特許事務が“きつい”と感じる理由&後悔しない職場選びの方法
by LEGAL JOB BOARD 小笠原
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。特許事務に特化したキャリア支援を行う「リーガルジョブボード」の小笠原です。
本記事では「特許事務が“きつい”と感じる理由」をはじめ、以下のような内容を解説します。
特許事務への転職を検討するための情報収集がしたい方や、現役の特許事務で現職にお悩みのある方はぜひご覧ください。
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この記事の目次
特許事務が“きつい”と感じる理由
特許事務が「きつい」と感じる理由として、よく聞かれる3点をまとめました。
①フレックスな働き方ができない
在宅勤務や時短勤務など、「フレックスな働き方ができないこと」に不満を感じる方が一定数います。
- 今後も在宅勤務が導入される見込みがない
- 特許事務はフル出社で、他職種は在宅勤務可能
といったケースがよく聞かれます。
働きやすさは、子育てや家庭との両立に影響します。お子様が小学校に上がり、時短勤務ができなくなった等の理由で、在宅勤務やフレックス制度のある職場への転職を考える方も多いです。
※しかし最近では、特許事務も在宅勤務ができる事務所が多いです。2024年8月に弊社が実施した「特許事務の働き方調査」では、約8割が「在宅勤務制度がある」と回答しています。
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②職場の人間関係にストレスを感じる
「人間関係にストレスを感じること」も不満につながりやすい傾向にあります。
- 所長や直属の上司と合わない
- ベテラン所員から威圧的な態度を取られる
- 事務所の方針で、業務効率化などの提案が通らない
など、上司や同僚、時には所長との関係にストレスを感じるケースが聞かれます。
特許事務所は中小規模のところが多く、少人数や部署移動がない職場では、苦手な人と関わらざるを得ない場面もあるでしょう。人間関係の悩みは解決しづらく、転職の動機となる方が多いです。
③業務量が多い・人手不足
最後に、「業務量の多さ」や「人手不足」といった業務上の問題です。
具体的には、以下のような内容がよく聞かれます。
- 人手不足で一人当たりの業務量が多すぎる
- 残業が増えて家庭や子育てに支障が出そう
残業が多い事務所は、「退職者が続いている」「(金銭面や教育面で)新しく人を雇う余裕がない」などの理由から、慢性的な人手不足に陥っているケースが考えられます。
特許事務のよくある退職理由
ここまで、特許事務が「きつい」と感じる瞬間をご紹介しました。では、実際の退職理由も同じような要因が関係しているのでしょうか。
人間関係の悩みが克服できず…
退職理由の中でも多いのが、やはり「人間関係」の問題です。
特許事務の仕事は「ひとりで完結するのが難しい」「毎日ずっと事務所内にいる」という特性があります。そのため、苦手な人がいても避けづらく、一度こじれてしまうと改善するのが難しいケースが多いのでしょう。
仕事内容や給与などに満足できていても、人間関係の部分がどうしても克服できず、退職を決意する特許事務の方はもいらっしゃるのが現状です。
事務所の経営に対する不安
事務所の経営に不安を感じ、退職する方も一定数います。
「明らかに案件数が減少している」「昨年に比べて賞与が大幅にカットされた」といった場合、経営がうまくいっていない可能性も。
一般的に、経営が良好で案件数も豊富な事務所の方が、所員の待遇が良い傾向にあります。
経営がうまくいっていないと、採用活動に力を入れることも難しいので、人手不足に陥ったり、一人あたりの業務量が増大するケースも考えられます。
所属する事務所の雲行きが怪しいのは、大きな不安材料になりますよね。
働きやすい環境で働きたい
ここ数年の退職理由で非常に多いのが、「フレックスに働けない」ことです。
実際に、ある事務所に長く勤めた方が「在宅勤務不可&今後も状況が変わらなそう」という理由で、転職を決意されたケースもあります。
働き方に関する制度が不十分で、結婚や出産、それにともなう転居の際に、やむを得ず退職する方も比較的多いです。
在宅勤務に限らず、時短勤務の可否、産休・育休の取得実績の有無など、働きやすい環境かを気にする方は以前よりも増えています。
特許事務の転職成功事例&職場選びのポイント
特許事務が後悔しない職場の選び方をここから解説します。
職場選びのポイントを抑えることで、働きやすい環境でのびのびと業務に励むことができるでしょう。実際の転職成功事例もあわせて紹介します。
人に恵まれた職場で業務効率もアップ
普段、転職やキャリアに関数ご相談を受ける特許事務の方にも、ベテラン所員や上司からのパワハラ等に悩む方は多いです。
人間関係の改善を目指す転職では、面接時に所員(特に特許事務)の雰囲気をチェックすることが重要になります。
- こちらの回答をしっかりと聞いてくれる
- 時折、所員同士の仲の良さが垣間見える
といった場合、人間関係も良好な可能性が高いでしょう。
実際に、パワハラに悩んでいたある方は、事務所の雰囲気をしっかりと確認することで人に恵まれた職場への転職に成功。人間関係が良くなったことで、業務が効率的になり、残業も削減できました。
子育て中の「働きやすさ」を実現
在宅勤務ができない、育児・家庭との両立が難しいなど、働き方関連の制度が不十分で転職を検討する方は増加しています。
フレックスに働ける職場を求めた転職では、業務の効率化に積極的か、所員の働きやすさに配慮しているかを、質問などで確認しましょう。
- 働き方の制度やマニュアルがあり、実際に運用されているか
- 事務所側から「働きやすさ」に関して言及があるか
などを判断基準にするのがおすすめです。
実際に、コロナ禍でも毎日出社していたある方は、在宅勤務も可能な事務所への転職に成功。出社と在宅勤務をうまく併用することで、子育てとの両立も実現できるようになりました。
リーガルジョブボードでは、求人先の事務所に「職場の雰囲気」「教育体制」「在宅勤務の実施状況」などを直接確認しているほか、会員の方から職場の口コミ・内情などの情報を多く伺っています。
働きやすさや職場環境を知りたい事務所がある方や、現職でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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特許事務の残業・在宅勤務の実情
繁忙期など時期によって増減の可能性はありますが、特許事務の残業は月5〜20時間程度のケースが多い印象です。
もちろん、残業なし〜月5時間未満の職場や、時短・フレックス制度などが利用できる職場もあります。
また、特許事務も在宅勤務可という事務所が増えています。2023年に弊社が実施した調査では、41事務所中35事務所で、特許事務も在宅勤務・テレワークが可能という結果でした。
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特許事務のやりがい・メリット
特許事務は大変なこともあるかもしれませんが、大きなやりがい・メリットのある仕事です。
英語力が活かせる&専門性が高い
特許事務は英語力を活かせることや、専門性の高い仕事ができることに、やりがいを感じる方が多いです。
海外案件に携わる外国事務(内外・外内事務)では、現地代理人とのコレポン業務(英文レターのやり取り等)などで英語力が必要になります。
また、知的財産や特許出願、その関連法などの専門知識が必要で、一般的な事務職よりも専門性が高いことに魅力を感じる方も多くいます。
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知財分野に貢献できる
知財分野のサポートを通して、日本の産業に貢献できることにやりがいを感じる方もいます。
特許事務が携わる「特許出願」は、発明を保護する権利(特許権)を取得するために行います。特許や知的財産は、日本の産業・経済にとっても重要なものです。
弁理士や特許技術者のサポートを通して、知財業界・日本の経済や産業に貢献していると感じられるでしょう。
経験を積むほど市場価値が上がる
経験を積むほど市場価値が上がることも、特許事務の魅力の一つです。特許事務は経験値が重視され、即戦力の需要が高い傾向にあります。
経験があれば比較的転職しやすく、安定志向の方に特におすすめです。子育てや家庭と両立しながら、キャリアアップも目指せる職種です。
働きやすい職場をお探しの特許事務の方へ
特許事務への転職を検討されている方や、特許事務として働かれている方で、
- 育児・介護などに理解のある、働きやすい職場が知りたい
- 年収アップ、残業減など、転職で叶えたい目的がある
- 自身の経歴やスキルで、実際に応募できる求人を選定して欲しい
といった場合には、リーガルジョブボードの特許事務専門キャリアアドバイザーまで、お気軽にご相談ください。
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