土地家屋調査士の独立開業するメリットや成功させる4つのポイント
by LEGAL JOB BOARD 稲田
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の稲田です。
今回は、土地家屋調査士が独立する方法や準備資金・独立のメリットおよびデメリットなど、調査士の独立を網羅的に解説します。
独立を検討している方や調査士の資格取得を目指している方は、本記事を読むことで独立に関する具体的なイメージが膨らむはずです。
ちなみに最近では、独立を歓迎している土地家屋調査士事務所もいくつかあります。独立歓迎の事務所では、独立に必要な知識や経験が積める」のがメリット。
もし独立歓迎の調査士事務所の求人紹介を受けたい場合は、お気軽にご連絡ください。
この記事の目次
土地家屋調査士は独立開業しやすい
土地家屋調査士は独立開業しやすい職種と言えます。
弊社リーガルジョブボードにご登録いただいた土地家屋調査士は「いずれは独立したい。」「独立するために、経験を積めるような事務所に就職したい。」という方が多い印象です。
実際、土地家屋調査士は資格取得後すぐ開業することも可能です。
しかし、現実は業務を覚えたりコネクションを作るため、数年土地家屋調査士事務所で勤務して経験を積んだのち独立することが一般的です。
もともと資格を取る前に、土地家屋調査士事務所で土地家屋調査士補助者として経験を積み案件受注の目途が立っており、開業資金を用意できるのであれば、資格取得後すぐの開業が可能です。
独立に失敗しても影響は少ない
開業後、失敗した土地家屋調査士の方から「一度独立をして失敗すると再就職は厳しいですか?」と質問をいただくことがありますが、そのことで転職ができないということはありません。
失敗したことで営業力がないと判断する事務所があるのは事実ですが、そもそも勤務土地家屋調査士が求められるのは営業力よりも技術力です。
寧ろ技術力がないと開業が難しいため、独立を経験できた「技術や経験がある」と考えられます。
もしも、失敗したとしてもそれが大きなマイナスになることはありませんので、ご安心ください。
土地家屋調査士として独立開業するまでの流れ
土地家屋調査士が開業するために必要なこと、流れは下記の通りです。
- 試験に合格する
- 日本土地家屋調査会士連合会に登録、及び、土地家屋調査士会に入会
- 開業届を提出
まずは、土地家屋調査士試験に合格しなければ土地家屋調査士として看板を出すことはできません。土地家屋調査士資格は難関資格の一種といわれており合格率は例年8~9%の間で推移しています。
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そして試験に合格後、「土地家屋調査士」として働くためには日本土地家屋調査士会連合会に登録し、開業する地域の土地家屋調査士会に入会する必要があります。
その後、開業届を出すことで、正式に土地家屋調査士事務所を開業することができます。
開業しようと思えば合格後に必要な手続きさえ終わらせれば即独立は可能ですが、多くの方は試験合格後や合格前に、就職をして勤務土地家屋調査士として経験を積んでから独立をします。
開業までにかかる費用と開業後のコスト
開業に必要な費用ですが、土地家屋調査士事務所の開業資金の目安は約300~400万程度といわれております。
日本土地家屋調査士会連合会への登録手数料や会費、入会金以外に下記のようなコストが必要とです。
- 作業用具一式 30万円(ミラー、ダブルスコップ、ピンボール、コンクリー
- 杭、金属標、鋲、ドリル、ハンマーなどが)
- CADソフト 100万円
- トータルステーション 150万円
- プリンター複合機 30万円
- 現場用の車両 50~100万円
開業には高額な費用が掛かってきますので、軌道に乗るまでは機材はリースをしておくという方もいらっしゃいます。
機材をリースしたとしても、事務所の家賃などコストはかさみますので独立を考えている方はある程度の資金を用意できる目途をつけておきましょう。
土地家屋調査士として独立開業した場合の年収
土地家屋調査士の平均年収は、土地家屋調査士会連合会からは正式なデータは出ておりません。
そのため、弊社リーガルジョブボードで転職のご相談を受けた土地家屋調査士のデータですが、年収は約350万円からスタートをし、多い方だと約700~800万になります。
しかし、あくまでもこのデータは土地家屋調査士全体のものなので、独立開業した場合の年収はなかなか出すことができないのが現状です。
ただ自分の裁量で仕事ができますので、活躍次第で年収1,000万円以上と高収入を得ている先生もいらっしゃいます。
従業員という立場ですと、なかなか年収1,000万円を超えることは難しいですが、独立開業をすれば自分の裁量次第で高収入を目指すことができるのが魅力の一つでしょう。
開業した後であれば、案件の受注量、報酬額などを自分でコントロールすることができます。
土地家屋調査士の独立時の注意点
土地家屋調査士が独立するとき、注意していただきたいことがあります。
下記で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
受注の目途がどのくらいついているのかチェック
開業を失敗する一番の原因は「案件がなくなったから」「思ったように案件の受注ができなくなったから」です。
そのため、独立前に受注の目途がどのくらいついているのか、また案件を受注してくれる人脈はあるのかをしっかり見定めましょう。
まずは勤務時代から不動産会社や建設会社、他の土地家屋調査士と関係を築いておきましょう。
人材の確保や仕事を願いできる先はあるのか
測量業務は一人で行うことは難しく、人員確保も開業を目指す土地家屋調査士には重要です。
また困ったときに相談できる先があるのか、仕事を手伝ってもらえる事務所はあるのかなどの人脈も大切。
1人で開業は難しいと考える方は、同じ土地家屋調査士や司法書士など業務が近しいところにある職種の人と会社を作るという方もいらっしゃいます。
上記の案件の受注目途と同様、横のつながりが強い業界ですので、人脈を広げ深めておくことはとても重要な要素の一つです。
土地家屋調査士が独立するメリット
下記では土地家屋調査士の独立するメリットをお話ししていきます。
高収入が目指せる
一番のメリットは高収入を目指せるといった点です。
上記でもお話しした通り、勤務している土地家屋調査士の年収は高くて700~800万円程度ですが、独立することで年収1,000万円超えの土地家屋調査士もいらっしゃいます。
自分の裁量で働けるので、案件を受注できなければ勤務時代より給与が下がってしまう可能性がある反面、頑張り次第で給与をアップさせることができます。
将来性のある職種
表示に関する登記は土地家屋調査士しか行えない独占業務です。法律により義務づけられているため、いかに技術やAIが発達しても今後も登記と土地家屋調査士の仕事が無くなることはありません。
登記という制度は不動産取引において確立された分野のため、他の制度や資格によってとって代わられるというのは考えにくいです。
また、業界全体で高齢化が進んでおり、これから資格を取る若手の土地家屋調査士が参入する余地も十分にあります。
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土地家屋調査士が独立するデメリット
続いて、土地家屋調査士で独立するデメリットを解説していきます。
案件受注が自分の営業力にかかってくる
先ほどの高収入を目指せるというメリットの言葉を返せば、「自分の営業力次第で、高収入にも低収入にもなりえる」ということです。
勤務時代はさほど営業力を求められることはありませんが、独立後は自分の営業力が収益に直結します。
社会的信用度の高い土地家屋調査士ですが、開業して待っているだけで依頼が来るということはありません。
どれだけ案件の見込みを作って開業をした土地家屋調査士でも、軌道に乗せるのはなかなか大変です。
そして軌道に乗っていても、継続して案件ももらっているところから急に仕事が来なくなったという話もよく耳にします。
根気強く営業をし続け、事務所や雇用を守らなければならないのがデメリットと感じる人も多いでしょう。
景気に左右されやすい
土地家屋調査士は景気の影響を受けやすい職種です。
好景気であれば住宅の建築や公共工事が増えますので、表題登記や測量の依頼が自然と増加します。しかし、不景気であれば特に不動産取引は減少していきます。
独立して経営者になった場合、不景気だからといって従業員の給与を減額するわけにはいきませんし、毎月の維持費は売り上げに関係なくかかってきます。
そのため、景気によって案件が減少すると売上や利益は減り、大きなプレッシャーに感じることもあるでしょう。
独立開業して成功するために必要なこととポイント
では独立開業して成功するためには何が必要なのでしょうか。下記では、独立開業するために必要なことやポイントをお話ししていきます。
就職して実務経験を積む
まずは就職をして実務経験を積みます。なぜかというと測量技術がなければ、自身が中心になって現場を引っ張ることができないからです。
実際は、土地家屋調査士資格に合格すれば開業をできますが、実際に仕事をこなすためには専門知識とスキルが重要です。
また、仮に開業に失敗し勤務土地家調査士として再就職するためにも土地家屋調査士事務所での勤務経験は重要なポイントです。
開業後したからといってすぐに案件を受注できるわけではありませんので、勤務しながら人脈を作っていくのもとても重要です。
もし資格取得後はすぐに開業したいと考えている方は、土地家屋調査士補助者として土地家屋調査士事務所で働きながら資格取得を目指す方法もおすすめしています。
弊社リーガルジョブボードでは、土地家屋調査士だけではなく土地家屋調査士補助者の求人も数多く取り扱っておりますので、ぜひご相談ください。
相談できる先輩や同期合格者との繋がりを持つ
個人事業主になると、業務以外にも経験したことのないトラブルが発生するケースがあります。
職場に上司にあたる人はいませんので、一人で悩んでしまい大変な思いをすることがありますが、相談できる先輩や同期との繋がりがあれば非常に心強いです。
前職で働いた事務所の先輩や、同期などと関係を作っておき情報交換や相談をできるようにしておくとよいでしょう。
また、仕事を手伝い・手伝ってもらう関係性にしておくと今後独立していく上でいいビジネスパートナーとなります。
独立前に人脈を広げておく
仕事を請け負うにあたっても、人脈を広げる必要があります。
例えば税理士など他業種の方から仕事が来るケースもありますし、法人企業・役所・他事務所の人など、積極的に関わっておきましょう。
また、業界的に「土地家屋調査士と司法書士」など、他業種と会社を立ち上げるのがトレンドになっています。
1人で独立するのは向いてないかなと感じている方は、司法書士や税理士などの職種と開業をするのもいいでしょう。
ダブルライセンスは開業の際に有利
ダブルライセンスは開業に非常に便利です。それは、土地家屋調査士だけではなくその他のスキルを持っているアピールにつながり付加価値をつけることができるためです。
また、調査士に関わるような業務をに担う業種の資格であればワンストップのサービスが提供できたりするので、クライアントから喜ばれます。
例えば、下記のような2職種です。
❶司法書士…「表示に関する登記」と「権利に関する登記」と違いはありますが、共通点は多くあります。ダブルライセンスでよりクライアントから信頼される『土地や建物の登記に関するスペシャリスト』になれます。
❷行政書士…土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスを取得することで、農地転用の農業委員会への届出や許可申請をワンストップで請け負えます。比較的取得しやすいとも言われていますので、チャレンジしやすいというのも魅力です。
開業に向けた転職は、LJBにご相談ください
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また、これから土地家屋調査士資格を取得して独立したいと考えている方もぜひご相談ください。
将来的に開業したいと考えているのであれば、資格を取得してから経験を積んで人脈を作ることも可能ですが、土地家屋調査士補助者として働きながら資格取得を目指す方法もございます。
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