土地家屋調査士

【令和5年 土地家屋調査士試験】良い就職先に辿り着ける!合格後の動きや就職・転職活動を解説

by LEGAL JOB BOARD 櫻木

コンサルタント

担当職種:
  • 土地家屋調査士

こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の櫻木です。

土地家屋調査士試験合格後に何をすればいいのか迷わないように、合格後のスケジュールをまとめています。

本記事の内容は下記の通りです。

  • 合格後の流れ
  • 合格後の就職活動のベストタイミング
  • 土地家屋調査士事務所の選び方
  • 即独立は可能なのか

合格後は土地家屋調査士会への登録や新人研修でバタバタとしますが、未経験でも応募可能な求人も多くなるタイミングです。合格後スムーズに土地家屋調査士としてのキャリアを歩むためにぜひ参考にしてください。

土地家屋調査士合格後の流れ

土地家屋調査士試験、合格後のスケジュールは下記のようになります。

2月16日 最終合格発表
2~3月 合格証交付式
3月から 土地家屋調査士会に登録・入会する
6月ごろ 新人研修

土地家屋調査士の試験に合格したからといって、すぐに土地家屋調査士として働くことはできません。

「合格証交付式」「土地家屋調査士会への登録」「新人研修」、この3つは必須となります。

下記では、この3つについて解説していきます。

合格証交付式に出席する

2月の最終合格発表後、まず行うのは合格証を交付してもらうため「合格証交付式」に出席します。

例年合格証交付式は、最終合格発表から大体10日後程度で行われています。

この合格証は郵送の対応は行っていないので、参加が原則ですが、申し出をすれば法務局での受け取りなどの対応をしてくれます。

交付式は30分程度で、式の後には土地家屋調査士会の先輩調査士の方から今後についてのアドバイスなどのお話がある場合もございます。

同期や先輩方との繋がりも出来ますので、出来る限り参加できるのがいいでしょう。

土地家屋調査士会に登録・入会する

土地家屋調査士として働くためには、土地家屋調査士会の登録・入会が必要です。

土地家屋調査士法の第三章の第八条にも登録する必要があると記載されています。

【第三章 登録】
(土地家屋調査士名簿の登録)
第八条 調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会(以下「調査士会連合会」という。)に備える土地家屋調査士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する土地家屋調査士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 土地家屋調査士名簿の登録は、調査士会連合会が行う。

引用:土地家屋調査士法

【登録・入会の流れ】

①必要な書類に記入を済ませる

▼登録手続きに必要な物
  • 登録申請書(3通、30,000円の収入印紙)
  • 写真(5枚)
  • 履歴書(2通)
  • 資格を証する書面(1通、合格証書)
  • 身分証明書(2通)
  • 誓約書(2通)
  • 戸籍抄本(2通)
  • 住民票(2通)
▼入会手続きに必要な物
  • 印鑑届(1通)
  • 入会届(2通)
引用:土地家屋調査士 会則

②登録する土地家屋調査士会に事前連絡する

書類を提出する日は指定がありません。自身で各都道府県の調査士会に連絡をしてアポイントをとりましょう。

③土地家屋調査士会に書類を提出

アポイントの日時に調査士会へ向かいます。提出書類は不備の内容に確認しておきましょう。
時間がある方は、これからお世話になる調査士会なのであいさつをしておくといいです。

④登録完了の連絡を待つ

あとは、調査士会から登録完了の連絡を待ちます。
だいたい10日前後で登録が完了することが多く、資格を取得し土地家屋調査士と名乗れるのは合格から少し先です。

【登録・入会などにかかる初期費用】

登録・入会などにかかる初期費用は計157,000円です。その内訳は下記の通りです。

  • 登録手数料 25,000円
  • 入会金 50,000円
  • 会館維持管理資金 50,000円
  • 名札プレート 2,000円
  • 登録申請書費用 30,000円

新人研修を受ける

続いて新人研修についてです。新人研修の目的は下記の通りと実施要項に記載があります。

日本土地家屋調査士会連合会は、土地家屋調査士としての道を歩み始めた新入会員、新人 研修未修了者の皆様を対象に、土地家屋調査士としての必要な心構えと基礎知識を習得して もらうための新人研修を実施します。

土地家屋調査士は、市民の要請と期待に応えるため、常に自己研鑽を続け、自身の資質向 上と業務についての専門知識を深めるために研修を受けなければなりません。新人研修はそ の第一歩です。

引用:令和 5 年度土地家屋調査士新人研修 実施要項

新人研修は基礎知識の習得だけではなく、これから土地家屋調査士として働く上での心構えなども学びます。

令和5年度の新人研修スケジュール

令和5年度の新人研修の日程は下記の通りです。

▼日程
<東京会場:KFC Hall & Rooms(東京都墨田区横網一丁目6番1号)>
令和5年10月22日(日)午後1時開始
令和5年10月23日(月)午後3時20分終了

<大阪会場:ホテルフクラシア大阪ベイ(大阪府大阪市住之江区南港北1-7-50)>
令和6年2月18日(日)午後1時開始
令和6年2月19日(月)午後3時20分終了
※都合により、開始及び終了の時刻が変更となる場合があります。

<eラーニング>
上記の研修にプラスして、講義の一部については、eラーニングで実施予定

引用:令和5年度土地家屋調査士新人研修の実施について

土地家屋調査士に関するイベントや体験に参加することもおすすめ

「合格証交付式」「土地家屋調査士会への登録」「新人研修」とは違い必須ではありませんが、有志の団体や企業が開催しているイベントや体験に参加することもおすすめです。

例えば東京青調会が主催している測量体験や交流会、弊社が開催している事務所インターン(今年度は終了)などです。

ちなみに、現在募集中のイベントもございますのでぜひご覧ください。

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土地家屋調査士専任転職エージェント 櫻木
土地家屋調査士は横の繋がりが大切になる場面もありますので、そういったイベントに参加して他の土地家屋調査士と交流を深めておくことはとても大事です。

合格後の就職活動のベストタイミング

つづいて、合格後のベストな就職・転職活動のタイミングを解説していきます。

合格後は土地家屋調査士として働ける事務所へ入社を目指す方も多いかと思います。

実は、未経験の方とすでに土地家屋調査士補助者として実務経験を積んでいる方とでは、転職事情が変わってきます。

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下記ではそれぞれのパターンに分け、ベストな就職・転職のタイミングをお話ししていきます。

実務経験がない方

実務経験がない方は、できる限り土地家屋調査士試験の最終合格発表からすぐに動き出し、4月頃入社を目指すのがベストです

何故かというと、合格発表後は採用側が優秀な合格者を獲得したいという意図から、「未経験でも応募可能」「合格者歓迎」といった求人を出すことが多いためです。

注意点として、転職活動を始めても現職との関係などで、入社時期が半年以上先などかなり遅い場合は選考を断られるケースもあります。

自身の転職時期と相談しながら就職・転職活動を進めましょう。

なかなかうまくスケジュールが回らないという方は、ぜひ転職エージェントを活用してください。都度相談し、面接や入社のタイミングの調整のお手伝いもさせていただきます。

実務経験がある方

実は、実務経験がある方はタイミング関係なく、どの時期も転職がしやすい傾向があります。

それは業界全体が人手不足なため、実務経験者(確定測量が一人前に行える)は常に事務所から必要な人材とされ、重宝されるためです。

ですので合格後に急いで転職活動をする必要はありません。現在の職場でそのまま経験を積んでもいいですし、違う事務所で経験を積みたいなどと感じた時に転職活動を始めてもよいでしょう。

ただ業界歴が長い方、一つの事務所に勤務している年数が長い方は、これを機に環境を変えて見るという手もあります。

「他の事務所ってどんな感じかな?」「自分は適正な年収をもらってるのかな?」など、気になっていることがある方は、転職活動を始める前にぜひ転職エージェントに相談してみてください。

今の事務所にとどまった場合、転職をした場合などいろいろなケースでお話をさせていただきます。

土地家屋調査士事務所の選び方

いざ転職をしようと思った時、何より重要なのはどの土地家屋調査士事務所に応募するのかです。

スムーズな事務所の選び方をする方法は下記の通りです。

まずは自己分析

まず、自身が将来どのような土地家屋調査士になりたいのかを考えましょう。

例えば

  • 独立をしたいのかどうか、独立するなら何年後にしたいのか
  • どのような業務(土地や建物、開発等)からどのような順番で覚えていきたいのか
  • 勤務土地家屋調査士として活躍するのなら何を大事にするのか(収入・ワークライフバランスなど)

などです。上記の問いを切り口に、より深掘りをしていくことで自己分析ができていきます。

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そういった自己分析をして、自分が働く上で大事にしていることを洗い出し、勤務先を選ぶことがとても重要です。

下記の記事では土地家屋調査士の勤務先にはどういうものがあるのか、またその勤務先の特徴と向いている人についてを解説しています。

ぜひ、事務所探しのヒントにしてください。

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土地家屋調査士業務の種類

土地家屋調査士の業務は、土地/建物/開発/再開発と様々ですが、土地業務をメインとしている事務所が8割ほどになります。

また、すべての基本は土地業務につながることから未経験の方は土地業務を学べる事務所がおすすめです。土地業務をしっかり経験しておくことで、次の転職時でもスキルが評価されます。

すでに実務経験を積まれている方は自身の興味のある業務やスキルとして、身につけたい業務などで事務所を選ぶのもいいでしょう。

土地家屋調査士法人と個人事務所の働き方の違い

同じ事務所といっても、大手法人と個人事務所など勤務先の違いで身に着くスキルや働き方は変わってきます。

<大手法人の場合>
メリット:収入が安定しており、分業制で部門ごとに分かれている傾向があるので担当業務の専門性が高まります。
デメリット:業務範囲が狭くなる傾向があったり、人数も多いため昇級に時間がかかることも少なくありません。

<個人事務所の場合>
メリット:「一人で全ての業務に携わることができる」体制であることから成長速度が速く、経験を積むことで転職活動で有利になります。
デメリット:大手法人に比べると不安定で人手不足で忙しい傾向が強いです。

そのため、自身に合うのはどういった規模の事務所なのかを見極めるのは非常に重要です。

下記では規模別に各事務所がどのような特徴を持っているのかなどを解説しております・

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代表の人柄もチェック

ここまで業務内容や事務所形態の違いを説明してきましたが、就職転職において中でも重要視したいのは、代表との相性です。

一般企業と違い、人数は1人〜15名ほどと少ないため、コミュニティは狭くなりがちです。

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一般企業もそれぞれの色があるように事務所も代表の人柄や方針によっては、雰囲気や方向性が大きく異なります。

業務内容や事務所形態、通勤アクセスや年収だけにとらわれずに、この点も重要視しておきましょう。

即独は可能なのか?

大変なことも多いですが、合格後、すぐに独立することは可能です。

独立を成功させるためには下記が必要です。

  • 案件を継続的に受注できる見込みはあるのか
  • 経営を行うことができる知識があるか
  • 測量機器やCADソフトなど業務を行うための資金が潤沢かどうか
  • 土地家屋調査士としての一通りの技術が備わっているのか

このような条件をクリアしていないと、開業後成功するのは難しいといえます。

こちらの記事では土地家屋調査士が独立開業するメリットや成功させるポイントをお話ししています。

ぜひ参考にしてください。

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就職・転職はリサーチが重要

ここまでは、自己分析をして自分の希望を明確にするようにお話ししてきましたが、次に大切になってくるのは求人のリサーチです。

どんな事務所の求人が出ているのかも重要ですが、自分が希望している事務所がどんな事務所かを調べる必要もあります。

それは、求人票をみただけでは事務所の雰囲気や働きやすさといった部分は見えてこないからです。

実際、リサーチをあまりせず下記のような失敗をしてしまった、というお話をご紹介します。

今住んでいる家から一番近いというだけで選んだら、とんでもないブラック事務所だった。長時間の残業が続いたのに残業代が支払われずトラブルになった。
面接時にあなたの希望を叶えるよと言われて入った。しかし、なかなか希望の業務をさせてもらえず、数年まったく違う業務をさせられて時間が無駄になったと感じた。
面接時に提示された給与額と実際に振り込まれる給与が違った。

こういった部分は入ってみないとわからないということもありますが、できるだけ避けたいですよね。

なので、口コミや同期などから情報を集めてできるだけ当たらないように気をつけましょう。

土地家屋調査士業界は、近年働きやすい事務所が増えてはきましたが、一昔前は残業が多いなどの働く環境が整っていない側面があった業界です。

その名残で未だにそういった部分が整備されていない事務所も残っているのが現状です。

そういったトラブルを避けるためにも、下記の記事では、ブラック事務所に当たらないためのポイントと、こういった業界の背景から「土地家屋調査士はやめておけ」と言われる理由とそれを改善できる方法をまとめていますので、ぜひご覧ください。

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土地家屋調査士の転職はエージェントの活用がおすすめ

土地家屋調査士試験に合格すると土地家屋調査士事務所に就職・転職を考える方が増えてくるかと思います。

土地家屋調査士としてのキャリアをスタートさせる事務所選びはとても重要です。

しかし、自身で情報を集めていても業界自体の情報が少なくなかなか思ったようにリサーチが進まないという方も多いようです。

そんな方はぜひ弊社リーガルジョブボードの転職エージェントにご相談ください。土地家屋調査士専任の転職エージェントが日々の転職支援の中で集めた情報をお伝えいたします。

転職エージェントに相談すると情報を集めることができるだけではなく、下記のようなメリットもあります。

  • 職歴や保有資格、スキルをお伺いし、あなたに合った求人をご紹介
  • 当日を想定した面接対策、応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削
  • 自分は土地家屋調査士に向いているのかなどざっくばらんなキャリア相談

このようなサービスを利用していただくことで、内定率をアップさせることができます。

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弊社リーガルジョブボードでは、私のような土地家屋調査士に特化した専任の転職エージェントが複数いますので、より具体的なキャリアの提案ができます。

土地家屋調査士の転職は、ぜひリーガルジョブボードにお気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 櫻木

コンサルタント

担当職種:
  • 土地家屋調査士

リーガルジョブボードの土地家屋調査士専門の転職エージェント。業界的にまだまだ見えない部分が多く、なかなか本当に欲しい情報がなかなか手に入らないといったお声をいただきます。 そんな土地家屋調査士やこれから測量業界を目指したい方へ向け、正確でリアルな情報をお届けいたします。

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