司法書士

司法書士が年齢関係なく就職に有利である理由や初年度の平均年収

by フラタニティ司法書士事務所 志村直也

代表司法書士

本記事では、「司法書士の就職事情や就職先」などを詳しく解説します。

司法書士の就職事情について知りたい方や、就活・就職先について情報収集をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

「就職できない」は嘘!司法書士が就職や転職で有利になる理由

「司法書士は就職できない」ことは決してございません。

その理由は、司法書士事務所や一般企業では、司法書士資格を持っている人材が不足しているからです。よって司法書士資格を持っている方だけで重宝される存在となり得るでしょう。

ただしこれは、司法書士資格を活かせる職場に限るお話です。司法書士資格が活かせない職場では、資格を所持していても就職自体が有利に働くわけではありません。

もちろん、「司法書士資格を取得した」という「過程」を評価する企業は一部あると思います。

司法書士の年齢層と40代・50代でも就職できる理由

士業の中でも司法書士の年齢層は高く、実際に司法書士の平均年齢は50代です。40代・50代で司法書士デビューする合格者の方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、年齢が若い方が就職において有利な傾向にあるのも事実です。20〜30代と40〜50代の年代別に、歓迎されやすい事務所の特徴を紹介します。

「20代〜30代」が歓迎される司法書士事務所の特徴

「20代〜30代」の司法書士が歓迎される司法書士事務所は「不動産決済」「企業法務」をメインに扱っている事務所です。

これらの事務所は、特に不動産決済であれば体力勝負な部分がありますし、企業法務をメインに扱っている事務所は代表司法書士が若い人が多い傾向にあるからです。

もちろん40代・50代の新人司法書士を全く採用しないということはないですが、例えば数年10年くらい補助者経験がある方であれば、就職には有利に働きます。

年齢の差をカバーする経験や能力がなければ、若い方が採用に有利に働くでしょう。

「40代〜50代」が歓迎される司法書士事務所の特徴

「40代〜50代」の司法書士が歓迎される司法書士事務所は「成年後見業務」「相続関係業務」をメインに扱っている事務所です。

これらの事務所は、お客さんも年齢層が高い傾向にある為、若い司法書士より年齢層が高めの司法書士の方が好まれる傾向が強いです。

特に成年後見業務は、被後見人の全財産を原則その人が亡くなるまで管理するという業務です。裁判所から選任されたとは言え、見ず知らずの司法書士がある日突然その人の全財産を管理するとになるのです。

被後見人の親族からすれば、そのような業務を20代・30代の若い人に任せるよりは、40代・50代、場合によっては60代と年齢層の高い司法書士に任せる方が潜在的な安心感があります。

よって、必然的に採用する側も年齢層が高めの司法書士を希望する傾向があります。

「未経験から司法書士を目指すか迷っている」「司法書士の優良求人を紹介して欲しい」といった方は、リーガルジョブボードの司法書士専門エージェントまで、お気軽にお問い合わせください。

司法書士の主な就職先は4つ

ここからは、司法書士が活躍できる就職先を紹介します。

選択肢1:司法書士事務所

司法書士の就職先として、最もオーソドックスなのが司法書士事務所です。

事務所によって取り扱いの多い業務が異なり、一口に「司法書士事務所」と言ってもいくつかの種類に分けられます。主な4パターンの事務所の特徴を紹介します。

1. 不動産登記メインの司法書士事務所

不動産登記とは、例えば土地を購入した際に土地の登記簿に所有者として名前を記載する手続きです。案件数が圧倒的に多く、不動産登記を生業にしている事務所は多いです。

働くメリットは、「司法書士のメイン業務である不動産登記のスキルを身につけられること」でしょう。司法書士と言えば不動産登記と言われますので、不動産登記に関連するスキルは必須です。

2. 商業登記メインの司法書士事務所

商業登記とは、例えば会社設立時に商号(社名)・役員情報・資本金額などを法務局で登録する手続きを指します。司法書士業務の1.5割程度は商業登記案件です。

働くメリットは、「ワークライフバランスが保ちやすいこと」です。商業の場合は取引先が企業になるため、アポイントは日中になるからです。

3. 信託業務メインの司法書士事務所

信託業務とは「民事信託」のことで、自分の財産を信頼出来る人に託し、その財産を自らが定めた目的に沿って管理・運用してもらう制度です。

人口の減少や、AIの導入による業務の縮小の不安から、あらゆる事務所が信託を取り入れ始めています。高齢化が進む現代において注目されている、トレンドの業務です。

働くメリットは、「今後業務の増加が見込まれており、AIにもカバーできない領域とされていること」です。

4. 債務整理メインの司法書士事務所

CMなどでもよく流れていた「過払い金請求」などの債務整理業務です。

働くメリットとしては、過払いバブル期より減少傾向ではあるものの、債務整理の業務(任意整理・破産・個人再生など)はなくならないため安定しています。

選択肢2:他の士業事務所

弁護士のもとでパラリーガルとして働く方や、司法書士だけではなく弁護士や公認会計士など様々な法律のプロが所属している総合的な法律事務所で働く方もいます。

多くの士業が所属している事務所は、法律に関するサービスをその事務所だけで完結することができます。会社設立など企業法務の分野で活躍してる事務所もあり、多くの経験が積める魅力があります。

選択肢3. 一般企業

一般企業の「企業法務」として、就職をする方も増えてきました。 企業法務とは、企業で法律やコンプライアンスに関わる業務をこなす職種です。

司法書士資格を持っていると法律系に強い人材であると見なされ、企業法務で働くことも選択肢の一つとなります。

また、企業法務を求める企業は大手企業がほとんどのため、司法書士事務所に勤務するよりも給与や福利厚生などの待遇が良い場合があるところも魅力の一つです。

選択肢4:独立して事務所を構える

司法書士としてスキルを磨いて、独立開業も選択肢にあげられるでしょう。

司法書士は、独立しやすい職種とも言われていますので他の業種で開業するよりも敷居は低めです。

独立する場合は、司法書士として能力だけではなく、集客のためのコネクションや営業能力も必要となります。

集客面をクリアしているのならば、高収入を得るためのステップとして独立開業がよいですが、仕事面を含め不安があるのであれば事務所や企業に入って能力を高め集客のためのコネクションをつくる方がよいでしょう。

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司法書士の求人動向

司法書士の求人動向について解説します。

求人の傾向や求人が多いエリア

司法書士は安定して求人があり、就職しやすい職種です。時期によっての大きな偏りはあまりありません。「合格後に就職活動をしたけれど、司法書士事務所に就職できなかった」という話は、滅多に聞かないです。

求人数が多いエリアは関東圏・関西圏などの大都市。その他の地域では札幌・名古屋・福岡などの栄えている都市が求人が多いです。

エリアによって就職率は異なりますが、なかなか決まらず就職に苦労するという資格者は少ない職業でしょう。少なくとも就職率は高いと断言できる職業です。

特に求人が増える時期は筆記試験後の10月

司法書士の求人数が特に多くなる時期は、司法書士筆記試験後である10月から年末年始です。

11月上旬には合格発表もあり、合格者見込みの司法書士が増えるので、それに沿って求人も増えます。また年末年始は転職希望者が非常に増えるため、その時期でも司法書士の求人数は増えます。

都心や大都市の場合、司法書士筆記試験後の10月~年明け、年度末は非常に転職する方が多いため、それに合わせて求人も増える傾向にあります。

一方で地方は、規模の大きな事務所が少なく通年募集をかけているようなところはあまりないため、退職者の補填や業務拡大のための対策として随時求人を出します。

そのため気になる司法書士事務所は事前にピックアップし、求人情報をウォッチしておくことをおすすめしています。

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司法書士事務所に就職した場合の初年度年収

勤務司法書士の平均年収は400万円~500万円くらいです。年収は実務経験値によって上がるので、年齢によって初年度の給料が変わるということは基本的にありません。

初年度の年収は、都心であれば390万円前後、地方であれば370万円前後が目安になるかと思います。

その後の年収目安は、勤務3~5年目で400万円~500万円前後、事務所への貢献度(営業してお客さんを増やすなど)に応じて600万円~700万円前後、事務所において欠かせない存在になれば800万円~1000万円以上といった感じです。

それ以上に年収を増やしたいという場合は、独立開業をするか法人役員に就任するなどの必要がありますが、就職・転職がしやすく、平均400万円~500万円前後の年収と考えると、司法書士は士業の中でも安定した資格であると言えるでしょう。

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司法書士補助者の経験がある場合、司法書士になったときの年収が上がるケースがあります
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司法書士の就活にはエージェントの活用がおすすめ

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この記事の執筆者

フラタニティ司法書士事務所 志村直也

代表司法書士

フラタニティ司法書士事務所の代表司法書士で、業界に関する知識やトレンドを発信中。不動産登記を中心に後見・相続業務に注力している。

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