Visionalの事業を支える法務の未来〜進化する組織と挑戦の舞台裏〜
by LEGAL JOB BOARD 山﨑雅彦
エグゼクティブアドバイザー
- 担当職種:
法務人材のキャリア支援を行なっている「LEGAL JOB BOARD」エクゼクティブアドバイザーの山崎です。
この度、Visionalグループの法務機能を担う、ビジョナル株式会社の管理本部 法務室室長の小田将司氏にインタビューを実施いたしました。
ビズリーチやHRMOS(ハーモス)をはじめとしたHR Tech領域の事業をはじめ、M&A、物流Tech、サイバーセキュリティの領域においても新規事業を手がけるVisionalグループ。
Visionalグループ急成長の裏には、法務という枠に捉われず「事業のための法務」を体現する法務室の存在がありました。
今後の法務室の展望や、選考時にみているポイントなどについても伺っています。ぜひ最後までご覧ください。
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この記事の目次
法律の枠を超えた挑戦ができる会社を選んだ
山﨑:
ぜひお願いします!早速ですが、小田さんのご経歴について教えていただけますか。
小田氏:
大学卒業後、西村あさひ法律事務所で約8年間M&A業務を担当した後、ビジョナル株式会社に転職してちょうど8年になります。法律事務所での8年間を通じて、もっと事業の中心に飛び込んでみたいと感じたのが、転職を考えた一番大きな理由です。
それ以外にも理由はありますが、簡単に言えば「世の中を良くしたい」という思いが根底にあります。特に私は日本が大好きで、日本をより良くしたいと常々考えていました。
人生の大切な時間を使うなら、この国のためになることをしたい。
そう考えたとき、外部アドバイザーとして企業を支援する立場では、自分が当事者ではなく、距離が遠く感じられ、手触り感がないと思ったのです。
法律事務所に勤めていた最後の1年は、イギリスのケンブリッジ大学に留学していたのですが、海外の仲間たちと話す中で「もっと自由に発想を広げて良いんだ」と気づき、弁護士資格に捉われず新たな挑戦をしてみたいと考えるようになりました。
その結果、“法律”という手段にこだわらず、事業の近くで当事者として日本を良くすることに貢献できないかと模索し、「もっと事業の中心に飛び込んでみたい」という想いを軸に転職活動を始めました。
しかし、当社の代表である南だけは違いました。
「いいね、じゃあ営業をやってみよう」と言ってくれたのです。この言葉には本当に驚きました。「本当にいいんですか?」と胸躍り、入社を決意しました。
山﨑:
営業ですか?!弁護士の方が営業をされるのは、かなり稀なケースですよね。
小田氏:
はい、確かにあまりないですよね。ただ私は営業に挑戦するときには、その道に全てを投じるつもりだったので、今こうして法務の話をしている方が、当時の自分からすると不思議な感覚なんです。
営業職では全力を尽くし、苦しみながらもとても充実した日々でしたが、自分の中で「この会社、ひいては日本の成長に自分が最も貢献できる場所はここではない」と感じるようになり、結果的に法務にもう一度挑戦させてもらうことになりました。
2016年にビズリーチへ入社してから3年間営業を経験したあと、2019年に法務マネージャーとして管理部門に移りました。当時の法務は、私を含めて実働メンバーがわずか3人でしたので、役割もかなり限定されていました。そこから採用を進め、組織と機能を再構築して現在の形に至りました。
法務室の組織構成とそれぞれの役割
- HRTech法務グループ – HRTech事業とコンプライアンス業務を担当。
- Incubation法務グループ – 新規事業領域とコーポレート系業務を担当。
- 知的財産グループ – 特許や商標を担当。
この変更の背景には、2つの理由があります。1つ目は、コーポレート法務の業務のみをやっているメンバーからすると、「事業のための法務」を実感しづらいところがあり、Visional法務のカルチャーを浸透させる上で課題を感じていた、というカルチャー・ビルディングの観点です。もう1つは、Visional法務に在籍することで一人前の法務パーソンに成長できるという状態をつくろうと思ったときに、事業法務とコーポレート法務の両方を同時に経験できる体制にしたい、というメンバーの成長の観点です。
短期的には効率性は低下することは覚悟した上で、将来の組織成長を見据えた投資と考え、8月に組織変更を実施しました。
山﨑:
事業ごとにチームが分かれているのですね。コーポレート系業務やコンプライアンス業務はどのように扱っているのでしょうか?
小田氏:
各グループに振り分けています。取締役会の運営などのコーポレート系業務はIncubation法務グループが、コンプライアンス業務はHRTech法務グループが担当するなど、全社横断的な業務についてはあえて個社ごとに分けずに各グループに振り分けるかたちとしています。
山﨑:
事業ベースで担当を決めていらっしゃるのですね。新規事業やプロジェクトへの法務サポートは、どのような段階から関与するのでしょうか?
小田氏:
初期段階、アイデアの段階から関与しています。たとえばM&Aであれば、NDA(秘密保持契約)の締結段階から法務が関与し、その後も契約交渉は法務が中心となって進めるなど、主体的・中心的な関りをすることになります。他の企業と比較してもかなり早いタイミングで関与していると感じますし、いい意味で責任の重さも感じています。新規事業の場合も、構想段階から法務が深く関与することで、スムーズな進行を支援しています。
山﨑:
新しく入社した方々も、早期のタイミングからプロジェクトに関与できる環境ですか?
小田氏:
基本的に事業の方は法務が早期段階から関与することに前向きなので、入社歴にかかわらず、担当者の姿勢次第で早い段階から事業に携わることが可能です。私は一貫して「事業に深く関与する」という姿勢の重要性や面白さを伝え続けてきました。グループ全体として、そうした法務のあり方に対してはとてもオープンであると感じています。
深く事業に入り込む法務へ、組織再編で挑む“Deep Dive”の真髄
そのような関係性を築くために、事業の中ではどのようにコミュニケーションを取られているんでしょうか?
たとえば、週に一度事業部のオフィスに椅子を借りて、同じ空間で仕事をしたり、朝会や週次ミーティングに直接参加したりします。各自が工夫しながら、事業部との距離を詰める努力をしています。その結果、各事業部の忘年会のような社内イベントに誘ってもらうことも多いです。
実は、これは採用時にも重視しているポイントで、事業部との距離を詰めるのが得意な方を積極的に採用しています。距離を詰めるのが得意な人もいれば苦手な人もいますが、得意な方を中心に仲間に加えてきた結果、このような近い関係が築けていると思います。
事業のための法務として、単にサポートするのではなく、その事業の中に入り込み、全力で関与する姿勢を求めています。メンバーにも“その中の人”になってほしいというメッセージを伝えています。深く事業に入り込むことで、本当に必要なサポートを提供し、事業の成長に貢献していきたいと考えています。
事業のことを深く理解せずに、法務として付加価値の高いアドバイスを提供するのは不可能です。外部アドバイザーではなく、社内の法務部だからこそ事業を深く知り、その知識を活かして最大の貢献ができると考えています。
営業部門や法務以外の管理部門など、他部門と連携する上で大切にしていることはありますか?
法務の仕事をすることが法務の役割ではなく、事業の描く未来を実現させることに法務の存在意義があります。法務として正しいことをするのではなく、事業を進めるために何ができるかを第一に考えます。これが「事業のための法務」であり、法務のための法務ではないという考え方です。
この基本認識を共有することが、他部門との連携を円滑にする出発点だと思います。私自身、まだ十分ではないと感じていますが、理想的には「その会社の人」として自然に事業に溶け込むことを目指しています。
たとえば、ビジョナルに席を置きつつも、事業会社に出向等した際は、その事業の一員として自然と溶けこんで活動するような形が究極の姿だと思っています。その方向に少しずつ舵を切り、事業に深く関与する環境を作りたいと考えています。Diveを超えて、最終的には自然に溶け込む形を目指しています。これが、私が考える「事業を共に創る法務」の理想です。
山﨑:
事業を共に創る法務の具体的なエピソードなどありますか?
小田氏:
たとえば、生成AIを活用した新規アイデアが事業内で生まれることがあります。それを「難しそうだから」と放置すれば、多くのアイデアが消えてしまうかもしれません。しかし、事業に入り込み、相談を受けることで「こうすれば可能です」と具体的な実現方法を提案することができます。また、逆にそのアイデアを守るために特許出願を進めるなど、攻めと守りの両面で事業を支援しています。
最近では、生成AIに関する取り組みについて、教科書や正解がない中で事業の可能性を最大限に広げられるような解釈や方策を模索したり、そうした取り組みに関連する特許出願を強化するなど、法務としての関与を深めています。生成AIの領域は、社運をかけて取り組んでいる重要な分野です。法務としても、この領域は難しいから無理だ、危険だと言ってしまえば何も進みません。だからこそ、できる理由を徹底的に考えることを重視しています。
山﨑:
事業に入り込んでいるからこそ、できる理由を考え抜くことができるんですね。
小田氏:
そのとおりです。かつてビズリーチのバリューに「できる理由から始めよう」というものがありましたが、それは法務においても非常に重要な考え方だと信じています。
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リスクを先読みし、信頼を守る仕組み作り
1つ目は業規制です。たとえば、ビズリーチで言えば職業安定法に関連する規制があります。これは特定の事業に適用されるもので、私たちの場合、プラットフォーム系の事業として対応が求められる独自の規制も含まれます。HR系サービスが多様化している中で、法改正も盛んであり、手探りな部分も多い中で、法の趣旨を踏まえた適切な事業運営ができるように慎重に対応しています。
もう1つは、サービスの中核となる個人情報に関するリスクです。会員のデータが事業の競争価値の源泉であるため、これを適切に保護しながら利活用することが重要です。個人情報保護法への対応はもちろんですが、近年では生成AIの登場により、この領域の複雑さが増しています。これら2つの領域が、特に注力しているリスク管理の中心です。
山﨑:
事業部門のメンバーや他部門の方々に対してコンプライアンス意識を高める対応も重要ですね。貴社ではどのような取り組みをされていますか?
小田氏:
形式的に施策を行うだけではなく、本当に必要な対応に注力しています。たとえば、職業安定法のように絶対に守らなければならない領域には、手厚い研修を実施します。
一方で、一般常識的な内容については、いらずらに研修の数を増やすのではなく、もっと日常的に興味を持ってもらえる工夫をしています。たとえば、法務メンバーが時事ネタを交えた“コンプライアンス通信”を定期的に発信しています。このように、強制的に押し付ける形ではなく、受け手が自発的に興味を持つ取り組みを重視しています。
山﨑:
非常に面白い取り組みですね!具体的には、どんなメッセージを伝えているのですか?
小田氏:
法律だから守る、という形式的なアプローチではなく、人として“こちらの方が良い”という感覚を大切にしてほしいというメッセージを伝えています。
ルールや法律というと、どこか自分とは遠い存在と思いがちですが、そのように捉えるのではなく、人として当然に持つ常識感覚に寄り添うかたちでコンプライアンスを捉えてもらえるよう心がけています。情報発信の仕方やコミュニケーションも押し付けない形で、自発性を尊重するよう努めています。
これにより、社員が主体的にコンプライアンスを意識する文化を醸成したいと考えています。
働く上で、『楽しさ』を最優先にしたい
育成は誰かに施されるものではなく、自分が成長したいという主体性が伴ってこそ実現されるものだと信じています。そのため、受動的な教育を意味するいわゆる「育成プログラム」というものを構築することにはあまり積極的ではありません。
むしろ、個々の意志を引き出し、それに応じたOJT環境を提供することに注力しています。入社時点やその後の面談を通じて“何をやりたいのか”をヒアリングし、その方が最も成長できる業務にアサインするよう工夫しています。当社は事業領域が広く、ある程度規模の大きくなった事業から立ち上がったばかりの新規事業までグラデーションがあり、さらに海外案件やM&Aなど多様な業務に取り組む機会があります。法務として経験したい分野があれば、ほぼすべてに挑戦できる環境です。
そうした環境を活かしていただくために、入社時だけでなく、その後も都度意向を確認し、経験していただく業務の方向性をすり合わせています。
ただし、全員が“将来こうなりたい、そのためにこれをやりたい”と明確なものを持っているわけではないので、どういう機会があるかを示唆したりもしています。たとえば“こういう案件があるよ”“最近こういう分野が注目されているよ”などを伝え、自発的に挙手してもらえるようなコミュニケーションを取ったりしています。理想論なのかもしれませんが、主体性を重視したいというのが私の基本的なスタンスです。
山﨑:
自発性を重視したアプローチは人材育成の観点からも効果的だと言われていますね。
小田氏:
その方が人生も楽しいですよね。自分で選んだ道で成長していくのが一番良いと思っています。
最終的に、自分が人生の終わりを迎えるときに、「この人生、最高に楽しかった」と思えたら、それが一番幸せなことだと思っています。そして、できるだけ多くの人にもそう思ってもらえる人生を送ってほしいんです。その思いがあるからこそ、今、人材に関わる仕事をしているんですよね。これは、私の人生における最も大切な価値観の一つでもあります。
山崎:
素敵ですね。そんな小田さんの考え方が反映された法務室では、ジョブローテーションのような仕組みも取り入れられているのでしょうか?
小田氏:
いわゆる「ローテーション」という固定化された異動の仕組みはあえて設けていませんが、グループを跨ぐ役割の変更は一定の頻度でありますし、部署を跨ぐ異動の実績もあります。私自身営業から異動してきたということもあり、役割の変更については本人の強い意志とコミットメントがある限り最大限応援したいというスタンスです。
直近の実績でいえば、2023年8月に法務から営業に異動した者がいます。これは本人がキャリアを考える中で“この経験が必要だ”と強い意志を持ち、受け入れ側のニーズにもマッチした結果です。当然のことながら、異動が叶うかどうかは受け入れ側の事情もありますし、また仮に全く異なる役割の部署に異動するのであれば相当な覚悟も必要です。ただそうした前提があるのであれば、私は個人の主体性・意志を尊重し、全力で応援します。
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子育て世代も活躍する、Visionalの働く環境
山崎:
法務室の年齢層、子育てと仕事の両立についてどのような柔軟性がありますか?
小田氏:
年齢層は30代後半から40歳前後が中心ですが、20代もいます。私自身も40歳になります。
また、子育て世代のメンバーが多く在籍しています。出社時間を調整することができ、朝の送り迎えが必要な場合、遅めに出社して他の時間で調整するなど柔軟に対応しています。出社日は火・水・金としていますが、事前に相談してもらえば調整も可能です。
山崎:
働き方への配慮が徹底されていますね。繁忙期の業務負担はどのように調整されているのですか?
小田氏:
全ての事業に2人体制を敷くといった対応は難しいため、縦のラインでマネージャーがカバーする形を取っています。必要に応じて私自身も対応します。将来的には育成という観点から複線化も選択肢の一つとは考えていますが、現時点では効率性とのバランスを模索している段階です。
法務の未来を紡ぐ、チームのビジョンと求める仲間とは
法務の専門性を共通の基盤として持ちながら、各メンバーが事業の中核に入り込み、事業を支える存在になることを目指しています。
分かりやすくいえば、「事業CLO」のような役割で、各事業に法務としての信頼を勝ち得たリーダーが存在する状態が理想です。困った時に真っ先に名前が浮かぶ、そんな存在になることが目標です。それを実現するために、法務としての専門性を高めるだけでなく、事業の人間として自然に溶け込むことを理想としています。
山﨑:
事業CLOという考え方は非常に興味深いですね。
小田氏:
そうですね。呼び方はいろいろあると思いますが、事業の「中」で頼られる存在になることが重要であるという意味合いです。法務のメンバーが事業に深く入り込み、「法務に詳しい事業の人」というレベルまで完全に溶け込む、そんな形を目指しています。その方が絶対に本人にとってもやりがいを感じられると思っています。
山崎:
ビジョンの実現に向けて、どのような方と一緒に働きたいとお考えですか?
小田氏:
とにかく人間性の部分が一番大きいですが、主体性と当事者意識が強い方と一緒に働きたいです。
どれだけ事業を自分ごととして捉えられるかが重要です。そして何より、事業が好きな方であること。誰かに言われて事業のことを勉強している人は、事業に対する好奇心が自然に湧き出て、つい夢中になって調べてしまうような人には敵いません。そうした熱意や好奇心を持つ方と共に働きたいですね。
その上で、専門家としての力を持つことももちろん大切ですが、それは必要条件ではありつつも十分条件ではありません。やはり、まずは主体性や当事者意識、そしてその事業が好きであることが何より重要だと考えています。
山崎:
人間性や事業に向き合う姿勢といった点は、なかなか判断が難しい部分だと思いますが、選考の際には、これらのポイントをどのように見ていらっしゃるのでしょうか?
小田氏:
基本的に私が1次面接を行うのですが、そこでは基本的にハードスキルの話はほとんどしません。それは2次面接以降でしっかり確認させていただくとして、私が重視しているのは、その方の根本的な価値観や人生観です。「何に喜びを感じる方なのか」「人生を通じて何を成し遂げたいと考えているのか」、そうした部分を深く掘り下げて伺うようにしています。
「事業のための法務」という言葉を口にすることは簡単ですが、本当にその方がそう思っているのかを深く理解したいんです。面接だからといって変に着飾ったり、無理に私の話に合わせる必要はなく、本音で価値観が合致する方と一緒に働きたい。それを確かめるために、典型的な質問はあまりしません。「なぜ?」を繰り返しながら、その方の考えを丁寧に伺うよう心がけています。
また、面接の冒頭で「お互いに『面接』モードになるのはやめましょう」などとお伝えしています。「ザ・面接」のような形式的なやり取り――たとえば「御社への志望動機は?」といった質問をしてしまうと、どうしても本音と離れた表層的なやり取りに終始してしまいがちだと思っているので、素の状態で向き合いましょうとお話しします。私自身も素のまま接しますので、できる限り自然体の自分を見せていただければと思っています。
山﨑:
服装などもかなり自由な印象がありますが、自然体であることを大切にされているのでしょうか?
小田氏:
そうですね。TPOを踏まえた最低限のマナーは必要ですが、基本的には自由です。私自身も、夏はTシャツ1枚、冬もラフな普段着で過ごしています。実際、スーツやジャケットを着る機会はほとんどないですね。
選考においても、「採用プロセスはお互いの相性診断だ」とお伝えしています。会社が求める人物像に合っているかどうかで、その方が活躍できるかどうかは大きく左右されると思うんです。他の会社では大活躍できる方でも、当社ではそうならないこともある。その逆も然りです。
もちろん、専門家としてのスキルや経験など客観的な要素も重要ではありますが、それ以上に「相性」が活躍の鍵を握っていると感じています。だからこそ、選考の場ではお互いに自然体で向き合い、本当にフィットするかどうかを確認しあうことを大切にしています。
山﨑:
会社との相性をこれほど大切にされているのは、すごく印象的ですね。
その中で、Visionalの法務メンバーとして働くことで得られる経験や、このポジションならではの魅力について、もう少し詳しく教えていただけますか?
小田氏:
自分が感じている魅力と、新しく入る方が感じる魅力が必ずしも一致しているか分からず、少し迷うところもあります。ただ、私が特に感じているのは、多様で奥深い成長機会が得られる環境です。
前職の法律事務所では、さまざまな業種のお客様と仕事ができ、多くの案件に携わることで、専門家として成長するには非常に良い環境でした。その観点から事業会社を見ると、1社の業務に絞られることで成長の幅が狭くなるのではないかという懸念がありました。しかし、実際にVisionalで働いてみて、それは杞憂でした。
Visionalは多岐にわたる事業を展開しており、それぞれが異なる業界・法律・規制に対応しています。
そのため、業界知識を学ぶだけでも大変で、検討すべき施策や法的論点も事業によって全く異なります。また、事業フェーズも新規のものから成熟したものまで幅広く、それに応じて法務としてのアプローチを柔軟に調整する必要があります。例えば、スピード重視の案件もあれば、慎重に検討を重ねる案件もあります。こうした多様性の中で、成長の幅が非常に広いと感じています。
さらに、M&A等をはじめ幅広い案件があり、法務として「これにチャレンジできない」といった領域がほとんど無いのも魅力です。少人数のチームなので、主体性を持って手を挙げれば、本当に幅広い経験が積めます。その反面、変化に対して抵抗がある方や受け身の方にとってはタフな環境かもしれません。あらゆる前提条件が目まぐるしく変わったり、一人で判断を求められる場面も多く、「拾わなければいけないボールが多い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、変化や挑戦を楽しめる方にとっては、これ以上ない成長環境だと思います。
また、事業のための法務に共感しているメンバーが集まっているので、とにかく人が良いんです。
法務室だけでなく、会社全体としても、社会課題を解決することに本気で取り組む人が多いので、コミュニケーションがオープンで気持ちが良いですね。働いていて嫌な思いをすることが本当に少ない会社だと感じています。
山﨑:
他の部署でも、そうしたカルチャーは一貫しているのでしょうか?
小田氏:
そのとおりです。似たような価値観を持つ人が自然と集まり、その人たちがさらに新しい仲間を募るので、結果的にカルチャーとして浸透しているのだと思います。
これは代表の南を中心に当社が創業当初から大事にしてきた価値観が強く影響していると思います。南自身、社会の課題をインターネットの力で解決するというミッションを掲げて事業を進めてきたので、その理念に共感した人たちが集まってきたのだと思います。そして、その思いを共有する仲間が新しい仲間を迎え入れ、自然と文化として根付いているのでしょうね。
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応募を検討している方へ
小田氏:
特に若手の方を中心に、当社がプライム上場したことで「安定的な大企業」という印象を持たれることがあります。それ自体は良い面もありますが、いわゆる「ザ・大企業」のような安定した環境を期待されると、少し違うかもしれません。面接を通じて、そのギャップを感じることもあります。
実際のところ、当社が事業として乗り越えなければならない課題や、それに伴ってバックオフィスに求められている役割は、5年前と本質的には変わっていません。ただ、取り組む事業のスケールが大きくなり、社会に与えるインパクトが増していることから、より大きく難しいことに取り組む必要が生じているという状況です。大手企業のように安定しているわけではなく、純粋なスタートアップのように小さな組織でもない、そういう意味では中途半端と見える部分もあるかもしれませんが、私自身は「いいとこ取りができる環境」だと感じています。
スタートアップならではのスピード感や裁量の大きさ、自由度、風通しの良さといった魅力をそのまま残しつつ、社会に大きな影響を与えられる規模感を持つ企業へと進化しています。それに加え、会社としての安定感も備えており、駆け出しのスタートアップでよくある「会社が潰れたら困る」といったリスクを心配する必要がありません。この適度な安心感を持ちながら働ける点も、人によっては大きな魅力ではないでしょうか。
さらに、当社は非常に刺激的な成長環境を提供しています。圧倒的な成長機会が得られるこの環境は、「スタートアップらしい挑戦の楽しさ」と「安定感」という両方の魅力を兼ね備えています。スピード感を楽しみながら自分を成長させたい、挑戦を厭わないハングリーな方に、ぜひ仲間になっていただきたいです!
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