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法律事務所の面接対策や有効な質問をプロが伝授|弁護士の転職

法律事務所の面接対策や有効な質問をプロが伝授|弁護士の転職

by LEGAL JOB BOARD 増田

コンサルタント

担当職種:
  • 司法修習生
  • 弁護士
法律事務所の面接対策や有効な質問をプロが伝授|弁護士の転職

こんにちは。 弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の増田です。

本記事では、弁護士の方に向けて「法律事務所の面接対策」について解説します。

弁護士事務所に受かる素質が十分にあっても、面接の印象によっては、採用が見送られてしまうのが面接の怖いところです。

無意識に「やってはいけないこと」をしてしまう可能性もありますので、本記事で注意点をしっかりとチェックしましょう。

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選考先の法律事務所の「種類」を把握する

面接対策を行う上で最も重要なのは、「選考先の特徴を把握すること」です。

選考先の特徴により、面接の受け答えや志望動機の内容は異なります。

例えば、応募先が企業法務を扱っていれば、企業法務に携わりたい理由や背景を語れるようにしなければなりません。

法律事務所の種類は、一般的に下記の通りです。

  • 五大法律事務所
  • 一般民事・刑事事件を扱う大手事務所
  • 企業法務を扱う大手事務所
  • 一般民事・刑事事件を扱う中・小規模事務所
  • 企業法務を扱う中・小規模事務所
  • 外資系法律事務所

改めて、あなたの志望先の特徴を整理してから読み進めてください。

ちなみに、書類選考や面接選考を突破するための「志望動機の書き方やポイント」は、下記の記事でご覧いただけます。

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また、事務所の種類や違いについては、以下の記事をご覧ください。

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面接前にやっておくべきこと

面接前にやっておくべきことを解説しておきます。

以下を実行することで、内定の可能性はグッと上がります。

説明会に参加する

弁護士会や法律事務所による事務所説明会がいくつも開催されていますので、参加を推奨します。

説明会に参加するメリットは、事務所の説明が受けられるだけではありません。

活躍中の先輩弁護士と交流できることが、非常に大きなメリットです。

説明会での交流がきっかけで、採用につながるケースも少なくありません。

説明会に参加しなくても選考は受けられますが、参加することで得られる恩恵は大きいので、積極的に参加しましょう。

事務所訪問する

応募したい法律事務所に、事前に見学や訪問ができるか確認すると良いでしょう。

実際に職場に行くことで得られる情報があるほか、あなたの本気度を伝える機会にもなります。

訪問できるかを尋ねることで本気度を伝えられますので、気になる応募先には可能であれば訪問しましょう。

また、事務所によっては、事務所訪問に参加していないと、選考に進めないことがあります。

五大法律事務所などの大手法律事務所を受ける方は、事務所訪問が必須の可能性が高いです。

日時などの詳細は、各事務所のホームページ等を確認してください。特に、大手法律事務所を志望している方は、忘れずにチェックしましょう。

ちなみに、転職エージェントを利用すると、スムーズに職場見学の申し込みができます。

弊社「リーガルジョブボード」は、弁護士専門エージェントサービスを提供しています。就職・転職活動で迷っている・悩んでいることがある方は、お気軽にご相談ください。

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法律事務所の採用の流れを知っておく

面接選考を受ける上で、応募から内定までの流れも把握しておきましょう。

実は弁護士の場合、他の職種とほんの少しだけ異なる点があります。

エントリーから採用までの流れは下記の通りです。

①書類選考

②一次面接

③二次面接→会食

④採用

法律事務所の選考の特徴として、採用までに会食の場を設けることが多いです。

その目的としては、求職者の人柄を見ることや、双方のマッチング度を見定める目的・意図があります。

書類選考の時点で、採用できるスキルがあるかはある程度ジャッジされており、面接や会食ではその求職者の人間性を見ていることが多いです。

また、弁護士業界はリファラル採用が多く、その場合は面接なしで会食で話をして、採用に至るケースもあります。

リファラル採用であったり、そもそも弁護士は人の本質をみる職業であるためか、適性検査は行われない事務所が多い印象です。

その分、面接や会食での受け答えには注意が必要で、準備が重要になります。

法律事務所の面接でよく聞かれる質問

それでは、面接対策の解説に移ります。「法律事務所でよく聞かれる質問」をまとめましたので、目を通しておきましょう。

面接では、人間性や経験値に加え、「どのような形で事務所に貢献してくれるのか」を見ています。

そのため、あなたが「経験者」か「未経験者」かで、質問の内容は変わります。スキルや経験が違うため、面接での質問も変わってくるということです。

「経験者」がよく聞かれる質問集

まずは、弁護士の「経験者」がよく聞かれる質問です。

経験者の面接は、未経験者よりも時間が短めの傾向にあります。

経験してきた業務から、どの程度のスキルを持っているか判断できるためです。

よく聞かれる質問①転職理由

転職理由はほぼ確実に聞かれますし、話の流れで自ら語ることになることがほとんどです。

事前に整理して、しっかりと言語化しておきましょう。

以下のポイントを切り口に整理すると、まとめやすいです。

  • どうしてやめるのか
  • 今の職場でその理由は改善されないのか
  • 改善するためにどのようなアクションを起こしたのか
  • アクションを起こしても改善できなかったのはどうしてなのか

以上4点を踏まえることで、納得性・説得性のある転職理由を語れるようになります。

携帯のメモ帳やノートに、転職理由を綺麗にまとめ、自分の言葉でスムーズに話せるよう練習するのがおすすめです。

よく聞かれる質問②今までの実務経験内容

これまで経験した実務や身についているスキルも、必ず聞かれます。

漏れのないよう、スキルセットの棚卸しを事前に行っておきましょう。

この質問でどれだけ深く語れるかによって、あなたの素質が見極められます。

また、人間性や性格、思考力なども立派なスキルです。それらをアピールできるエピソード・経験もあれば、一緒に語れるようにしましょう。

よく聞かれる質問③将来のキャリアプラン

将来のキャリアプランについても、聞かれることがあります。

「どんな弁護士になりたいのか?」「どういった弁護士像を描いているか?」などの質問を聞かれるため、こちらも言語化できるよう準備しましょう。

【例文】
将来は、パートナー弁護士としてプレーヤーとしてだけではなくアソシエイトの指導も行い社会貢献をしたいと考えています。貴所は、パートナー制度を設けており、パートナーや独立を目指す弁護士を支援する体制があり魅力に感じています。」

よく聞かれる質問④この事務所でなければいけない理由

この事務所でなければいけない理由も、質問されることがあります。

これは、志望動機の中に盛り込んでいる方が多いと思います。

他の事務所や企業ではなく、その志望先がベストなのだと伝われば、採用される可能性もグッと上がります。

  • 事業内容
  • 働き方
  • 事務所(企業)の規模
  • 業務内容

など、何かしらの切り口から「その選考先がベストである理由」を語れるようにしましょう。

よく聞かれる質問⑤志望動機・自己PR

志望動機の作り方について、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

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よく聞かれる質問⑥希望年収

希望年収を聞かれたら、どう回答するのが良いのか迷う方もいるかと思います。

基本的には、現職と同額か高めで設定してください。

しかし、採用側が想定している以上の金額を言うと、落とされてしまう可能性もあります。

求人票や募集要項に記載されている想定年収の範囲内で提示すれば、まず問題ないでしょう。

年収相場がわからない方や、希望年収が叶うかどうか知りたい方は、転職エージェントにご相談ください。スキルや経験からお調べすることが可能です。

また、希望の年収に近づけたい、事務所側と年収交渉をしたいという方は、弁護士専門エージェントの「リーガルジョブボード」にぜひご相談ください。

よく聞かれる質問⑦クライアントの数

クライアント数も、先方が気にしているポイントの1つです。

どれだけ事務所に貢献してくれるのか、売上を上げてくれるのかを測るうえで、クライアント数はわかりやすい基準になります。

多ければいいという話でもありませんので、嘘が無いように話しましょう。

「未経験者(司法修習生)」がよく聞かれる質問集

続いて「未経験者」がよく聞かれる質問です。

未経験者の面接は、経験者よりも長くなる傾向にあります。

スキル(ポテンシャル)や、弁護士としての素質を見極めるのが、未経験者ゆえに難しく慎重になる必要があるからです。

未経験者の場合は特に、人間性や特性などを見られていることがほとんど。

未経験の若手を募集する法律事務所は、謙虚さがあり、真面目な人物を求めていますので、誠実に面接に挑むことをより一層意識してみてください。

よくある質問①大学で学んだこと・活動

採用側が大学で学んだことを聞くのは、事務所でどのように活躍してくれるのかを考える意図があります。

具体的には、

  • 何を学んだのか
  • 学んだことの詳細
  • どんな結果がでたのか
  • 結果からどう感じたのか

などを伝え、自分がどんな人物なのかをアピールします。

【例文】
「大学のゼミでは、実際の判例をもとに学生同士で討論を行いました。討論には法律の条文や相手の発言への理解が必要で、それをなくしては公平な契約成立につなげることは出来ないと考えています。」

よくある質問②弁護士を志す理由

志望動機や、弁護士を目指した理由に関する質問も想定されます。

例えば、「冤罪事件や公害訴訟などでの弁護士の活躍をドキュメンタリーでみて、困っている人を助けたい。多くの人を助ける可能性を秘めている弁護士を目指そうと思いました。」といった方は多くいらっしゃいます。

特別なエピソードがなくてもかまいませんので、弁護士になるきっかけを話しましょう。

よくある質問③長所・短所

他の業種でもよく聞かれる長所と短所です。

長所は、自身の性格や実績についてアピールできることを話します。

短所で注意したいのは、言い換えれば長所になることや、直すために注意していることなども合わせて伝えることです。

例えば、「考えてしまう性格」が短所であれば「慎重に考えることが大切と思っていますが、考えすぎ行動が遅くならないように、仕事は前倒して段取りをしています。」と伝えると、仕事が滞らないよう対応できる人物だと好印象を与えられます。

よくある質問④志望動機・自己PR

志望動機の作り方について、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

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よくある質問⑤模擬裁判で困難に陥った点

司法修習での模擬裁判の中で、つまづいた点・難しいと感じた点について聞かれることがあります。

模擬裁判では、裁判官・検察官・弁護士のチームに分かれ裁判を進めていきます。

自分がどの立場で、どの様な場面で大変と感じたのかを話します。

【例文】
「模擬裁判では、弁護士チームに加わり答弁を行いました。弁護士側にとって不利な内容で、相手の答弁にうまく返せず困ったことがありました。裁判は法律の条文を理解しているだけではなく、相手の発言の意図や理解を理解することが必要と強く感じました。」

面接で聞くべき質問(逆質問)

ここからは、面接時に「質問はありますか?」と聞かれた際に質問すべき項目をまとめます。

業務のフローについて

業務フローについて質問することで、その事務所がどのくらい忙しいのか、所属する弁護士はどのような働き方をしているのか把握できます。

例えば、「一つの案件に対して何人で対応しているか」という質問であれば、どのくらいの規模の案件が多いのかがある程度分かります。

「業務分野やクライアント層、その業務にあたっているのは誰なのか」という質問であれば、自分がどのような仕事を任されるのかが予想できます。

実際に、入職前に質問できておらず、「海外案件に携わりたいと思って入社したけど、海外案件は所長が全部担当していた」といったケースもあります。

業務に関して気になることがあれば質問しておくと、ミスマッチの防止にも繋がります。

事務所の体制や制度について

事務所の体制や制度について、気になることがあればぜひ質問してください。

弁護士は将来的に独立やパートナーといった道を選択する方も多いです。

事務所によっては、アソシエイトからパートナーへとなる方もいます。

例えば、事務所にパートナーになれる制度があれば「アソシエイトからパートナーになる条件は?平均的に何年働いてパートナーになる人が多いか」という質問をすると、将来的なキャリアプランが立てやすいでしょう。

独立志向がある方は、「新規営業活動をやっていいのか、やっている先輩はいるのか」というところが気になると思います。

事務所側も、独立志向が強い職種であるのは理解していますので、そのような質問をしても悪い印象にはならないことがほとんどです。

面接で気を付けること

法律事務所の面接で気を付けるべき点について、下記で解説していきます。

どれだけ論理的に話せるか

クライアントが抱える問題を論理的に考え、解決に導くことが弁護士には求められます。

そのため、面接では論理的な思考を意識し、受け答えをすることが重要です。

前述した「どうして辞めるのか、今の事務所でなぜそれができないのか」など、面接では採用側が納得するまで、根掘り葉掘り質問される可能性があります。

面接官となるのは、所長や先輩弁護士の方々です。そのため、ベテラン弁護士たちが納得するような回答をしなくてはなりません。

前述したような質問にしっかりと答えられるよう、面接前に準備しておきましょう。

誠実さ、謙虚さが出ているかどうか

問題を抱えたクライアントは、「この弁護士に任せて大丈夫かな?」と不安をもって相談にきます。

クライアントを安心させるためにも、親身になって問題を解決へと導く誠実さが弁護士には必要です。

そのため、誠実さや謙虚さも面接で見られていますので、下記のことを気をつけましょう。

  • 話すとき、上からの発言になっていないか注意する
  • 先方が話しているときは、真剣に聞く
  • 話す相手によって態度を変えない

身だしなみやあいさつがしっかりできるのか

清潔感のある身だしなみ(シャツやスーツが綺麗か、前髪が顔にかかっていないかなど)やあいさつなど、当たり前のことがしっかりできるように心がけてください。

できて当たり前のことができなければ、悪目立ちしてしまいます。

面接前や法律事務所を訪問する前には、必ず鏡で身だしなみを確認しましょう。

オンライン面接について

コロナ以降、オンラインでの面接・面談は定番となりつつあります。

そのため、ここからはオンライン面接のポイントを解説します。

①スマホよりパソコンの使用がおすすめ

スマホは手振れや倒れることがあるので、安定して使用できるパソコンでの面接がおすすめです。

スマホは思っているよりも小さく映ってしまい、表情が見えづらいことがあり、パソコンの方が感覚的に「しっかりしている」印象を与えることができます。

また、パソコンに搭載されているマイクを使用するのではなく、マイク付きのイヤホンを準備することを推奨しています。

搭載されているマイクやスピーカーの利用は、音を反響させてしまったり声が拾いづらい心配があるためです。

②使用するツールが入っているか、正常に繋がるかを事前にチェック

事前にZoomやGoogle meetなど、どのツールを使用して面接を行うか知らされます。

面接までにアプリをダウンロードし、正常に使用できるかをチェックしましょう。

事前準備が甘く開始が遅れてしまった場合、印象を落としてしまう可能性が高いです。

オンラインでのやり取りが苦手と思われるのは、現代においてかなりマイナスになってしまいますので、必ずチェックをしておきましょう。

③面接に集中できる環境づくり

ペットは違う部屋に連れて行ったり、お子様のいないタイミングで調整するなど、集中して面接を行える環境をつくりましょう。

また、宅配が来ないように時間指定をするなどの注意が必要です。

宅配などで家のチャイムが鳴ってしまった場合、相手側から「大丈夫ですか?出ても大丈夫ですよ」など一言あるまでは対応しないようにしましょう。

④対面時よりリアクションは大きめに

対面と比べるとオンライン上では、互いの表情がわかりづらい、コミュニケーションがとりづらい、といった場合があります。

そのため、いつもより少し大きなリアクションを取ると意欲が伝わりやすく、好印象を与えることができます。

また、対面時では直接顔を見て話せますが、オンライン上だとアイコンタクトを取ったりするのが難しくなります。

オンライン面接時は、カメラやZoomなどの画面をパソコンの中央上部に移動させ、そこに目線を合わせて、相手の顔をみて話すようにしましょう。

⑤受け答えは短く、端的に

これはオフラインでも言えることですが、長くだらだらと話し続けてしまうのはタブーです。

オンラインの場合、温度感を把握するのが対面よりも難しく、人によっては長く話しすぎる傾向にあります。

オンラインではより一層、「短く、端的に」話せるようにしましょう。

⑥退室は最後に

面接終了後、ZoomやGooglemeetから退室するタイミングですが、基本は一番最後に退室するようにしましょう。

面接官側から「では、退室してください」と促されたり、あまりにも相手が退室しない場合は「本日はありがとうございました。失礼致します。」と言ってから退室してください。

一言添えれば印象を悪くすることはありませんので、安心してください。

より確実に面接を突破する方法

面接選考をより確実に突破するためには、一度「模擬面接」を行うことです。

リアルな面接を練習しておくことで本番の面接は非常に楽になり、リラックスした状態で臨めます。

一度面接に落ちると原則として二度と受けることはできないので、余裕があれば模擬面接の実施を強く推奨します。

もし模擬面接を実施したい場合は、弁護士専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」をご活用ください。

面接後のフィードバックやアドバイスが可能なので、内定率アップを目指せます。

また、転職エージェントは、面接対策のほかに以下のサポートも無料で行ってくれます。

  • 希望に沿った求人のご提案
  • 選考突破のための書類対策の徹底
  • 失敗しない法律事務所の選び方の情報共有
  • キャリアパスの策定やご相談
  • 求人の職場口コミやブラック度の情報提供

ちなみに、自分で求人に応募するより、転職エージェントを経由して応募した方が内定率が大きく上がることをご存知ですか?理由は以下の記事に書かれています。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 増田

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  • 司法修習生
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