい方はお気軽にご相談ください。

「意匠・商標弁理士」の「経験者」の場合

次に、「意匠・商標弁理士」かつ「経験者」の場合の、志望動機と面接対策について解説します。

志望動機の考え方やポイント・例文

意匠・商標弁理士の経験者の場合、業務の特性上、特許弁理士とは異なり、技術分野に関する専門性が問われるわけではありません。

そのため、今まで経験してきた業務の幅やスキルと、選考先の社風やビジョンに共感できるかを伝え、志望度を示す必要があります。

今までの経験業務を伝える際は、ご自身の持っている経験やスキルが選考先のテーマと合っているかどうかをまず考え、伝えることが重要です。

これによって、即戦力として入職できるということをアピールできます。

[ 例文 ]
「私は、これまで意匠・商標弁理士として、約△△件の権利化業務を経験してきました。中でも、□□の案件(案件の詳細内容:内内・内外・外内など)を中心に携わってきました。貴所は□□の案件が多く、マッチ度が高いと感じました。即戦力として活躍できるのではないかと考え、志望しました。」

ちなみに、意匠・商標弁理士として達成したいビジョンが、選考先の社風やビジョンとマッチング度が高いということを伝えるのも、志望度を示すためには大変効果的です。

[ 例文 ]
「貴所の△△(企業理念やビジョン・ミッション)という考えに共感し、志望しております。私は、□□(自身が達成したい目標や目指す姿)のような弁理士になりたいと考えております。貴所でならその思いが実現できると考え、志望しております。

また同様に、ご自身の経験やスキルに、他の企業や事務所では珍しい内容があればそれも伝えると良いです。

[ 珍しい経験の例 ]
中小企業診断士の資格を持っている(=知財と経営双方の視点からのクライアント支援を期待できる)
事務所から別の企業に出向して業務をしていた(クライアント側の問題把握・解決能力に期待できる)
意匠・商標だけではなく特許出願の経験がある(幅広い活躍が期待できる)

反対に、選考先で珍しい事業内容や取り組みがある場合は、それを志望理由に盛り込むと、志望先への理解や意欲を示すことができます。

[ 選考先の珍しい取り組みを取り上げる場合]
①スタートアップ企業の知財コンサルをやっている事務所の場合
「貴所のHPを拝見し、スタートアップ企業の知財コンサル業務に強みを持っていることを知りました。自分自身が知財部のない企業で勤めていた経験があり、そういった企業に寄り添って、企業の発展に知財の面から貢献できる弁理士になりたいと考えています。貴所でならその思いが叶えられると考え、志望しております。」

②特定の国への出願が強い事務所(例えば「中国の案件が強い」など)
「貴所は、特に中国出願に強みをお持ちだとお見受けいたしました。私は中国語に自信があり、これまで中国出願を多数経験してきました。貴所でならその能力や経験を活かせると考えております。」

面接対策や聞かれること

面接時によく聞かれることやアピールすべきポイントは下記の通りです。

経験業務の件数
出願業務、商標調査業務、中間業務、更新申請業務、マドプロ出願(パリ経由)
PCT出願の経験の有無
海外へ出願する時の直接出願ルートの経験の有無
欧州連合商標出願の経験の有無
マドリッド・プロトコル(マドプロ)に基づく国際登録出願の経験の有無 

以上が、代表的な面接時の質問です。

件数については多ければ多いほど、経験については幅が広ければ広いほど好印象を与えられます。

ご自身の経験やスキルを具体的に説明することが求められるので、曖昧な表現は避け、具体的なエピソードや数値を交えて、成果や実績を説明できると良いです。

上記の質問で答えられる項目がある場合は事前に準備を行い、深く・具体的に語れるようにしましょう。

「特許弁理士と意匠・商標弁理士」の「未経験者」の場合

最後に、「特許弁理士または意匠・商標弁理士」かつ「未経験者」の場合の、志望動機と面接対策について解説します。

未経験者の場合、特許弁理士でも意匠・商標弁理士でも、志望動機や面接対策はほとんど一緒になります。

志望動機の考え方・例文

未経験者の場合は特許業界での経験がないため、携わったことがある技術分野をまず語り、技術分野に関する知識・理解があることを明確に伝えます。

そうすることによって、技術に関する専門的な知識が求められる特許業界において、どれだけあなたがポテンシャルを秘めているのかをアピールすることができます。

技術分野については、大学・大学院生時代に行った研究について語るか、過去に勤めていた企業・現在勤めている企業で、携わった技術に関する知識を語ると良いです。

以下が例です。

[ 例文 ]
①大学・大学院生時代に行った研究について語る場合
「大学・大学院では、△△(技術分野)を扱う研究室において、□□(研究の内容)についての研究を行ってきました。大学・大学院時代に学んだ△△or□□の知識を活かして、弁理士として活躍していきたいと考えています。」
 
②企業で携わった技術に関する知識を語る場合
「△△(企業名)では、□□(職種)として、○○(技術分野)に関する研究開発に携わってきました。研究開発の中で培った○○に関する知識を活かし、今後は弁理士として企業や発明者を支援していきたいと考えています。」

また、選考先が取り扱う技術分野に関心があることを志望動機としてお伝えするのも良いです。この場合は、どれだけ関心を持っているのかを伝えられるかが重要となります。

事務所への関心を示すためにも、事務所の公開広報を事前にJ-PlatPatなどで調べておきましょう。

以下に例を載せます。

[ 例文 ]
「これまでの経験から、△△(技術分野)に関する知識には自信があり、それを活かして弁理士として活躍したいと考えています。貴所の公開広報を拝見させていただいたところ、△△に関する多数の出願があり、マッチ度が高いと考えました。これまでの知識を活かし、貴所で弁理士として経験を積んでいきたいと考えています。」

面接対策や聞かれること

未経験者に対して、面接の場で問われることは下記の通りです。

基本的に最初の自己紹介に付随して展開していく場合が多いです。

これまで携わってきた技術について
知財に興味を持ったきっかけ
コミュニケーションを取ることに抵抗はないか
英語について(これまでビジネスで英語を使う機会はあったかどうかや、英語を使うことに抵抗がないかどうか、など)

以上が、代表的な面接時の質問です。

技術に関する理解や知財に興味を持ったきっかけについては、具体的なエピソードを交えて語ると説得力があり志望度が伝わりやすくなります。

上記の質問で答えられる項目がある場合は事前に準備を行い、深く・具体的に語れるようにしましょう。

ちなみに3点目の、「コミュニケーションを取ることに抵抗はないか」の質問意図は、「クライアントへのヒアリング能力があるかどうか」「クライアントに分かりやすく技術のお話を伝えられるかどうか」を判断するためです。

最後に英語について補足すると、外国案件を取り扱う事務所では英語力は必須です。

「仕事で英語を使用していた経験」「留学経験」など、英語に関連するスキルや実績、経験を語ると良いでしょう。

弁理士の面接で絶対に言ってはいけないこと

面接選考で絶対に言ってはいけないことを紹介します。

以下で紹介する内容を言ってしまうと、内定の可能性が大きく下がる恐れがあるので注意してください。

転職理由を話す際に「パワハラを受けているから」と説明してはいけない

転職理由をお話する際、「パワハラを受けている」と言ってはいけません。

というのも、この発言をすると採用担当者は「パワハラがなければどこの職場でも良いのか?」と捉えてしまう恐れがあるからです。

転職理由はあくまで「なぜこの事務所が良いのか」「選考先のどんなところに魅力を持ったのか」をメインで話すようにしてください。

「他責発言」をしてはいけない

「他責」に聞こえるような発言はしてはいけません。

例えば

  • 仕事を与えてもらえなかったから
  • 自分の裁量で仕事をさせてもらえなかったから
  • 仕事のやり方を教えてもらえなかったから
  • 勤務時間をズラしてもらえなかったから

など、こういった「環境」や「周囲の人間」に原因を置くような発言はNGです。

このような発言をすると、採用側は「うちで何かあったら、この人はまた環境のせいにするのか?」と捉えてしまう恐れがあるからです。

「できないこと」に対して「できる」と言ってはいけない

面接では基本的に、「自信」ではなく「実務経験」「今までの経験」をベースに「自分ができること」をお話してください。

実務経験や今までの経験を語らずに、「なんでもできます」「なんでもやります」と言ってしまうと、採用担当者はいまいち信用できません。

そうではなく、「できないですが、現在勉強を進めている」「入職後、先輩方に教えていただきながらできるようになりたい」というふうに、あなたの意思を表現しましょう。

弁理士の履歴書・職務経歴書の対策もあわせて行いましょう

書類選考を落ちてしまっては、せっかくの志望動機や面接対策が水の泡となってしまいます。自身の価値を存分に伝えられる書類を一度作れれば、それ以降の選考がグッと楽になるので、まだ書類対策ができていない場合はこの機会に対策を行いましょう。

以下の記事では、弁理士が書類選考を通過するための履歴書・職務経歴書の作り方を解説しています。

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エージェント利用のメリット

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 三島善太

転職エージェント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許技術者

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