司法修習生

司法修習生が「専門分野特化型の法律事務所」を最初の就職先として選ぶメリット4つ

by LEGAL JOB BOARD 森田

転職エージェント

担当職種:
  • 弁護士

こんにちは。弁護士・司法修習生の転職エージェント「リーガルジョブボード」の森田です。

司法修習生となってから考えなければならないことの一つに「就職先」がありますが、皆さまは「一番最初に就職する職場」をどのような軸で選べば良いか、定まっているでしょうか?

「まずは幅広い法律事務所に就職した方が良いだろうか」と悩んでいる司法修習生の方には、特に読んでいただきたいです。

本記事を読むことで、司法修習生としての就職先の選択肢が今よりもグッと広がり、応募できる求人の選択肢がより広がると思います。

以下、本記事では「ブティック系法律事務所」や「一般民事のとある分野に特化した法律事務所」の2つを総称して「専門分野特化型の法律事務所」と表現します

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司法修習生の就職先について

一般的に、司法修習生のファーストキャリアとなる就職先は以下2つです

  • ①幅広い分野を取り扱っている法律事務所
  • ②専門分野特化型の法律事務所

この2つが一般的ですが、多くの司法修習生は「①幅広い分野を取り扱っている法律事務所」を就職先として選ぶ傾向にあります。一方で「②専門分野特化型の法律事務所」に就職する司法修習生はあまり多くありません。

②の専門分野とは、例えば「M&A」「ファイナンス」「人事・労務問題」「債務整理」など。つまり「専門分野特化型の法律事務所」とは「ブティック系法律事務所」や「一般民事の中のある分野に特化した法律事務所」を指します。

こういった専門分野特化型の法律事務所は現在、司法修習生のファーストキャリアとしてあまり選択されることがありません。

しかし、実はファーストキャリアとして「ブティック系法律事務所」や「一般民事のとある分野に特化した法律事務所」に就職するメリットは、存在します

「専門分野特化型の法律事務所」に就職するメリット

それでは本題である「ブティック系法律事務所」や「一般民事特化の法律事務所」といった専門分野特化型の法律事務所に就職するメリットについて解説します。

メリット1.専門性を培ったキャリアが築かれ差別化が図れた弁護士になれる

「専門分野特化型の法律事務所」をファーストキャリアとして選択するメリットの一つ目は「他弁護士との差別化を図れた弁護士になれる」ことです。

昨今、弁護士の数は大幅に増加しています。つまりこれは「競争力が求められている」とも言い換えられます。たくさんの弁護士がいる今の法律業界では、案件獲得の難易度が以前よりも増していると言えるでしょう。

弁護士資格を取ったからと言って、ずっと安泰でいられるというわけではありません。

この競争で勝るためには、弁護士としての市場価値をどれだけ高められるかが鍵を握ります。そのための一つの手段として「とある専門性を身につける」ことが挙げられます。

この専門性を身につけるのに、専門特化した法律事務所はうってつけだということなのです。

メリット2.求職者の競合が少なく内定を獲得しやすい

メリットの二つ目として「内定を獲得しやすい」ことが挙げられます。「幅広い分野を取り扱う法律事務所」と比べて、専門特化した法律事務所は採用に苦戦しているところが比較的多いからです。

前述した通り、多くの司法修習生はニッチ領域な分野を担当するよりも、まずは多くの案件に触れてマルチに対応できる弁護士を目指そうとします。この背景が起因して、専門分野特化型の法律事務所は弁護士人材の獲得が難化しているのです。

逆に言えば、求職者である司法修習生にとっては就業しやすい状況とも言えます。

メリット3.就職先をある程度選べる立場になれる

これは前述した二つ目のメリットと少し被りますが、専門分野特化型の法律事務所をファーストキャリアの就職先として選ぶ場合、「ある程度就職先を選べる立場になれる」こともメリットになります。

2022年10月現在、弁護士は全体的に買い手市場となっていますが、専門分野特化型の法律事務所に限れば、まだまだ弁護士人材を掻き入れたい職場も多く存在します。

幅広い分野を手掛ける法律事務所は応募倍率が非常に高いため、就職先を吟味・検討する余裕があまり生まれませんが、専門分野特化型の法律事務所ならば、ある程度の職場の選択余地があると言えるでしょう。

メリット4.年収がすぐに上がりやすい

メリット4つ目は「年収がすぐに上がる」点です。

一つの分野に特化して弁護士業務を行うことになるので、必然的に専門知識や専門スキルが他の事務所に比べて短期的に成長することになります。すなわち担当可能な案件が増え、人材としての成長やインセンティブが期待できるようになるのです。

「専門分野特化型の法律事務所」の求人数は増加してきている

補足ですが、現在、専門分野特化型の法律事務所の母数は少しずつ増えてきています。ニッチな分野で圧倒的な強み(特性)を持ち、その分野でのナンバーワンを目指そうという動きが多く見られるようになりました。そうすることで他事務所との差別化を図れることになり、結果的に弁護士からの人気も獲得できるようになるからです。

この観点から言えば、ニッチ領域に強い弁護士になるというキャリア形成は、時流に沿っているとも表現できると思います。弁護士として生き残るための手段ですね。

専門分野特化型の法律事務所をファーストキャリアとして迎えるデメリット

これまで多くのメリットを解説してきましたが、もちろん、ブティック系法律事務所に就業することで生じるデメリットもいくつか存在します。

それは、「他の分野を取り扱う法律事務所への転職が難しくなる」点です。もちろん、転職が不可能になるわけではありませんが、初年度の年収が下がるケースは多いです。

例を挙げると、例えば「交通事故を専門に担当していた弁護士」が「刑事弁護に強い法律事務所に転職」するケース。弁護士としての経験はあったとしても、異なる分野における実務が転職先で活きるシチュエーションがあまり存在しないため、転職先では「未経験寄りの弁護士」として認識されることになります。

そのため年収アップ・キャリアアップの転職が実現されにくい、というのがデメリットになります。

ここまで、専門分野に特化した法律事務所をファーストキャリアとして迎えるメリットおよびデメリットを紹介しましたが、それぞれ比較しながら吟味・検討をしていただければ幸いです。

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LEGAL JOB BOARD 森田

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