
登記の数ではなく、仕事の質で語るプロフェッショナルに。| 司法書士ALBA総合事務所 代表インタビュー

by LEGAL JOB BOARD 篠原
キャリアアドバイザー
- 担当職種:

都内に数多ある司法書士事務所の中でも、他事務所が扱わない複雑で難解な案件を強みとする司法書士ALBA総合事務所。
今回は、代表である永田先生にインタビューを行いました。
「司法書士の仕事は登記だけではない」
「ディベートこそが司法書士のあるべき姿」
そう語る永田先生の信念・経営戦略に迫ります。
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この記事の目次
大学卒業後すぐに司法書士人生をスタート。独立するまでの8年間。

福岡出身で大学進学と同時に上京、大学4年生の時に司法書士の勉強を始め、その翌年に合格しました。
司法書士を目指したきっかけは、周りが就職活動を始めたタイミングで「自分も本当に企業で働くのか…?」と思い始めたことからでした。
法学部で法律を学んでいたので司法書士の道も自然と選択肢に入っていたこともあり、また、大学で良い先生との出会いがあったことも、司法書士になることを決断できた1つの理由です。
篠原:とは言え、周りは就職活動真っ只中。不安や迷いはなかったのでしょうか?
永田先生:不思議とそういった気持ちはなかったですね。
幼少期から周囲に独立している人が多い環境で育ったこともあり、いずれは自分で商売をしたい、そして法律に関わる仕事がしたいと思っていました。
思い返せば、企業に就職する道を選ぶ方が、私にとっては違和感があったのかもしれません。
篠原:在学中に試験勉強を開始され、2年で合格。司法書士になってからはどんな経験を積まれたのですか?

その事務所は渉外関係の仕事がメインで、同期が1人で決済にいっているのを横目に見ながら、私は事務所内での書類作成をしていました。
今振り返ると、社会人経験のないまま24歳で資格を取った当時の私にとっては、そうした書類作成を通して様々な案件に触れ、また社会人としての基礎を学べたことは非常にありがたい経験でした。
辛い経験もありましたが、周りよりも少し早くこの司法書士という仕事を始められて良かったです。
その後歩合制の事務所に転職をし4年半ほど勤務。自分でも初めて営業をし、お客さんの目線に立って仕事を進められて大変貴重な経験を積むことができました。
そして、32歳の時に独立をして現在に至ります。

篠原:司法書士になってから8年ほどで独立されたんですね。そのタイミングで独立されたのは何かきっかけがあったのですか?
永田先生:司法書士になってから6年、30歳くらいの時に独立を意識し始めました。
自分一人で仕事ができるようになり、自立し始めてから司法書士の仕事を非常に楽しいと感じるようになったんです。
「好きこそ物の上手なれ」の言葉の通り、仕事を楽しめるようになってからはどんどん一人で仕事をこなせるようになり、同時に自信が付いてきて。
その頃から具体的に独立を考えていました。
大手とは一線を画す「実力集団」を目指し、高付加価値を提供する経営戦略。


そもそも司法書士になった時から、「司法書士は、高度な法律サービスを通して顧客・社会の幸せを実現する仕事」だと考えていました。
司法書士はどうしても登記だけに目が向きがちですが、お客様の悩みは多くの場合登記だけではないですよね?
例えば組織再編に関する商業登記のご相談があったとして、その背景には経営・組織課題など、依頼者の本質的な悩みがある。
そういった依頼の背景にある課題や悩みまでを一貫してご相談いただけるプロフェッショナルこそが、司法書士の本来あるべき姿だと考えています。
篠原:そういった姿勢が、他の事務所では扱わないような難易度の高い案件を得意とする今の体制に繋がったと?
永田先生:はい。
登記だけに留まらず、純粋にお客様の課題解決や要望を叶えることを第一としています。
例えば融資・税金・経営などの司法書士の専門から外れた領域のアドバイス・コンサルティングも、商業登記のご相談と同時に求められることもあります。

お客様のそういった広い領域の要望に応えるためには、勉強し知識を増やし続けなければなりません。
しかしそういった環境が社員や私自身の成長にも繋がっていますし、弊所の業務を通して社員はもちろん司法書士業界全体を高いレベルに引き上げることに繋がればと思っています。

大手との差別化や案件確保についてはどう考えていますか?

前提として全く異なる経営戦略のもと事務所経営をしており、それぞれにメリット・デメリットがあるので大手を否定する訳ではありません。どんな仕事の仕方が自分に合うかで選ぶことが大切だとも思っています。
しかし大手の寡占化が進む中で、業界全体として「司法書士の仕事に効率化ばかりが求められるようになってきているのではないか」と、どこか寂しさと焦りを感じていることは事実です。
本来司法書士とは、法律の知識で顧客の課題を解決するプロフェッショナルであるべきで、その介在価値はこなした依頼の量ではなく、仕事の質にあるのではないでしょうか?
私たちは効率化だけを良しとせず、むしろ手間をかけ時間をかけお客様の課題を解決することを最も大切にしています。
それが司法書士の真の実力を付けることに繋がりますし、仕事は後から付いてくるものです。
我々法律家は、どこまでいってもプロフェッショナルであるべき。
仕事の質を高め、実力を磨き、それを売りにして仕事を取っていく「司法書士のあるべき姿」にどこまでもチャレンジしていきたいと思っています。



法務局に照会しても分からないこともあるので、毎日所内で納得できるまで話し合いをしています。

永田先生:ALBAでは、毎日現場で自然発生的にディベートが行なわれています。
過去に事例がないことや、想像しなかったことが毎日のように起こり、それは法務局に照会しても答えをもらえるものではありません。
なので、全員で話し合って「これだったら通るのではないか」と納得感を持った事務所としての答えを出すようにしています。
ルーティーンワークばかりの事務所に比べて、立ち止まって考えなければならない案件が多い弊所だからこそ起こり得るものでもあり、これこそがプロフェッショナルである「司法書士らしい姿」だと思います。
また常に考えながら働くことが、比較的早いスピードでのスキルアップにも繋がっていますね。
篠原:永田先生の意見が覆されることもあるんですか?
永田先生:もちろんです。
意思決定で大事なのは、まずは論理的に正しいかということと、お客様のプラスになるかということの2つの軸です。
上司の顔色を伺って、自分の評価を気にしてするものではありません。
なので私の考えよりも論理的に正しく、お客様のためになる答えがあればそちらを採用するのは当然です。
一つひとつの案件に限った話ではなく、例えばシステムの導入や所内体制なんかもそうです。
上が偉いとか、代表だから正しいとか、そんなことは一切なく、真理・正義に基づいて柔軟に変化を受け入れていきたいと思っています。
時代に合わせた要望に応えられる総合事務所を目指して


今以上にお客様の要望に応えるため、土地家屋調査士とのワンストップサービスにさらに注力することが必要不可欠です。
さらに司法書士領域に関しては、年々複雑化する商業登記や信託業務を強化していきたいですね。
- 次世代への承継などの予防法務
- グループ内での組織再編
- 富裕層の生前対策
- 渉外法務コンサルティング
このような、注力する事務所が少ない分野は、まだまだ伸ばしていきたいと思っています。

こういった複雑な案件全てを1人で網羅的に対応するのは難しいですが、人それぞれの得意分野で力を発揮し、事務所全体で知識を共有し合ってサービスを提供できるのが望ましいと思っています。
全員がプロフェッショナルとなり、その集団として事務所全体で幅を広げていけるのが理想系です。
その体制を作るために、入所をしていただいたら最初はさまざまな分野の案件を担当してもらおうと思っています。
仕事をやりながら、自分の得意・強み・やりたい仕事を見つけてほしい。
そしてどんな分野であっても、顧客に価値を提供できるプロフェッショナルになってもらいたいです。
篠原:具体的な所員数の目標などはありますか?
永田先生:所員数の目標は決めていません。
事務所の規模を大きくすることは目標にしておらず、案件が先にある状態でそれに必要な人材を揃える経営をしています。
人数の目標を立てると、どうしても売り上げを作るための案件を取りに行かなければいけなくなるので、利益率が下がることも覚悟しなければいけません。
私の理想は「プロフェッショナル集団を作ること」なので、事務所の規模ではなく、どこよりも質が高くどんなに複雑な案件でもお客様の要望に応えられる組織にしていきたいと思っています。
お客様のために仕事をし、学ぶことを楽しめるプロと働きたい。


そんな方だと弊所を魅力的に感じていただけるかと思います。
司法書士の方はみなさん長い期間をかけて勉強をし、「法律の専門家になりたい」「クライアントに感謝される仕事をしたい」そんな思いを持って資格を目指された方も多いのではないでしょうか?
また、司法書士の仕事にクリエイティブ性がないと思っておられる司法書士の方も多いのではないでしょうか?決してそんなことはありません。
私はその思いを叶えられる事務所を作りたいと思っています。
ただ登記をこなすだけではなく、“法律サービスを提供するプロフェッショナル”として、
・お客様の課題を解決するためには?
・お客様の要望に応えるためには?
それを毎日頭を悩ませて考え続けながら仕事をし、司法書士として自立できるだけの力を全員が身に付けられる事務所にしていきます。

依頼を“案件”をして見ずに、“一人のお客様”に一貫して接し、価値を提供する。
お客様のために仕事をして、そのために学び続け、自分も成長する。
それが仕事の楽しさであり、さらにそれを報酬等の対価としても得られるのが仕事の面白さだと思います。
せっかく取った司法書士の資格を、生きていきくための手段・職種の1つとしてではなく、
様々なハードルも含めて「司法書士の仕事が楽しい!」と本気で思える司法書士をこの業界で1人でも増やしていきたいと考えています。
ルーティーンワークだけではなく、イレギュラーな発見を楽しめるような人と、ぜひ一緒に成長していきたいです。

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まずは永田先生が司法書士を目指された経緯から教えてください。