弁理士
志賀国際特許事務所インタビュー|弁理士の業務内容・やりがい・将来的なキャリアビジョンについて

志賀国際特許事務所インタビュー|弁理士の業務内容・やりがい・将来的なキャリアビジョンについて

by LEGAL JOB BOARD 白石

コンサルタント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許事務
  • 特許技術者
志賀国際特許事務所インタビュー|弁理士の業務内容・やりがい・将来的なキャリアビジョンについて

こんにちは。知財業界の専門エージェント「リーガルジョブボード」の白石です。

今回は、東京の丸の内にある日本最大規模の特許事務所である「志賀国際特許事務所」のご紹介です。

1965年の創業以来、日本を代表する特許事務所として成長を遂げてきた志賀国際特許事務所。
そんな同所の特許弁理士・商標弁理士である小澤先生、堂前先生、三上先生に「弁理士の業務内容・やりがい・将来的なキャリアビジョンについて」臨場感あるお話を伺いました。

特に以下の方へおすすめの内容です。

・弁理士に合格された方
・弁理士を目指そうと考えている方
・志賀国際特許事務所での働き方に興味をお持ちの方

弊社では、リーガルジョブボードに求人をご掲載されている事務所様・企業様のインタビューを行っております。インタビューをご希望の事務所様・企業様はこちらからお問い合わせくださいませ。

3名の先生方の自己紹介・ご経歴について

白石
まずは自己紹介をお願いいたします。
小澤 先生 小澤先生
完全に未経験で入所し、事務所で勉強しながら弁理士資格を取得し現在に至ります。

  • 地元の高専に進学し電気関連の勉強を5年間行い、専攻科まで進み学位を取得。
  • 設計職として一般企業に就職し、計10年間(静岡で5年、シンガポールで5年)勤務。
  • シンガポールから帰国後に退職し、志賀国際特許事務所に入社を決意。

堂前 先生 堂前先生
弁理士試験の勉強を2〜3年経て合格し、志賀国際特許事務所に入所して7年目になります。

  • 4年制大学→大学院に進み修士課程を修了。
  • 医学書の出版社に就職して3年間勤めた後、知財業界に挑戦したいと決意。

三上 先生 三上先生
志賀国際特許事務所に入所した後に勉強を始めて弁理士に合格しました。

  • 4年制大学で物理学を専攻し、量子力学を扱う学部で量子コンピュータの研究を行う。
  • 大学院に通っている途中で就職に切り替えようと考え、休学を決意。
  • 就職活動中に志賀国際特許事務所と出合い、大学院を辞めて入所。

知財業界を志したきっかけ

白石
知財業界を志したきっかけについて教えてください。
三上 先生 三上先生
私の好きなこと(技術を勉強して共有・発表すること)と研究者の方をサポートしたいという点を合わせて、「知財の仕事が自分には合っているんじゃないか」と思い、この業界を選びました。

三上先生:研究室で過ごす中で「自分が何をしたいか・自分は何が好きか」を考える時間がありました。いろいろな研究を進めていくよりは、論文を読んで「こんな技術があるんだ!」と新しいことを知ったり、勉強した技術をまとめて外部に発表や共有をすることが好きな自分に気づきました。また、世の中には優れた研究者の方が多数いることを知り、そのような方をサポートできる仕事をしたいと思うようになっていきました。

白石
知財業界の転職先では企業の知的財産部もありますが、特許事務所を選んだ理由を教えてください。
三上 先生 三上先生
お客様側に立って特許権の取得に向けて頑張れる立場になりたいと思ったとき、様々な企業の知財部をお客様とする特許事務所の弁理士がしっくりきたのが一番の理由です。

三上先生:知財に関わる方法としては、主に3つ(弁理士、企業の知財部、審査)ありますが、その中でも明細書を作る仕事は「職人気質(例えば、壺を作るという感覚)なところ」がちょっとかっこいいなと思って特許事務所を選びました。

白石
堂前先生はいかがでしょうか?
堂前 先生 堂前先生
私は知人が弁理士だったのがきっかけで興味を持ちました。

堂前先生:もともと英語や医科が好きだったので、「弁理士であれば自分の得意分野で活動できそうだな」と思い興味が湧きました。前職は医学書の出版社だったのですが、自分の好きなことや得意なことを活かしきれていない感覚があり弁理士の道に進んでみようと思いました。

白石
事務所一本で考えていらっしゃったのですか?
堂前 先生 堂前先生
企業知財部も多少は検討しましたが、まずは知財のプロフェッショナルとして確かな能力を身に付けたいと考え、特許事務所を志望しました。
白石
小澤先生はいかがでしょうか?
小澤 先生 小澤先生
私はライフスタイルに関することがきっかけで、会社に依存せず技術畑で活躍できる仕事がないかと考えて弁理士に辿り着きました。

小澤先生:前職(企業の設計部)にいたときは、会社の都合で勤務地や働く時間が決まっていたことや、特定の月だけ業務の負担が多くなり休みづらいなどの制約が多くありました。

白石
実際、特許事務所での働き方はどうでしょうか?
小澤 先生 小澤先生
9月・3月など半期末のタイミングで仕事が集中することはありますが、仕事量が多くても自身でコントロールできる環境が整っています。

小澤先生:やらなければいけない仕事は決まっていますが、任された仕事をきちんと行えば正当に評価されますし、たくさんやった分はお金になって返ってくる仕組みも整っています。自分自身で仕事を取ってきたり調整したりする環境が気に入ってここにいます。事務所の宣伝みたいになってしまいましたね(笑)

担当している業務について

白石
現在の仕事内容について教えていただけますか?
堂前 先生 堂前先生
私は学部時代に化学を専攻していた関係で、主に化学系の分野を担当しています。また機会があればバイオ系の案件も担当しています。

堂前先生:主に国内のお客様の特許を担当しており、特許出願・中間対応、鑑定や信頼の依頼など、幅広く担当しています。「国内の特許の話なら何でもお聞きして、セットで対応する」という仕事内容です。お客様から依頼があったら、できる限り何でも対応できるよう心がけています。

白石
依頼があったら何でも対応すると、働き方の面で大変なこともあると思いますが、日々の働き方ついて教えていただけますか?
堂前 先生 堂前先生
弁理士を取得してからは、自分の裁量で仕事の配分ができるので、思ったほど残業は多くない印象です。

堂前先生:当然ではありますが、明細書や意見書の作り方を学ぶときは残業が多かったです。ですが、仕事に慣れると徐々に残業も減っていき、自分で独り立ちしてからは月10〜20時間程に収まっているような状況だと思います。スケジュールとしては、7時〜8時から仕事をして、17時に業務を終えるようにセッティングしています。

白石
独り立ちするにはどれくらいの期間がかかりましたか?
堂前 先生 堂前先生
私は結構、上司に甘えていたので(笑)、3年ぐらいかかりましたね。3年程度は頻繁に相談をしていましたが、上司としては1年ぐらいで「行ってらっしゃい」という感じではありました。
白石
小澤先生のお仕事内容についても教えていただけますか?
小澤 先生 小澤先生
私は国内の電気分野を担当しています。お客様である知財部や発明者の方にお話を伺って、発明の内容を特許の明細書にする仕事をしてます。

小澤先生:電気分野は技術範囲がかなり広く、ビジネスモデルや、半導体、電気回路、AI関連など色々なものを担当しています。国内のお客様を担当していると、そのお客様が外国に出願する際も当所で引き続き担当できます。アメリカ、中国、ヨーロッパ等、出願先となる国の代理人と直接やり取りをして、各国に出願します。(国内担当者は内外を担当しており、外内については他の担当者・部署が担当します。)

白石
外国案件も担当されているということで、元々英語などはお好きだったんですか?
小澤 先生 小澤先生
元々好きなほうではあったのですが、事務所は優秀な人が多いので、私ももっと英語力を高めたいと思い、最近オンライン英会話で勉強してます。事務所でネイティブキャンプの法人プランが使えるので活用しています。

小澤先生:残業時間は自身で調整しやすいので、残業時間を短くして自分のやりたい勉強に充てることは十分にできる環境だと思います。

白石
三上先生の仕事内容について教えていただけますか?
三上 先生 三上先生
私の担当分野は主に機械構造系です。物と物の位置関係や、この突起がここにはまっているといったものが主です。それらを中心に電気系、制御・システム系の案件も取り扱っています。

三上先生:担当の範囲としては、国内のお客様とお仕事することが多いです。発明者や知財部の方とお会いして、「こういう発明なんです」という話を聞いて、「こういうところを請求項に書くといいですよね」という提案を交えながら、明細書の形で確かめていく仕事です。

三上 先生 三上先生
自分が書いた明細書についてお客様から「アメリカやヨーロッパに出したいです」というお話があれば海外案件も私が担当します。

三上先生:英語の明細書を作り、拒絶理由通知書の補正についてはお客様と相談しながら特許にしていくという仕事です。それに加えて、外内案件(外国のお客様が国内で特許を取るための仕事)にも興味があり、少しずつ担当させてもらっています。

白石
興味があることには手を挙げやすい環境なのですね?
三上 先生 三上先生
「やってみたいです」と希望が言える環境です。志賀国際特許事務所はさまざまなお客様と繋がりがあることで担当できる案件の幅が広く、希望する仕事があれば選択できるのがメリットだと思います。私はその環境に甘えて、希望を言わせてもらっています。
白石
それは社歴などは関係なく手を挙げられるのですか?
三上 先生 三上先生
はい。私は3年目の若手ですが、希望を出せば話を聞いてもらえる、そんな風通しの良さと優しさがベースにある事務所です。
白石
小澤先生、堂前先生も同じように感じられていますか?
小澤 先生 小澤先生
自分から手を挙げると、挑戦させてもらえる土壌はあると感じます。
堂前 先生 堂前先生
私も同じように感じています。一対一で上司が部下を大事にしてくれるので、相談しながら仕事量をコントロールできる上、きちんと見てもらえてるという感じがします。

志賀国際特許事務所ならではの特徴・働き方

白石
貴所ならではの特徴や働き方など、魅力に感じている部分について教えていただけますか?
三上 先生 三上先生
国内外問わずいろんな分野の案件を担当しながら、お客様と繋がりを持たせていただける環境があるところ、やりたい仕事があったときに手を挙げて挑戦できる余地があるところが大きな魅力です。

三上先生:私は元々機械構造系の担当だったのですが、システム関係のこともやってみたいと希望を出してシステム系の案件を担当したり、外内の案件も任せてもらっています。私のように様々なことにチャレンジもできますし、一方で国内の案件を極めたいという方はその道を極めることもできる風土です。

白石
堂前先生はいかがでしょうか?
堂前 先生 堂前先生
組織として整っているので、かなり働きやすい環境が魅力だと思います。特許事務所は何というか…閉ざされた世界というイメージで不安に思うかもしれませんが、良い意味で当所は事務所っぽくないですね。

堂前先生:一般企業のように管理部門もありますし、困ったことがあったらすぐに相談できる風土があるので、ある意味特許事務所っぽくなく安心して働けるのが特徴だと思います。

白石
これまで一般企業に勤めていた方も不安なく、働けるようなイメージですね。小澤先生はいかがですか?
小澤 先生 小澤先生
一番は規模が大きいことだと思います。大規模事務所だといろんな人が働いているので、誰かしら合う人が必ずいます。

小澤先生:職場選びをするときは、誰と一緒に働くかがすごく大事だと思います。特許事務所に就職した場合、まずはじめは、上司と一対一のやり取りをして仕事を覚えることになります。大規模特許事務所には色々な人材がいるので、自分に合う上司に必ず出会えます。そこは安心できると思います。

小澤 先生 小澤先生
一方で大規模事務所だと、仕事が細分化されすぎているのではないか?という不安があると思います。

小澤先生:確かに細分化されている部分もあるように感じますが、裏を返すと自分が得意な部分のスキルを磨くことが可能です。例えば、明細書を書くことが好きな人は明細書作成業務の割合を増やすことが可能ですし、外国案件が得意な人は外国案件の割合を増やすことも可能ですし、人とのコミュニケーションが得意な人は顧客とのやり取りを増やすことが可能です。このように、極めたい業務を選択し、それに集中することができます。様々な業務にチャレンジできる風土があるというのも魅力だと思います。

小澤 先生 小澤先生
また入所した際、「ジェントルな人が多いな」という印象を受けました。前の職場が、上司と部下の年功序列が強く体育会系な職場だったので、みんながジェントルに接してくれるのですごく感動しました。

小澤先生:例えば、仕事から帰る途中で所長とすれ違った際、所長が頭を下げて「お疲れ様でした」と言ってくれました。こんなに大きな事務所の所長なのに、全く偉そうにしていない感じがフラットですし、所長だけでなく部長や課長など役職がある人も含めてみんな同じですごくジェントルな方が多いです。

堂前 先生 堂前先生
私も怒鳴られた経験は一切ないです(笑)皆さん優しくて、失敗したときでも、冷静に次の一手を考えようという思考の人が多い気がします。
三上 先生 三上先生
確かに、「なんでこうなったんだ」などと責める場面はないですね。

これから就職活動をする方に向けて事務所選びのコツ

白石
これから就職活動をする方に向けて事務所選びのコツを教えてください。
堂前 先生 堂前先生
面接で会った人の雰囲気や、話した時の印象やフィーリングが一番重要だと思います。

堂前先生:未経験でこの業界に入ったときは、不安があったので色々調べていましたが、インターネットで得られる情報には限りがあると感じました。事務所の面接を受ける中で段々と、「何となくこの人と合う・合わない」のようにフィーリングでわかってくると思うので、最終的にはご自身のフィーリングを重視することが良いのではないかと思います。

白石
実際に働いている方とお会いし、お話しすることで、この事務所働くイメージがつくかわかるようになってくるということですね。

小澤先生、堂前先生、三上先生、貴重なお話をありがとうございました。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 白石

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  • 企業知財部
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