特許事務所はやめとけ?今さら聞けない一般企業との違いや働き方・福利厚生について解説
by LEGAL JOB BOARD 正田
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。弁理士・知財専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」の正田です。
皆様は、特許事務所で働くことにどんなイメージを持っていますか?
残業が多そうだな、年収上がらなさそうだな、仕事量多そうだな、などマイナスイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
また、ネットの情報を見て「特許事務所で働くのはやめとけ」と見たけど実際どうなんだろう?と思われる方も多く、弊社に転職の相談に来られた求職者さまがそのような不安を口にすることも少なくありません。
そこで本記事ではそんな不安をお持ちの方に向けて
などを解説しています。
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特許事務所の特徴
特許事務所とは、「弁理士が特許庁に対して、特許、実用新案、意匠、商標などの手続を行うための業務を処理するために開設された事務所」を指します。
そのため、特許の専門家として働きたい方に向いています。企業知財部とは違い、様々な企業や研究機関が開発した、幅広い技術や最先端の技術に常に触れることができる特殊な環境でもあります。
特許事務所で働く主な職種は下記の通りです。
- 特許弁理士・特許技術者
- 意匠・商標弁理士、意匠・商標スタッフ
- 特許事務・翻訳などの事務系スタッフ
どの職種も、特許明細書の作成や特許調査など知的財産を守るための業務を行っています。
下記の記事では知的財産について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
「やめとけ」はウソ!特許事務所で働くことを懸念する理由と真実
実際、弊社リーガルジョブボードに転職相談をしに来られた方が、不安に思っていたことを順にお話ししていきます。
①長時間の労働など働く環境が整備されていない
実際は特許事務所で働く弁理士、特許技術者の残業時間の平均は、月間あたり30〜40時間程度です。また、特許事務の残業時間は、基本的に月20時間前後のケースが多いです。
日本全体では月間あたりの平均残業時間は「約14.5時間(厚生労働省:毎月勤労統計調査令和元年10月時点)」なので、比較的残業の多い業界と言えるかもしれません。
特許事務所によっては60〜80時間を超える場合も。繁忙期には、休日出勤をせざる得ないところもあります。
②所長や事務所の雰囲気が悪そう
特許事務所は小規模から大規模まで様々あり、特に小規模の特許事務所だと所員数も少ないため、より各事務所の特徴が鮮明に出てきます。
実際に転職理由が「事務所の雰囲気が合わなかった、所長と合わなかった」という方もいらっしゃいますが、それは「雰囲気が良くない働きにくい事務所だ!」というよりも「自分には合わない」ということがほとんどです。
とはいえ、事務所の雰囲気は働いてみないとなかなかわからないもの。口コミなどを利用して転職前にどういった事務所か情報収集したいところです。
なかなかいい求人がない、求人を見ても違いが良くわからないという方は、ぜひ転職エージェントにご相談ください。ご希望をお伺いしたうえで、合う求人をご紹介いたします。
③教育体制が整っていない
未経験から特許事務所に転職される方は教育体制を気にする方が多いです。
実際、未経験者が一人で業務をこなせるようになるまでしっかりサポートをする特許事務所がある反面、そこまで手が回ってないという事務所もあります。
未経験の方は入所前に下記の教育体制を確認しておくと安心です。
- 研修プログラムが用意されている
- 指導が手厚いかどうか
- 入社した際に誰が上司となるのか
「自分は特許事務所で働けるのか知りたい」「知的財産にかかわる仕事をしたい」といった方は、知財専門エージェント「リーガルジョブボード」に一度ご相談ください。業界や職種の詳細をお伝えしながら、疑問やお悩みにお答えいたします。
④福利厚生や時短勤務などの対応がなく働く環境が整っていない
福利厚生や時短勤務などの対応がなく働きづらいイメージを持っている方もいらっしゃいます。
しかし、特許事務所であっても基本的な福利厚生はありますし、実は勤務体系でいうと、特許事務所はかなり柔軟になってきています。
実際に在宅勤務・リモートワークなど働き方を選べる事務所はかなり増えています。弁理士・特許技術者だけではなく特許・商標・意匠事務や特許翻訳などの職種が実際にテレワークを実施しています。
また、近年ワークライフバランスを大切にしている事務所が増えており、テレワークだけではなく時短勤務やフレックス制など働き方が柔軟になってきています。
⑤業務量に見合った給料ではなさそう
業務量に見合った給料ではないと言われることもありますが、実は高収入を狙っている弁理士や特許技術者にとって特許事務所はとてもおすすめできます。
特許事務所で働く弁理士・特許技術者の場合、どのくらい案件をこなすかで収入が変化するため、より稼ぎたいと考えている方は自分の力次第で収入をグッと増やすことができます。
また、特許商標事務や翻訳職種においても、比較的、残業時間が年収に反映されやすいこともあり、年収が変化するとまでは言えませんが、働いた分がしっかり残業手当として支給されるケースがほとんどです。
しかし、事務所によっては給与査定が曖昧でなかなか昇給しないこともあるようです。そうならない為には、やはり転職・就職前に残業や給与といった面の不安をクリアにしておくことがとても重要です。
特許事務所と企業知財部の違い
同じ職種であっても働く場所が変わると、働き方やコミュニケーションの取り方に違いがでてきます。
例えばですが、弁理士が小さい規模の特許事務所で働く場合「出願業務を1人で最初から最後まで担当することが多い」ですが、知財部の場合はチーム間で連携し「分業制」であることがほとんどです。
また給与形態にも違いがあり、特許事務所は「実力に応じて評価される」傾向がある一方で、企業知財部は「年功序列による昇給」が主に取り入れられています。
こちらの記事では、「特許事務所と企業知財部・法律事務所の違いや特徴、転職先の選び方」も解説しております。ぜひ参考にしてください。
企業知財部で働いていて「特許事務所でキャリアチェンジしよう」と考えた時、そういったギャップを心配してなかなか一歩が踏み出ないということがあります。
「知的財産にかかわる仕事をしたい」「特許事務所と知財部のどちらを目指すべきか分からない」といった方は、知財専門エージェント「リーガルジョブボード」に一度ご相談ください。業界や職種の詳細をお伝えしながら、疑問やお悩みにお答えいたします。
一般企業からの転職は給与が下がる?
一般企業からの転職は給与が下がるのかと気にされる方もいらっしゃいます。
実際は、その方の経験や事務所のマッチング具合で差があります。
企業で長く研究開発や知財部で活躍されている方は、すでにある程度の年収を稼いでいるケースがほとんどです。
そういった方が、特許事務所への転職を考えるのは下記のようなタイミングです。
- 弁理士資格を取得したいから、働きながら業務を学べる特許事務所で働きたい
- 弁理士資格を持っているから、折角なら資格を活かせる場所で活躍したい
そこでネックになってくるのは、転職後の年収です。
特許事務所側は、特許事務所内の業務を経験したことがあるかどうかが重要です。研究開発をしていて特定の分野知識がずば抜けていたり、企業知財部で長年働いていたとしても、弁理士や技術者としては業務未経験という扱いになります。
そのため、特許事務所で勤務するとグッと給与が減ってしまう方も少なくありません。
しかし、特許事務所での勤務経験がなくとも事務所とのマッチング度合いなどで転職後に年収がアップしたケースもございます。
下記では年収がアップした転職事例をご紹介します。
▼30代前半 男性 前職年収400万円前半→転職後年収450万円
化学系の研究開発を長年しており、弁理士資格取得を目指し特許技術者として特許事務所への転職を希望しておりました。
希望の特許事務所とは分野の相性がかなり良く、コミュニケーション能力も評価され入職決定いたしました。
事務所側も若く分野知識が深い人物を求めていたので、そういった面でもマッチングしたことがポイントでした。
▼30代後半 男性 前職年収750万円前半→転職後年収850万円
同じ企業で10年以上働いており、弁理士資格取得したことで資格を活かす職場として特許事務所への転職を希望しておりました。
弁理士業務の代名詞である明細書作成を含め幅広く知財部で経験しており、その経験を評価され大手特許事務所で入職が決定いたしました。
経験だけではなく、長年同じ企業に勤めて貢献してきた真面目さと、人当たりの良いお人柄も決め手になり、入職する事務所だけではなく複数の事務所から内定を獲得しました。
自分に合った特許事務所に就職・転職する方法
自分にあった職場を見つけるには「転職において自分は何を重要視しているのか」をしっかり理解することが必要です。
そうすることで、自分に合った職場を見つけることができるでしょう。
求人票では知ることのできない特許事務所の評判や口コミ、裏事情など、良いところも悪いところも包み隠さずお伝えし、求職者様に合った職場の紹介を心がけています。
転職活動に少しでも不安のある方、プロからのサポートを受けたい方は、ぜひご活用ください!
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