弁理士
【2024年調査】弁理士の年収を勤務先・経験年数などの条件別に解説!

【2024年調査】弁理士の年収を勤務先・経験年数などの条件別に解説!

by LEGAL JOB BOARD 大澤

コンサルタント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許事務
  • 特許技術者
【2024年調査】弁理士の年収を勤務先・経験年数などの条件別に解説!

弁理士の就職・転職支援を行う「リーガルジョブボード」の大澤です。

本記事では「弁理士の年収」について、アンケート調査で得られたデータを用いて解説します。

勤務先(特許事務所・企業知財部)や経験年数に応じたリアルな年収を知りたい方は、ぜひご覧ください。

調査概要

弁理士有資格者の61名に対し、年収に関する調査を実施しました。概要は以下のとおりです。

  • 調査対象:リーガルジョブボードの弁理士会員
  • 調査期間:2024年8月1日〜8月17日
  • 有効回答数:61件

勤務先は特許事務所が39名、企業知財部が17名、その他が5名となりました。

弁理士の年収はどれくらい?

「弁理士資格あり」と回答した方(特許事務所・企業知財部・その他を含む)の年収分布は、以下のとおりです。

弁理士の年収_弁理士有資格者の年収分布

一般的に、弁理士の平均年収は700万円程度とされています。
今回の調査でも、全体の約3割が年収600〜800万円に該当し、中央値は年収700〜800万円でした。

弁理士の年収は勤務先(特許事務所・企業知財部)や、特許事務所であれば経験年数、企業知財部であれば年齢など、諸条件により変動する傾向にあります。

例えば、今回の調査で年収1,000万円以上の割合が高くなったのは、勤務先別に以下の要因が考えられます。

  • 特許事務所:経験10年以上の回答者が多い
  • 企業知財部:40〜50代の回答者が多い

そこでここからは、勤務先・条件別にいくつかの年収データを紹介します。

【特許事務所】弁理士のリアルな年収データ

特許事務所で働く弁理士の年収分布は、以下のようになりました。

弁理士の年収_特許事務所_弁理士有資格者の年収分布

回答者の約半数が「年収400〜700万円」に該当。中でも「年収500〜600万円」と「年収600〜700万円」が多くなっています。
また今回の調査では、「年収1,000万円以上」が2割を超えました。

特許事務所に勤める弁理士の年収は、経験年数などで変動するとされています。そこで、ここからは「経験年数」に応じた年収分布を見ていきます。
また今回の調査では、「メインで担当する分野」と年収に何らかの関連性があるのかも探ります。

経験年数別 弁理士の年収分布

弁理士の年収_特許事務所_経験年数別の年収分布

経験1〜3年目は、「年収400〜600万円」の割合が高くなっています。

今回の調査において、特筆すべき変化が見られたのは経験5〜10年目。約7割が「年収700万円以上」となり、それまでと比較して、「年収700万円未満」と「年収700万円以上」の比率がほぼ逆転しています。
また経験10年以上は、「年収1,000万円以上」の割合が最も高くなりました。

経験年数ごとに中央値が上昇している傾向も見られたため、特許事務所に勤める弁理士の年収には経験年数(経験値)が影響していると言えるでしょう。

分野別 弁理士の年収分布

弁理士の年収_特許事務所_分野別の年収分布

「年収700万円以上」の割合で比較してみると、機械系が最も高くなっています。
しかし経験年数別に比べ、分野別の年収分布に明らかな傾向は見られませんでした。

分野よりも、経験年数や案件量が年収に影響しているであろうことが推測できます。

「現在の年収が適切か知りたい」「より好条件な求人があれば知りたい」といった弁理士の方は、リーガルジョブボードの弁理士専門エージェントまで、お気軽にご相談ください。

特許事務所に勤める弁理士の年収事情

特許事務所に勤める弁理士の年収データをご紹介しましたが、ここからは、給与体系・評価制度などを含む年収事情を解説します。

①成果主義制度に基づき年収が変動する

特許事務所に勤める弁理士の場合、成果主義制度に基づいて年収が変動するケースが多いです。
弁理士のメイン業務である明細書作成は、1件ごとの区切りが非常に明確で、成果主義での評価がしやすいことが関係しています。

②歩合率は売上の30%が一般的

特許事務所の歩合率は「売上の30%」が一般的です。
自身の売上の30%が年収となるため、年収1,000万円を目指す場合、3000万円以上の売上を作る必要があります。

転職時には、希望年収に対するポテンシャルがあるか見極めるため、「国内出願時の書類作成はどれくらいのペースで仕上げていたか」「国内対応をしながら内外案件はどの程度対応していたのか」などを確認される可能性が高いです。

③評価制度は就業先によって異なる

特許事務所に勤める弁理士の年収が、完全に成果主義や歩合制のみで決まるかというと、そうではないケースもあります。

実際に「給与のベースとして年齢給が設けられている」「勤務態度や上司からの評価も給与査定に影響する」といった特許事務所が一定数あるのです。

そのため特許事務所に弁理士として就職・転職する際には、給与体系・評価制度を入念に確認されることを推奨します。ミスマッチや不満を防ぐため、評価制度が自分に合っているか、しっかりと検討しましょう。

【企業知財部】弁理士のリアルな年収データ

企業知財部で働く弁理士の年収分布は、以下のようになりました。

弁理士の年収_企業知財部_弁理士有資格者の年収分布

今回の調査では、全員が「年収500万円以上」となりました。「年収600〜700万円」が最多で、全体の約3割を占めています。
次いで、「年収900〜1,000万円」「年収1,000万円以上」が多くなっています。

企業知財部に勤める弁理士の年収は、年功序列で決まるケースが多いです。そこで、ここからは「年齢」に応じた年収分布を見ていきましょう。

年齢別 弁理士の年収分布

弁理士の年収_企業知財部_年齢別の年収分布

まず20〜30代は、全員が「年収500〜700万円」に該当。
40代になるとばらつきが出て、「年収1,000万円以上」も一定数いることがわかります。50代以上は「900〜1,000万円」が最多となりました。

企業知財部に勤める弁理士で年収1,000万円を超えるのは、40代以上や役職者のケースが多いとされています。
実際に今回の調査で、「年収1,000万円以上」に該当した全員が40代以上であり、年齢が年収に影響している可能性が高いでしょう。

「現在の年収が適切か知りたい」「より好条件な求人があれば知りたい」といった弁理士の方は、リーガルジョブボードの弁理士専門エージェントまで、お気軽にご相談ください。

企業知財部に勤める弁理士の年収事情

企業知財部に勤める弁理士の年収データをご紹介しましたが、ここからは、給与体系などを含む年収事情を解説します。

①基本的に年功序列で年収が上がっていく

企業知財部で働く弁理士は、企業の従業員となるため、他職種と同様に年齢や経験で年収が変動します。
中には、企業・事業への貢献度で評価する企業もありますが、給与のベースは年齢などに応じて決定されることが多いです。

②役職が付くと年収アップしやすい

企業において、弁理士だからといって年収が大幅に上がるケースはあまり多くありません。月に数万円の資格手当が支給される程度の待遇が一般的です。
※弁理士資格手当は、2~10万円程度(企業によって異なる)が多いです。

しかし知財部の責任者など、役職に就いてマネジメントまで行えるようになると、年収1,000万円を超えることがあります。

特許庁で働く弁理士の年収

弁理士資格を持ちながら、特許庁で「任期付審査官」や「任期付審査官補」として働く方もいます。
任期付審査官として働く場合の平均年収は約850万円、任期付審査官補として働く場合の平均年収は約550万円が目安です。

発明内容の理解や先行技術調査といった特許審査業務に加え、発展途上国へ制度調和の推進や制度の見直し、ベンチャー企業や大学の支援なども行っており、特許事務所などで働く場合とは仕事の内容も変わります。

独立弁理士の年収

独立した弁理士に関しては、案件量を担保できれば年収1,000万円を超えるケースがよくあります。
中には年収2,000〜3,000万円を超える方もいらっしゃいます。

独立開業は、個人の裁量で規模を拡大できるという点が魅力です。クライアント数や営業力によっては、特許事務所や企業知財部よりも稼ぎやすくなると言えるでしょう。

その反面、クライアントの獲得ができないと満足に収入を得られなくなってしまうため、出願業務以外の営業力などが試されます。

まとめ

  • 弁理士61名のうち、約30%が「年収600〜800万円」に該当。中央値は「年収700〜800万円」だった。
  • 特許事務所で働く弁理士の年収には、経験年数が影響している傾向あり。経験5〜10年目で「年収700万円以上」の割合が増加。
  • 企業知財部で働く弁理士の年収には、年齢が影響している傾向あり。「年収1,000万円以上」の該当者は全員が40代以上。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 大澤

コンサルタント

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  • 弁理士
  • 特許事務
  • 特許技術者

弁理士・知財職種を専門としたリーガルジョブボードの転職エージェント。 知財領域で年間500名以上の転職支援を行っており、大手企業知財部への転職成功実績も多数。傾聴力が強みで、求職者様の現状を深く理解した上での提案や、信頼関係の構築に努めている。

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