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弁護士の残業時間

弁護士の残業の実態とは?平均残業時間・勤務時間・休日について解説

by 大阪弁護士会所属 弁護士M

弁護士(14年目)

担当職種:
  • 弁護士
弁護士の残業時間

こんにちは。弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」です。

本記事では、現役弁護士の私が「弁護士の残業の実態」について解説します。具体的には以下の内容に触れます。

私自身も実際に法律事務所で12年働いてきたので残業の実情には詳しいため、本記事の信憑性は補償します。ぜひ最後までご覧ください。

弁護士の平均残業時間

結論から言うと、弁護士の平均残業時間は月40〜60時間(1日あたりの残業時間:2〜3時間)です。

日本弁護士連合会が発表した『弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査 2020』によると、弁護士の年間総労働時間の平均は2,332.2時間で、2010年の調査より約52時間増加。

年間所定労働日数は365日-125日で240日として、1日の労働時間を計算すると約9.7時間になります。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構によると、日本の全職種の平均年間総実労働時間(2019年)は1,598時間であり、上記と同様に労働時間を算出すると1日あたり約6.6時間となり、弁護士の労働時間のほうが長い傾向にあることが分かります。

弁護士に残業という概念はあまりない

そもそも弁護士には「残業」という概念を持って働いている人は少ない傾向です。

なので「サービス残業をしている」というような自覚ないことがほとんどです。弁護士の仕事は基本的に「完成させたら終わり」という意識を持っている方が多く、時間労働の感覚が浸透していないのです。

事務所に雇用されているアソシエイト弁護士であっても、多くは「残業」をあまり気にしていないように思います。

弁護士が残業代を請求するのは難しい

弁護士が残業代を請求するのは、かなり稀なケースです。

上記でもお話した通り、弁護士の仕事は基本的に「完成させたら終わり」という意識があるので夜遅く働いていても「残業」と考えていないことがほとんどです。

弁護士は事務所の事件だけを担当しているケースは少なく、個人で受任した事件や国選事件、破産管財人や後見人などの裁判所から個人で選任された事件も抱えています。

とはいえ、弁護士の中にはライフステージの変化で「もう少し働く時間を短くしたい。」といった方も増えております。

やはり職場の雰囲気でなかなか早く仕事を切り上げられなかったり、仕事量の調整が難しかったりという場合があるため、自身にあった職場選びはとても重要です。

弁護士の勤務時間について

定時は「9~10時頃から18~19時頃」が一般的です。基本的には自身の勤めている法律事務所の規定によって決まります。

法律事務所のホームページ等では、「営業時間は10時~18時まで」などと表示されていることがあります。

これは事務所が電話応対できる時間のことで、実際に弁護士が事務所にいる時間を指しているわけでありません。

弁護士の休日

弁護士は基本的に事務所の方針に合わせて土日休みが多いでしょう。

多くの法律事務所は、依頼者・顧問先・裁判所からの電話応対等のため、一般社会と同様に平日を営業日、土日を休みとして、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの長期休暇も一般社会と同様にしています。

とはいえ、上記でお話した通り、弁護士の仕事は基本的に「完成させたら終わり」という意識があるため休日に仕事をしている弁護士も少なくありません。

事務所の規模や業務により働き方は大きく変わります。「休日がしっかり取れる職場がいい」「ワークライフバランスを大切にしたい」という弁護士の方向けに、実際におすすめの求人をまとめました。こちらからご確認いただけます。

弁護士の繁忙期・閑散期は?

繁忙期と閑散期について、以下で解説します。

弁護士に特定の繁忙期はない

弁護士業界に特定の繁忙期はなく、新規の事件受任が増えれば繁忙期となります。

仮差押事件や急な事業停止による破産申立など、急ぎの依頼が来れば急に忙しくなる場合、多くの文書を起案や証拠の収集などで、終電が過ぎるまでや徹夜で働いていることもあります。

また、公開会社を顧問先に抱えている事務所であれば、公開会社は6月に株主総会を行うことが多く、総会に向けた打合せなどで6月が忙しいという場合もあるでしょう。

弁護士の忙しさは働く事務所によって大きく変わってきます。今の事務所は忙しすぎる、逆に物足りない、などお悩みの方はぜひご相談ください。あなたにあった事務所を紹介いたします。

弁護士の閑散期は3月末〜4月および8月

弁護士が少しのんびりできる期間があるとすれば、3月末から4月にかけてと8月です。

これは、裁判所の事情と関係しています。裁判所は4月に裁判官の異動があり、3月末から4月上旬は公判の日程が入りません。

そうすると、裁判所に提出する書面の提出時期が遅くなり、弁護士も少し時間に余裕ができます。

8月も夏季休廷といって、裁判所は対外的には休廷期間(裁判官はその間も判決文を作成するなど完全な休みではありません)に入り、同様に公判の日程が入りません。3月末ころと同じように、少しゆっくりできる状態になります。

残業の少ない弁護士の働き方

弁護士がワークライフバランスを整えたい場合、企業内弁護士(インハウスローヤー)がおすすめです。

企業内弁護士は、所属先が法律事務所ではなく「企業」になるので、待遇や休日はすべて企業体制に依存することになります。

働き方改革が浸透してきている今、法律事務所よりは企業の方が休みが取りやすく、残業も少ないのです。

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この記事の執筆者

大阪弁護士会所属 弁護士M

弁護士(14年目)

担当職種:
  • 弁護士

大阪弁護士会に所属する、登録14年目の弁護士。大阪大学法学部卒業後、一般民事事件を主に取り扱う法律事務所に勤務。弁護士業務に従事しつつ、法的内容を扱う記事監修も行っている。

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