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司法試験の成績や学歴が司法修習生(弁護士)の就職活動に与える影響

司法試験の成績や学歴が司法修習生(弁護士)の就職活動に与える影響

by LEGAL JOB BOARD 青木

コンサルタント

担当職種:
  • 司法修習生
  • 弁護士
  • 法務
司法試験の成績や学歴が司法修習生(弁護士)の就職活動に与える影響

こんにちは。弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の青木です。

本記事では、「司法試験の成績や受験回数・学歴」が「司法修習生(弁護士)の就職活動(転職活動)」に与える影響ついて解説します。

結論から言うと、司法試験の出来が良ければ内定は出やすくなります。特に「応募倍率の高い法律事務所」は司法試験の結果を重要視するため、試験結果によって選考結果は大きく左右されます

「応募倍率の高い法律事務所」とは「司法修習生から人気の事務所」です。例えば

  • 企業法務系の法律事務所
  • 五大法律事務所
  • 大手や準大手の法律事務所
  • 外資系法律事務所

などを指します。

逆に司法試験の結果が良くなくても、試験結果を重視しない法律事務所も存在します。そのあたりも含め、本記事では以下について詳しく解説いたします。

  • 司法試験の順位や学歴が就職・転職の選考結果を左右する理由
  • 「好成績」とされる司法試験の目安
  • 司法試験の結果が重視されない法律事務所の種類
  • なかなか内定が獲得できない時に見直す点

以上をまとめています。

司法試験の順位や学歴に自信がない方でも、内定を勝ち取るためのポイントを知ることができますので、ぜひ参考にしてください。

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司法試験の成績や学歴が見られる法律事務所とその理由

司法試験の結果が就職活動に影響を与えるのは、前述した通り「応募倍率の高い法律事務所」に求人応募する場合です。

  • 企業法務系の法律事務所
  • 五大法律事務所
  • 大手や準大手の法律事務所
  • 外資系法律事務所

これらの法律事務所に求人応募する場合、司法試験の結果によって内定獲得の可能性が大きく変動します。理由は以下2つです。

  • 応募が殺到した求職者の足切りを行うため
  • 地頭の良さやポテンシャルが求められるため

まず一つ目の理由ですが、求職者にとって人気の法律事務所は応募数が殺到するため、書類選考の段階で「客観的データ(司法試験の順位や学歴)をもとに足切りせざるを得ない」のです。なので司法修習生からの求人応募数が多ければ多い事務所ほど、司法試験の順位を重要視することになります。

また二つ目の理由にも触れますが、法律事務所は基本的に「地頭の良い弁護士」「ポテンシャルを秘めている弁護士」を求めます。特にBtoB(企業法務系の法律事務所など)形式の法律事務所の場合、この傾向がより顕著になるのです

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司法試験の「成績」が指す要素

補足しますが、ここで言う司法試験の「成績」とは以下の要素です。

  • 順位
  • 受験回数

つまり「成績が良い(内定が出やすい)」とは、「順位が高い」「受験回数が少ない」と同意です。司法試験の順位が高ければ高いほど、かつ受験回数が少なければ少ないほど、大手法律事務所や人気の法律事務所への内定率が上がるのです。

司法修習生や第二新卒だけでなく「中途採用」でも司法試験の結果は見られる

もう一つ補足します。今回のお話は司法修習生や第二新卒の弁護士が就職活動をする場合に焦点を当てていますが、「中途採用」として求人応募する場合でも、選考先が人気の法律事務所である場合は同じように司法試験の結果が見られます。

例えば弁護士としての経歴が5年ある場合でも、当初の司法試験の結果は見られるということです。弁護士としての資質を見極めるための手段として、客観的データ(司法試験の結果や学歴)で判断する傾向があるからです。

「好成績」とされる司法試験の結果の目安

司法試験の成績が「良好」とされる目安は「司法試験の総合順位500位以内」です。

選考先が大手法律事務所であれば、総合順位100位以内。中には、論文の判定(A判定、B判定など)を重要視する法律事務所も存在します。法律事務所の得意領域である科目(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の7科目)の判定がよければ、好印象を与えることもあります。

ちなみに学歴についても触れますと、「一般的に有名・名門とされている大学の出身である場合」は就職活動で有利に働きます。例えば東京大学・慶応義塾大学・早稲田大学など。

司法試験の成績や学歴が就活にあまり影響しない法律事務所

司法修習生や弁護士の就職活動において、「司法試験の成績や学歴があまり見られない法律事務所」も存在します。それは「一般民事の法律事務所」です。

一般民事中心の法律事務所は、司法試験の成績よりも「人柄」「コミュニケーション能力」「経歴」を見られる傾向にあります。BtoC形式の業務割合が多いことから、顧客から持たれる印象が「案件の受任率」に影響するからです。

もちろん、まったく司法試験の成績が見られないということではありませんが、あくまでも「一般民事の法律事務所は、他の事務所と比べて成績がそこまで影響しない」というお話です。

司法試験の結果が芳しくない場合の就活対策

これまで多くの司法修習生や弁護士の方々から就職活動に関するご相談を承りましたが、以下のようなお声を多くおうかがいしてきました。

「司法試験の順位が良くないからか、なかなか面接までいけない」

ご安心ください、試験結果が芳しくなくとも、これから講じれる対策はいくつかございます。司法試験の成績や学歴の点で懸念を抱かれる場合は、以下のような点をもう一度振り返ってみていただきたく思います。

応募書類(履歴書・職務経歴書)の対策を徹底する

履歴書や職務経歴書は、書き方次第であなたの魅力を存分に伝えられるようになります。

特に応募倍率が高い法律事務所ほど、「書類の印象=求職者の印象」と認識し足切りを行うことになりますので、書類が好印象であればあるほど就活が有利に働きます。

また面接選考に進めたとしても、書類の質が悪ければ、採用担当者はあなたが発する言葉に説得力をあまり感じなくなってしまうのも事実です。

よって履歴書や職務経歴書の対策は徹底しましょう。採用担当者に読まれる・あなたの価値が伝わる書類を作成することが、転職・就職活動の第一歩です。

弁護士や司法修習生の書類対策については以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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「人柄重視」の法律事務所に応募する

「司法試験の結果があまり重要視されない法律事務所」を求人応募の候補先として検討することも一つの手です。

人柄重視の法律事務所とは

  • 一般民事を中心に取り扱う法律事務所
  • 地方密着型の法律事務所(街弁)

これらの法律事務所が挙げられます。

BtoCがメイン業務となる法律事務所では、案件の受任率が「担当弁護士の人当たりの良さ」も大きく影響するため、試験結果よりも「人柄の良さ」や「コミュニケーション能力」が重要視される傾向にあります。

こういった法律事務所であれば、試験結果関係なく「あなたの強みを存分に活かした就職活動」が行えるようになるので、ぜひ応募の候補先として検討してみてください。

ご希望であれば「人柄重視の法律事務所の求人紹介」もすぐにさせていただきますので、お気軽に私にご相談いただければ嬉しいです。

他の強み(アピールポイント)を洗い出す

司法試験の結果以外に、法律事務所にアピールできるようなご自身の「強み」を洗い出してみましょう。

法律事務所に求められる強みは、例えば以下のような要素が挙げられます。

  • 英語力
  • ビジネス実務法務検定(会社法や労働基準法などがあり企業法務系だと活かせる)
  • 司法書士資格

もし英語力をアピールできる場合は、その英語力の強みを客観的に裏付けられるデータやエピソードを用意できると良いです。例えばTOEICの点数や海外留学のご経験など。

ご自身の魅力を伝える手段は試験結果だけに限らないので、上記のような強みをまずはどんどん洗い出してみてください。アピールポイントが明確であればあるほど、他の候補者との差別化を図ることができ、結果的に書類通過の第一歩となります。

逆にアピールポイントが漠然としていると、採用となる決定打が掴めず、結果的に他の方を採用することにもなってしまいます。

なかなかアピールポイントを明確にできていない場合は、まず選考を受ける事務所がどのような事務所なのか(得意領域やどこの会社や国の案件を扱っているのかなど)を調べましょう。そうすると、自ずとその事務所が採用したい人物像が浮かび上がります。その人物像と自分自身とを比較し、マッチする点を洗い出すことが肝です。

例えば選考先が「海外案件を扱っている事務所」であれば、「語学スキルの高さ」がアピールポイントになりますね。この場合は書類で、自己PRや英語スキルの欄に「語学スキルの高さ」が伝わる経歴や資格・エピソードを記載したり、面接でお伝えすることで内定の可能性がグッと上がります。

自身がアピールできるポイントの中で、どれをアピールすればいいのかを考えて、履歴書・職務経歴書に落とし込みます。

書類選考が通過したら、面接までに言語化してスムーズに話せるようにすることが重要です。

求人応募の候補先を広げることが大切

司法試験の結果が足を引っ張り、第一希望の法律事務所に就職できなかったという事例はよく耳にします。そこで大事なのは、「希望する就職先の幅を広げる」ことです。

もし、人気の法律事務所に応募したい理由が「ネームバリューがあるから」「大手だから」といった志望動機である場合は、もう少し自己分析を行い、あなたにぴったり合った法律事務所を模索するのも一つの手です。そしてその後のキャリアステップにて、最初に希望していた法律事務所に最終的に転職するという動き方も実現できます

あなたが本当に入職したい法律事務所はどういった職場なのか、もう一度振り返ってみることも実は大切です!

転職エージェントを利用すると内定率が上がる

リーガルジョブボードは、弁護士専門の就職・転職エージェントサイトです。多くの法律事務所とやり取りがあり、求人を取り揃えています。

求人を作成するにあたり、採用時に司法試験順位や学歴を重要視しているのか、経験や人柄を大切にしているのかまでヒアリングをしており、一人ひとりに合った事務所のご紹介が可能です。

実は、自分で求人に応募するよりも、転職エージェントを経由して応募した方が内定が出やすいのをご存知ですか?その理由は以下の記事に書かれています。

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求人のご紹介はもちろんですが、履歴書や職務経歴書の添削や、面接対策もおこなっていますので、ぜひご相談くださいませ。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 青木

コンサルタント

担当職種:
  • 司法修習生
  • 弁護士
  • 法務

立命館大学法学部を卒業後、株式会社WILLCOに入社。弁護士領域の立ち上げメンバーとして、キャリア支援・採用支援に従事。 これまでに200名以上のキャリア支援を担当し、特に司法修習生・パラリーガルのキャリアアドバイスに強みを持つ。 就職・転職ノウハウの提供に加え、一人一人に寄り添った最適なキャリア提案を得意とする。

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