
特許事務が「きつい」と感じる瞬間3選|向いている人・職場選びのポイントは?

by LEGAL JOB BOARD 白石
転職エージェント
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こんにちは。特許事務の転職エージェント「リーガルジョブボード」の白石です。
本記事では、「特許事務の仕事で”きつい”と感じる瞬間3選」をご紹介します。
日頃のヒアリングを通して、現役特許事務の方に、どのような場面で「きつい」と感じるのか直接伺いました。
また、以下のような内容も解説しています。
- 特許事務の業務内容・年収・残業時間
- 特許事務に向いている人の特徴
- 職場選びのポイント&転職成功事例
特許事務への転職を検討されている方や、転職すべきか迷っている現役特許事務の方は、ぜひ参考になさってください。
特許事務は年収が安定している反面、英語力や一般的な事務経験が求められます。
特許事務の業務について詳しく知りたい方、転職相談・診断をご希望の方は、以下のボタンからお気軽にお問合せください。
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この記事の目次
特許事務の業務内容
特許事務は、特許に関わる事務業務を担当します。主な職場は特許事務所で、知的財産に関わる弁理士・特許技術者と協力して業務を進めます。
特許事務が行うのは、以下のような業務です。
- 出願業務
- 中間処理
- 登録手続
- 年金期限管理、納付手続き
- 請求書作成
- 上記に関する特許庁への手続き、クライアントへの報告
このなかに、レター作成や電話対応、見積書発行、海外代理人とのコレポンなども含まれます。
詳細な業務内容は、国内事務(日本の出願人が日本で出願)、外内事務(外国の出願人が日本で出願)、内外事務(日本の出願人が外国で出願)に応じて異なります。
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特許事務が「きつい」と感じる瞬間3選
特許事務が仕事において「きつい」と感じる瞬間とは?多くの特許事務の方にヒアリングを行うなかで、特によく聞かれた3選をご紹介します。
①人間関係にストレスを感じる
最も多いのが、「人間関係」でストレスを感じた瞬間です。
個人によって悩みは様々ですが、以下のような内容がよく聞かれます。
- 所長や直属の上司と合わず、うまくやっていけない
- ベテラン所員に威圧的な態度を取られる
- 業務上のいざこざがあったり、業務に関する嫌味を言われる
特許事務所は中小規模のところが多く、苦手な人がいても避けづらい(部署を異動しても解決しない)ケースがしばしばあります。
また、当然ながら特許事務所ごとに職場の雰囲気は異なります。面接などの際に職場の様子をできるだけ確認し、自分に合いそうな職場か判断しましょう。
②業務量が給与に見合っていない
続いて、「人手不足」や「業務量が多すぎる」などの業務に関わる問題です。
特許事務の業務は専門性が高く、経験するほどノウハウが蓄積されていく傾向にあります。そのため、長く勤めている人ほど、仕事ができる人ほど、任される仕事が増えていきがちです。
具体的な悩みとしては、以下のような内容がよく聞かれます。
- 任される業務量があまりにも多い
- 人手不足で必然的に残業が増えた
特許事務の給与は、経験年数や年齢に比例することが多く、業務量がストレートに給与に反映されにくい傾向が。それもあり、不満が募りやすいと考えられます。
苦労して働いても、その頑張りが給与に反映されないのは「きつい」ですよね。
③在宅勤務など働き方の制度が整っていない
勤めている事務所が、在宅勤務などの「フレックスな働き方ができない」点に不満を感じる方も多くいらっしゃいます。
コロナ以前と比べ、在宅勤務やリモートワークが可能な特許事務所は各段に増えました。
一方で、依然として在宅勤務などの制度が整っていない、導入される予定がない事務所もあるのが現状です。そのような事務所に勤めている方は、
- 他の事務所は特許事務も在宅勤務なのにどうして…
- 在宅勤務などが導入される見込みがないから職場を変えたい
などと感じる傾向にあります。事務所によっては、弁理士などは在宅勤務が可能で、特許事務だけが毎日出社というケースもあるようです。
働き方の制度が整っているかは、子育て・家庭との両立にも大きく影響します。そのため、働きやすい制度が整っている職場を求めて転職する方も多いです。
ここまで紹介したようなお悩みをお持ちの特許事務の方は、特許事務の転職エージェント「リーガルジョブボード」にぜひ一度ご相談ください。
業界知識が豊富なプロが、お悩みをお伺いいたします。キャリアや転職のご相談、求人紹介のご依頼も大歓迎です!
特許事務でよくある退職理由
特許事務が「きつい」と感じる瞬間をご紹介しました。では、実際の退職理由も同じような要因が関係しているのでしょうか?
人間関係の悩みが克服できない
退職理由で最も多いのが、やはり「人間関係」の問題です。
特許事務の仕事は「ひとりで完結するのが難しい」「毎日ずっと事務所内にいる」といった特性があります。そのため、苦手な人がいても避けづらく、一度こじれてしまうと改善するのが難しいケースが多いようです。
仕事内容や給与などに満足していても、人間関係がどうしても克服できず、退職を決意する特許事務の方も多いのが現状です。
在宅勤務などの制度が整った職場で働きたい
こちらは、「きつい」と感じる瞬間3つ目の「在宅勤務など働き方の制度が整っていない」が関連しています。
実際に、ある事務所に長く勤めた方が「在宅勤務不可&今後も状況が変わらなそう」という理由で、転職を検討し始めたケースも。
在宅勤務以外にも、働き方に関する制度が整っておらず、結婚・出産や転居をきっかけに、やむを得ず退職する方も比較的多いです。
時短勤務や在宅勤務の可否、産休・育休の取得実績の有無など、働きやすい環境かを気にする特許事務の方が増えています。
事務所の経営・存続に対する不安
勤めている事務所の経営や存続に不安を感じ、退職する方も一定数います。
「明らかに案件数が減少している」「昨年に比べて賞与が大幅にカットされた」などが要因で、経営に不安を感じるケースがあります。さらに、経営不振だと採用活動に力を入れられず、人手不足に陥ったり、ひとりあたりの業務量が増大する可能性もあるでしょう。
また、「所長が高齢で近いうちに事務所を畳みそうだから」といった理由で、事務所の存続に不安を覚え、退職・転職を決意する方もいらっしゃいます。
事務所の将来性・雲行きが怪しいのは、大きな不安材料になりますよね。
特許事務の残業時間・ワークライフバランス
特許事務の残業時間は、基本的に月20時間前後のケースが多いです。
まれに、月50~60時間という職場もあります。残業が多い事務所は、慢性的な人手不足に陥っているケースがほとんどです。
一方で、ほぼ毎日定時で上がれたり、時短・フレックス制度などが利用できる職場もあります。
「ワークライフバランスを大切にしたい」「子育て・家庭と両立したい」という方は、残業時間や勤務制度、育休・産休実績、離職率などで、働きやすい職場を見極めるのが大切です。
「残業が少ない」「子育てに理解のある」特許事務の求人をお探しの方は、特許事務専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」にご相談ください。プロが最適な求人をご紹介いたします。
特許事務の平均年収
特許事務(正社員)の年収は、平均で350~400万円程度です。
未経験だと300万円ほどのケースが多く、経験に応じて給与は上がっていきます。経験10年以上であれば、年収は450万円前後になることが多いです。
パートやバイトの場合、時給の相場は1,500円~1,700円ほど。正社員と同じく、スキルや経験に応じて時給が決定します。
以下の記事で、特許事務の年収について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
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特許事務に向いている人・歓迎スキル
特許事務に向いている人や、歓迎されるスキルとは?今回は特に重要な3点を解説します。
英語力を活かして働きたい方
海外案件を扱う特許事務所の場合、英語力は必須条件です。「TOEICのスコアが高い」「貿易事務の経験がある」といった場合、選考に有利に働くでしょう。
具体的には、(海外案件を扱う)外内・内外事務ならばTOEIC700~750点程度が望ましいです。案件の内容によっては、800点程度のスコアが求められるケースもあります。
国内事務は、必須ではなく歓迎条件として、TOEIC600点以上ほどが目安になります。
特許事務には、外国語学部の出身の方が多いです。英語力を活かして専門的な仕事がしたい方は、かなり特許事務に向いているといえます。
慎重に仕事を進めたい方・ミスに敏感な方
特許事務の重要な業務は「期限管理」と「手続書類のチェック」です。
期限管理は、特許申請が完了するまでのスケジュール管理のこと。特許庁からの通知書への対応では、期限から逆算してスケジュールを立て、誰に・いつまでに・何をしてもらう必要があるかを細かく管理します。
責任重大な業務ですから、スケジュール管理能力に長けた方が向いているでしょう。
手続書類のチェックは、出願内容のミスを防ぐための業務です。誤字脱字や記入漏れがないか、指示通りの書類になっているか等、チェックの際には注意力が求められます。
コツコツと仕事に取り組める
特許事務は基本的に内勤で、デスクでの事務的な業務が主になります。例としては、期限管理、出願書類のチェック、請求書作成、特許年金の管理・納付など。
どの仕事も、作業スピードや正確性といった処理能力の高さが必要です。地道に確実に日々の業務を遂行できることも、特許事務の歓迎スキルになります。
事務作業が好きな方、事務経験が豊富な方、ひとりで黙々と作業をすることに抵抗感がない方は、特許事務に向きだといえるでしょう。
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特許事務のやりがい・メリット
特許事務は大変なこともありますが、やりがい・メリットはかなり大きいです。3つのポイントに絞ってご紹介します。
英語力が活かせて専門性も高い
最大のやりがいは、英語力をいかして専門性の高い仕事に取り組めることでしょう。
海外案件の増加にともない、英語を使用する機会も多く、英語力アップが目指せる仕事です。実践的なビジネス英語や、特許関連の専門的な単語を習得できたり、レター作成で応用力が試されるため、スキルアップに繋がります。
また、知財分野のスペシャリストである弁理士と仕事を進めることもあり、案件ごとに専門性を高め、成長していくことも可能です。
知財分野のサポートができる
特許事務の中には、「知財分野のサポートを通して、日本の産業に貢献できる」ことにやりがいを感じる方もいます。
弁理士法では、弁理士の使命として、知的財産権の保護・利用の促進、関連制度の適正な運用を通して、経済や産業の発展に貢献するといった旨が記されています。
知的財産権には、特許権や実用新案権、意匠権、商標権など、いくつかの種類がありますが、どれも日本の経済や産業にかかわる重要なものです。
弁理士や特許技術者のサポートを通して、自身も知財業界・日本の経済や産業に貢献していると感じられるでしょう。
経験を活かして働きやすい
「経験を積むほどキャリアの幅が広がる」ことも、メリットの一つです。
特許事務は即戦力の需要がとても高い職種です。事務所によって業務が大きく異なることもないので、経験を積むほど市場価値が上がっていきます。
年齢などの条件もありますが、経験があれば比較的転職しやすいので、安定志向の方に特におすすめです。
子育てや家庭と両立しながら、キャリアアップが目指せるのは魅力的ですよね。
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特許事務の職場選びのポイント&転職成功事例
働きやすい職場に身を置くことで、ストレスなく業務に励めます。実際の転職成功事例と合わせて、特許事務の後悔しない職場選びのポイントを紹介します。
人に恵まれた職場で業務効率もアップ
【転職成功エピソード】
パワハラに悩んでいたある方は、選考時などに事務所の雰囲気を念入りに確認。人に恵まれた職場への転職に成功しました。
人間関係が良いと、業務を円滑に効率的にこなすことができ、残業も減ったと言います。
普段ご相談を受ける特許事務の方で、ベテラン所員や上司からのパワハラ等に悩む方は多いです。
人間関係の改善を目指す転職では、面接時に所員(特に特許事務)の方の様子をチェックしてみましょう。
以下のような場合、人間関係が良好な職場である可能性が高いです。
- こちらの回答をしっかりと聞いてくれる
- 時折、所員同士の仲の良さが垣間見える
また、事務所や所長・所員の方の雰囲気が自分に合いそうかも、面接時に見ておきたいところです。
子育て中の「働きやすさ」を実現
【転職成功エピソード】
仕事と子育てに追われていたある方は、在宅勤務が可能な事務所への転職に成功。
出社と在宅勤務をうまく併用することで、子育てとの両立も実現できるようになりました。
時短・在宅勤務ができない、子育てとの両立が難しいなど、働き方の制度が整っておらず転職する方は増加傾向です。
働きやすい職場を求めた転職では、業務の効率化に積極的か、所員の働きやすさに配慮しているかを、質問などでチェックしてください。
以下のような項目を判断基準にするのがおすすめです。
- 働き方の制度やマニュアルがあり、実際に運用されているか
- 事務所側から「働きやすさ」に関して言及があるか
- 時短勤務や在宅勤務の可否、産休・育休の取得実績の有無
働き方の制度や休業実績については、求人を確認したり、リーガルジョブボードの転職エージェントに問い合わせるのも良いでしょう。
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