【特許事務】未経験者のための転職マニュアル|職場選びのコツ・業界情報など
by LEGAL JOB BOARD 坂口
コンサルタント
こんにちは。特許事務の転職を支援する「リーガルジョブボード」の坂口です。
本記事では、「未経験者のための特許事務転職マニュアル」として、下記のような内容を解説します。
特許事務に関心を持っている方が、転職活動の第一歩を踏み出せるよう、必要な情報をまとめてお届けします。
ぜひご一読ください。
この記事の目次
特許事務はどんな仕事?魅力とやりがい
特許事務の転職についてお話しする前に、仕事内容ややりがい、働きやすさをお伝えします。
特許事務の仕事内容
特許事務は、特許に関する事務全般を行う職種で、主な職場は特許事務所です。弁理士・特許技術者と連携しながら、仕事を進めていきます。
具体的な仕事内容としては、
- 特許申請に必要な書類作成の補助
- 特許庁への書類提出(オンラン申請が主流)
- 特許申請に関するスケジュール管理
などがあります。
また、外国案件に携わる場合は、英文書類も扱うことになります。そのため、一般的な事務スキルに加えて、英語力がある方は歓迎されやすいです。
あわせて読みたい記事
特許事務のやりがい
特許事務は、知財(知的財産)にかかわる職種の一つです。
知的財産とは、知的活動によって生み出されたアイデアや発明、デザインなどの財産的な価値を持つものを指します。新しい商品や技術を発明したとき、そのアイデアを守るためにあるのが「知的財産権」です。
特許事務は専門性の高い仕事を通して、知財業界や国内外の技術・産業の発展の一端を担うことができます。
また、知財関連の知識や実務経験を身につけられるほか、英語力を活かして働くこともでき、キャリア形成の観点からも魅力的な職種です。
特許事務の働きやすさは?
特許事務として働く方の8〜9割ほどは女性であり、育児と両立されている方も多くいらっしゃいます。
リーガルジョブマガジンが2024年8月に行った調査では、91名中71名の特許事務が「在宅勤務の制度がある」と回答しており、業界的に在宅勤務が定着していることがわかります。
また、同調査では、回答者の半数以上がフレックス勤務制が利用できる環境で働いていました。
残業についても、全くない方が一定数いるほか、月20時間未満にあてはまる方がほとんどです。
あわせて読みたい記事
特許事務への転職ステップ・求められるスキル
未経験から特許事務に転職するにあたり、求められるスキルなどを解説します。
未経験者が身につけるべき基礎知識は?
特許事務として働くにあたり、知財や特許関連の知識や用語、権利化までの流れ、業務にかかわる法律・ルールなどの専門的な知識が必要になります。
ただし、多くの特許事務の方は、知財業界・職種未経験からスタートするため、働きながら実践的に知識を身につけていくケースがほとんどです。
そのため、選考の時点で専門知識を求められることは基本的にありません。未経験の方は、このあと解説するスキルの方が重視される傾向にあります。
未経験から特許事務への転職で求められるスキル
未経験から特許事務への転職では、主に下記のスキル・条件が求められる傾向にあります。
- 英語力がある
- 事務処理能力がある
特許事務の業務の中でも、外国事務(内外事務・外内事務)を担当する場合、英語力が求められます。外国事務は、現地代理人とのコレポン業務(英文レターのやり取り等)などが発生します。
事務経験が必須か否かは事務所によって異なりますが、経験があればアピールポイントになるでしょう。
また、特許事務は期限管理や書類チェック、請求書作成など、正確性が求められる業務が多くあるため、慎重にミスなく業務を行える方も歓迎されやすいです。
あわせて読みたい記事
応募書類でアピールすべきポイント
履歴書や職務経歴書では、これまでの経験やスキルを特許事務としてどう活かせるかを伝えることが重要です。
事務職の経験がある方は、その経験と絡めて、事務処理能力の高さや正確性をアピールしましょう。事務システムやOfficeを中心としたソフトの使用経験もあれば、記載すると良いでしょう。
他にも、英語を使った実務経験などもアピールポイントとなります。英語関連では、TOEICスコア(700点以上だと歓迎されやすい)、英検(準1級以上だと歓迎されやすい)なども、該当する方はぜひ記載してください。
あわせて読みたい記事
特許事務の求人探し・職場選びのコツ
実際に特許事務の求人を探したり、職場を選んだりする上で、知っておいていただきたいポイントを解説します。
求人探しのコツは?
まず、特許事務の主な職場は特許事務所です。一般的な求人サイトを使用する場合は、職種や職場の種類で絞り込んだ上で求人を探すことをおすすめします。
事務とはいえ、知財にかかわる専門的な仕事ですので、リーガルジョブボードなどの特許事務に特化した求人サイトを利用するのも良いでしょう。
リーガルジョブボードであれば、「未経験歓迎」や「研修制度あり」といった条件でフィルターをかけることもできるので、自分に合った求人を見つけやすくなります。
募集要項で確認しておきたいこと
未経験から特許事務に転職する場合、業務内容や研修・サポート体制、職場の雰囲気などをしっかり確認することが重要です。
特許事務の詳しい業務内容や業務範囲は、事務所によって異なります。特許事務の業務を一貫して担当するケースもあれば、案件の種類や業務に応じて分業されているケースもあるので、要確認です。
また、未経験であれば、研修・サポート体制が整っているか、業務マニュアルは用意されていそうかなども、確認しておくことを推奨します。
身につけたいスキルや自身の希望に応じて、自分に合った事務所を探すことが、転職後のミスマッチを防ぐことにつながります。
キャリアアドバイザーに相談してみる
特許事務に特化したキャリアアドバイザーを利用するのも、未経験からの転職では非常に効果的です。
知財業界・特許事務所に精通した専門のアドバイザーであれば、求人選定だけでなく、
- 職場の口コミ・雰囲気などの共有
- 内定に近づく応募書類の添削
- 面接や採用試験に関する情報提供
など、特に未経験の方が不安を感じやすい部分で、手厚いサポートを受けられます。
転職活動に疑問・不安のある方や、相談したいことがある方は、利用を検討されてはいかがでしょうか。
特許事務への転職でよくある質問(業界知識)
特許事務への転職に関して、よくある質問をまとめました。
未経験から特許事務に転職した場合、年収はどれくらいですか?
未経験から特許事務に転職した場合、年収300〜350万円前後からスタートすることが多いです。
特許事務の年収は、経験年数が長くなるほど上昇する傾向にあります。大まかな目安として、実務経験5年で年収350万円程度、10年で年収400万円程度です。
あわせて読みたい記事
英語・事務関連の他に、必要なスキルはありますか?
特許事務は、弁理士やクライアントとのやり取りが多いため、コミュニケーションを円滑に行うスキルが求められます。
また、複数の案件を同時並行で進めるのが一般的なので、調整力やマルチタスク能力も必要です。
必要スキルではありませんが、「知的財産管理技能検定」などの知財に関する資格があると、評価されるケースもあります。
特許事務の仕事に繁忙期はありますか?
特許事務の主な職場である特許事務所は、年度末が繁忙期となります。
理由として、クライアントである企業が予算の関係で、特許事務所にまとめて案件を依頼することが多いためです。
そのため、2〜3月頃が繁忙期となります。事務所によっては、1月中から多忙になることもあります。
特許事務の仕事に将来性はありますか?
特許事務が身を置く知財業界は、知的活動によって新しい技術やアイデアなどが生まれ、それらを保護・活用する動きがある以上、そう簡単に衰退することはないでしょう。
近年の特許出願件数も、日本国内・世界ともに安定しており、特許事務所の仕事が急に激減する心配はないとされています。
一方で、AIが台頭する時代に特許事務として活躍し続けるためには、幅広い業務経験を積む、電子化・効率化を推進できる人材になるなど、市場価値を高めたいところです。
あわせて読みたい記事
特許事務の求人・転職情報をチェックする
知財業界に特化した転職サイト「リーガルジョブボード」には、特許事務の求人が豊富に掲載されています。
未経験歓迎の求人も取り揃えていますので、ぜひ一度ご覧ください。
希望に沿った求人、自分が応募できる求人のみを効率よく知りたい方は、キャリアアドバイザーが求人を選定いたします。
あわせて読みたい記事
▼リーガルジョブマガジンとは
特許事務の転職・キャリアに関するお役立ち情報や、業界知識・動向、インタビュー記事などを発信するメディアです。
記事一覧を見る