弁護士が激務なのは本当?職場ごとの働き方・忙しさの違い
by LEGAL JOB BOARD 増田
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の増田です。
本記事では、激務と言われる弁護士の「働き方・自分に合った職場の選び方」について解説します。
「将来の自分の働き方が気になるロースクール生・司法修習生の方」や「現在仕事が忙しく、自分の生活スタイルに合わせた働き方に変えていきたい弁護士の方」はぜひご一読ください。
弁護士は激務なのか?
弁護士が忙しい仕事であることに間違いはないでしょう。
一方で、忙しさの度合いや働き方は所属する事務所に大きく左右されるため、自分の希望に合った条件の事務所で働くことでスケジュールを調節することができます。
弁護士の1日のスケジュール
下記は弁護士のスケジュール例です。
10:00 東京家庭裁判所で遺産分割調停
13:00 来客(法律相談)
14:30 昼食
15:00 弁護士会出席
18:00 デスクワーク(連絡返信など)
19:00 クライアントと打ち合わせ
20:00 起案作成や明日の裁判準備など
22:00 帰宅
出社時間は、その日の業務によりさまざまです。
多くの弁護士は、昼間や夕方に来客・打ち合わせの予定を入れて、夕方以降に起案作成などを行うようです。
このようなスケジュールも所属事務所によって異なるため、詳しくは2.職場や職務ごとの働き方の違いを参照ください。
弁護士の残業時間
弁護士の残業時間は、月平均40〜60時間(1日あたり2〜3時間)です。他の職種や業界と比べると、残業時間は多い傾向にあります。
弁護士事務所の定時は9~18時、10~19時が一般的です。
しかし、弁護士は「案件を完遂させたら仕事が終わり」という側面が強く、あまり決まった1日の流れや残業の概念がありません。そのため結果的に労働時間が長期化している一面もあるでしょう。
弁護士の残業時間について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。現役弁護士が解説しています。
弁護士の休日
アソシエイト弁護士の場合、基本的に所属する法律事務所が休日に準じて休みとなります。
多くの法律事務所は、基本的に依頼者や顧問先、裁判所からの電話対応のため一般企業と同じように、平日を営業日、土日祝・GW・お盆・年末年始を休みとしています。
しかし、休みの日であっても、起案や証拠整理のため出勤している弁護士も多くいます。
パートナーや独立弁護士も土日祝などを休みとする方が多いですが、基本的に自由業なので平日に休みを取るなど調整しています。
職場や職務ごとの働き方の違い
弁護士として働く際の忙しさや働き方は職場や環境によって異なります。
希望する収入、業務経験、自己成長などに加えて職場ごとの忙しさも確認することで、どの職場で働くのが自分のライフスタイルにとってベストなのか考えてみましょう。
五大法律事務所
五大法律事務所はかなりの高収入を得られますが、その分仕事は激務だとされており、ほとんどの弁護士は、朝から晩・終電後も稼働しています。
五大法律事務所が激務とされる理由は、案件数が膨大だからです。世界各地にクライアントが存在し、専門知識だけでなく、英語力や語学力も必要です。
また、要求される仕事のレベルや質も高く、弁護士としての価値を高めるための勉強・自己啓発の時間も確保していかなければなりません。「残業を抑えたい」や「ワークライフバランスを重視したい」という方には厳しいでしょう。
その分、他の事務所では経験できない大きな案件や業務を経験できたり、圧倒的な収入を得られます。実際、五大法律事務所に勤める弁護士の方からは、「1年目から年収1,000万円を超え、毎年昇給している」と伺いました。
五大法律事務所を経験すると業界的に一目置かれ、その後のキャリア形成がしやすいこともあり、激務であっても就職・転職先として人気を博しています。
外資系法律事務所
外資系法律事務所での経験も、キャリア形成や転職活動にとても有利に働きます。五大法律事務所と同じく、外資系法律事務所出身であるというブランド力が強いからです。
業務の大半で英語を使用するため、ビジネスレベルの英語力が求められます。ハードルは高いですが、英語ができる弁護士は大きな需要があり、今後のキャリアの幅が広がるでしょう。
また、クライアントは国内外の大手企業がメインで、仕事の難易度が高く、大きめの案件に携われます。その分、弁護士としてのスキルが身に付く環境です。
外資系法律事務所への就職・転職に必要なスキル、業務内容など、以下の記事で詳しく解説しています。
企業内弁護士
ワークライフバランスが整いやすいのは「企業内弁護士(インハウスローヤー)」です。
企業内弁護士は一般企業に所属します。一般企業はできるだけ残業や休日出勤を減らそうとする動きがありますので、働きやすい職場の可能性が高いです。
企業内弁護士になるメリット・デメリット、どのような企業がおすすめかを、下記の記事で解説しています。
企業法務系の法律事務所
企業法務系の法律事務所は高年収でハードワークなことが多いです。タイムチャージで支払われるため、忙しい仕事ではありますが、その分給料は高くなる傾向があります。
企業法務系の法律事務所は、他事務所に比べて「パートナーに昇格できる可能性が大きい」ことも1つのメリットです。
五大法律事務所や外資系法律事務所に比べ、専門性の高い案件に関わる機会はあまり多くありませんが、「5〜8年程度でパートナーに昇格できる」ケースが多いそうです。
パートナー弁護士になれば、市場価値がグッと上がり、先述の企業内弁護士への転職もキャリア選択に含めることができるようになります。
渉外系法律事務所
渉外系法律事務所も忙しい事務所が多い印象です。
国際的な契約は、商慣習が異なる会社間で結ばれるため、細かなことまで契約書に落とし込みます。これを丁寧に読み解いて一つ一つ修正していくのは大変な作業です。
また、M&Aのデューデリジェンスも渉外弁護士の仕事ですが、買収対象の会社がこれまでに結んだ契約を一つずつ精査して報告するため、地道かつ時間を要します。
しかも、M&Aは短期集中で行われるため、その期間は非常に過酷な状況になります。
自分に合った職場の選び方
今後弁護士として就職・転職する予定の方は、入所してから「こんなに激務だとは聞いていない」「思っていた業務内容と違う」といったミスマッチが起きないよう、以下の3点を抑えておきましょう。
- 将来のキャリアパスを策定し、それが実現しうる事務所を選択すること
- 面接・面談や会食で徹底的にコミュニケーションを取ること
- 仕事をする上で譲れないポイントを一つ決めること(年収、ワークライフバランス、独立志向など)
法律事務所の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。事務所別の特徴、タイプ別のおすすめ事務所などを解説しています。
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