司法書士

「SNSをやらないのは、もったいない!」現役司法書士代表が語るSNSでのチャンスのつかみ方

by LEGAL JOB BOARD 北澤

コンサルタント

担当職種:
  • 司法書士

現代のビジネスシーンにおいて、SNSは名だたる大手企業から個人事業主に至るまで幅広く利用されています。いまや、競合との差別化を図る手段として、必須のツールといえるかもしれません。

しかし、司法書士業界では「SNSに興味がない」、「活用の方法がわからない」といった声も多く、浸透しているとは言い難い状況です。

そんな中、経堂司法書士事務所・代表の高橋朋宏先生(通称:はしトモ先生)はブランディングやマーケティングのためにSNSを積極的に活用。認知度を高め、事務所への流入につなげています。

今回は、はしトモ先生に「現役司法書士代表がSNSを始めるべき理由」と、「初心者がスタートするためのコツ」を伺いました!

はしトモ先生のプロフィール

【高橋朋宏先生のプロフィール】
東京都世田谷区の経堂司法書士事務所代表司法書士。「遺言伝道師はしトモ」を名乗り、遺言書の魅力を伝えるための活動「一億総遺言書計画」を進行中。TwitterやYouTube、Tik Tokといった各種SNSを活用して、「遺言ソング」や「遺言ワークショップ」といったコンテンツを発信しています。
Twitterはこちら

北澤のプロフィール

【インタビュアー「北澤」のプロフィール】
株式会社WILLCO(リーガルジョブボード)司法書士専門の転職エージェント。司法書士の業界研究を続けて早5年。今は社内一の「司法書士オタク」と呼ばれています。司法書士の転職相談件数は約300件。

北澤 北澤
と、いうことではしトモ先生。本日は「司法書士業界におけるSNSの発信活動」について、色々とおうかがいさせてください!
はしトモ先生 はしトモ先生
はい、よろしくお願いいたします。
北澤 北澤
…なんか、緊張していませんか?
はしトモ先生 はしトモ先生
…あの、すみません。いつものポーズ決めていいですか?リラックスしたいので
北澤 北澤
え?はい、どうぞ。じゃあちょっと、机どかしますね。

・・・

・・・

・・・

はしトモ先生 はしトモ先生
いま、自分にゆいごん書ッッッッ! 遺言伝道師はしトモですッッッッ!(轟音)

※リーガルジョブボードオフィスの会議室。扉を2枚挟んだ執務室にまで、はしトモ先生の声が響き渡っていました。

はしトモ先生 はしトモ先生
おかげさまでリラックスできました! さあ、始めましょうか!

ポージングによって緊張がほぐれたはしトモ先生。気を取り直して、まずは「SNSを始めることになった”きっかけ”」について聞いていきます。

「目立ちたい」がSNS活動の始まり

北澤 北澤
まず、はしトモ先生が「SNSを始めたきっかけ」について聞かせてください!
はしトモ先生 はしトモ先生
シンプルに「目立ちたい!」という理由でした。
北澤 北澤
「目立ちたい!」ですか(笑)
はしトモ先生 はしトモ先生
そうなんです(笑)。実は僕、ワイドショーとかに出ている「文化人タレント」にずっと憧れを持っていて。4年ほど前、文化人タレント輩出に特化した芸能プロダクションに所属したんです。
北澤 北澤
そこで、発信力を高めるためにSNSを始めたと?
はしトモ先生 はしトモ先生
そうですね。ところが、いざ始めてみたら全然うまくいかない。何を発信しても鳴かず飛ばずで、あっという間に壁にぶち当たりました。
北澤 北澤
実際、何を発信していたのでしょうか?
はしトモ先生 はしトモ先生
「司法書士の業務解説」とか、「司法書士の実務テクニック」とか。当初は、司法書士の肩書きがあるから、それだけでいけると甘くみていました。けれども、よく考えたら「それって、誰が知りたいの?」という話なんですよね
北澤 北澤
司法書士業界に携わっている人だけが必要とする情報だな、と思いました。
はしトモ先生 はしトモ先生
無名で埋もれている現状から、お茶の間で親しまれるほどまで認知を広げていくには、もっと一般層に受け入れられるような発信軸が必要だと感じたんです。
北澤 北澤
もしかして、そこで選んだのが……?
はしトモ先生 はしトモ先生
そう、「遺言書」です。人間、死んだあとは必ず何かが残る。自分の身体だって、誰かが火葬をしてくれますよね。何ひとつ残さずに死ぬって、実はほぼ無理なんですよ。それを残された人が片づけるとき、面倒がないように遺言書がある。そう考えると、司法書士の専門領域の中でも、一般の方々が「自分事」にしやすいカテゴリになり得ると思ったんです
北澤 北澤
なるほど!「司法書士」は知らないけれど、「遺言書」というフレーズは聞いたことある、という人、結構いそうですもんね
はしトモ先生 はしトモ先生
そして、実際に自分で遺言書を書いたら、思っていたより奥が深かったんです。書き上げるために、自分の人生を棚卸ししなければならない。すると、自分にとって本当に大切な人やモノが何か、すごく考えさせられたんです。それまで、「単なる法的な書類」だと思いこんでいたけれど、とんでもない。「自分の人生を豊かにするツール」だと思い知ったんです。それ以来、僕のライフワークになりました。

ダンスを踊った 歌を歌った

北澤 北澤
とはいえ、遺言書も一般的にはニッチ寄りのコンテンツですよね。その認知のため、初めにやったことは何だったんですか?
はしトモ先生 はしトモ先生
真冬の河川敷で、踊りました。
北澤 北澤
スミマセン、意味がわからないです(笑)
はしトモ先生 はしトモ先生
情報を仕入れるとき「誰から聞くか」って重要ですよね。遺言書の話は、法律家から聞きたい。なので、まず僕が「法律家である」ことを知ってもらうことが必要だと考えました。
北澤 北澤
法律家であることが、権威性につながりますもんね。
はしトモ先生 はしトモ先生
そこで、友人のクリエイターに「僕が何者なのか、明確に伝わる動画を制作したい」と相談したんです。そしたら、ある日突然、冬の荒川に連れていかれて、寒空の下ダンスを踊らされたと。

▲撮影した動画「遺言伝道師はしトモ参上!」(YouTube)

北澤 北澤
斬新ですね! でも、動画を観たら「法律家であること」、「遺言書について語っていること」がストレートに伝わりました!
はしトモ先生 はしトモ先生
実は最初、「司法書士事務所代表としての威厳がなくなるのではないか」ってすごく不安だったんですよ。でも、友人から「ニッチな業界なんだから、力づくで振り返らせるんです!」と熱弁されて。「なるほど、そういう考え方もあるのか」と妙に納得しちゃったんですよね(笑)。ここから、彼をアシスタントに加えて悪だくみを任せるようになりました。
北澤 北澤
戦略ではなくて、悪だくみなんですね(笑)
はしトモ先生 はしトモ先生
そうこうしているうちに、事務所伝いに遺言ソングをつくる話が舞い込んできたんです。そのときの作曲家も、曲を作ったことをきっかけに遺言書の魅力を実感して、仲間になって。今ではアシスタントと並んでクリエイティブチームの中核として動いてくれています。
北澤 北澤
どこぞの海賊団のように、続々と仲間が増えていきますね。
はしトモ先生 はしトモ先生
そうですね(笑)。「餅は餅屋」なんて言葉があるくらいだし、僕は自分ができないことは専門家にやってもらったほうがいいと思っているんです。
北澤 北澤
ちなみに私、はしトモ先生の曲で「忘れないでよ」がとても好きです。フレデリックを思わせるキャッチーな曲調にハマって、ヘビロテ中です(笑)

▲遺言ソング「忘れないでよ」(YouTube)

SNS活動によって得られた成果の数々

北澤 北澤
結論、はしトモ先生はSNS活動をやっていてどのような部分が良かったと思いますか?
はしトモ先生 はしトモ先生
結果的に、取引先が増えたことが一番大きいです。例えば、既存の取引先の方々とは、普段「司法書士・高橋朋宏」としてコミュニケーションを取っているわけです。
北澤 北澤
「かっちりとした高橋朋宏先生」が、ビジネスライクなお付き合いをしていると。
はしトモ先生 はしトモ先生
ところが、SNSを始めてからは「遺言ソング、聴きましたよ!」とか「高橋先生ってこんな明るい人だったんですね!」といった、仕事以外の話で盛り上がることも多くなりました。SNSによって「遺言伝道師はしトモ」というキャラを知って、親しみを持ってくれた人が増えたのだと思います。
北澤 北澤
確かに、お客様視点で見たとき、業務以外の色々なはしトモ先生の顔を知っていた方が、安心できそうです。
はしトモ先生 はしトモ先生
そういった意味では、新規のお客様もSNSを始めた後は関係性の構築が早くなったと思います。すでに僕の顔を知ってくれている。親しみを持ってくれている。活動や想いを知ってくれている。これはすごいアドバンテージです。実際、「相見積もり*」が減り、他社との比較をせずに依頼をいただけることが増えました。

*相見積もり:何かしらのサービスを申し込もうとする際に「複数の事務所からそれぞれ見積もりを取り、金額や条件を比較すること

北澤 北澤
親近感がわいたことによって、「司法書士に仕事を依頼したい」と思った時にはしトモ先生の顔が浮かびやすくなった、というわけですね!
はしトモ先生 はしトモ先生
また、これは僕も予想外だったのですが、司法書士試験の受験生や合格者との繋がりが増えたんです。従来、司法書士の代表が受験生や合格者と接点を持つことは、ほとんどありませんでした。でも、今はSNSでつながることができて、理解を深められる。これって、双方にとってすごく大きなメリットだと思います。
北澤 北澤
もしかして、Twitterでの採用活動も可能になる……?
はしトモ先生 はしトモ先生
そう思います! 僕自身、試験に合格した直後は気になっている事務所の所長がどんな人なのか、先輩方はどのように働いているのか、そういったことを知りたいと思っていました。あらかじめ、お互いの理解を深めていれば、採用のミスマッチも少なくなると思うんですよね。

司法書士業界「全体」でSNS活動に取り組みたい!

北澤 北澤
今回のインタビューを見た司法書士の方が「SNSを始めよう」と考えたとき、まず何をしたら良いと思いますか?
はしトモ先生 はしトモ先生
「発信と交流に慣れること」ですね。Twitterであれば、他人の投稿に対する「リプライ」がおすすめです。タイムラインに流れてきた投稿を見て、気になったり、心に残ったりしたものにコメントを入れてみる。良かったところを真似してみる。
そうしているうちに、色々なアカウントと交流が深まっていき、自分なりに発信したいコンテンツの方向性や路線が徐々に分かってくると思います。
北澤 北澤
なるほど! まずは自分の価値観で「いいね!」と思うものを見つけていくことですね。けれども、正直今日の話ってはしトモ先生だから出来るような気もするんです。司法書士の先生方、みんながみんな目立ちたがりではないと思いますし。
はしトモ先生 はしトモ先生
例えば、「やってみたいけど不安」という人は、人に頼るというのもアリだと思います。僕の場合は、SNSも含めた全ての発信の方向性を、アシスタント率いるクリエイティブチームが考えてくれています。たぶん、僕がひとりでやっていたら自己満足で誰にも伝わらない表現になっているはずです。
北澤 北澤
チームであれば、アイデアの壁打ちもできそうですよね。
はしトモ先生 はしトモ先生
そのとおりです。だから、事務所のスタッフや妻といった身近な人からのフィードバックも大事にしています。特に、妻の「家族のプライベートな内容は、絶対に出さないようにしてください」という言葉は、チームの最重要項目ですね! 
はしトモ先生 はしトモ先生
SNSの発信は、超えてはならないギリギリのラインを見極めることが重要なので、今から始める人は、「客観的な目線で意見をくれる人」が必須です。意見を言ってくれる人を見つけてから始めてほしいですね。
北澤 北澤
では最後に、この記事をご覧になっている司法書士の方々へメッセージをお願いします!
はしトモ先生 はしトモ先生
今後、司法書士業界は大手事務所と個人事務所の二極化が進み、今より業界内の競争は激しさを増していきます。圧倒的な資本力を武器に大手事務所が台頭していく中で、個人事務所はもう「待っているだけ」では仕事にありつけなくなるはず。
はしトモ先生 はしトモ先生
そんなとき、個人事務所の武器となるのは「人間性」や「親近感」です。そこをSNSで発信して、見込み客に顔を覚えてもらう。特に、司法書士業界はまだまだSNSによるブランディング活動が一般的ではない。そんな今だからこそ、逆にチャンスだと思います。
はしトモ先生 はしトモ先生
僕は、多くの司法書士がSNSを活用して、業界全体が盛り上がっていったらいいと思っています。競合ではなく、仲間でありたい。一緒にSNSのことを話したい。だから、僕の発信を見て「SNSを始めてみたい」と思ったら、ぜひ相談してほしい! お手伝いさせていただきますよ!
北澤 北澤
本日はたくさんのお話、ありがとうございました!
はしトモ先生 はしトモ先生
お相手は、ゆいごん伝道師はしトモでした!
北澤 北澤
!?
はしトモ先生 はしトモ先生
それじゃ、みなさん。また会おう!
北澤 北澤
はしトモ先生! やりたい放題しすぎです!

まとめ

観る者に絶大なインパクトを与える発信の裏に隠れた、堅実なSNS戦略。それによって得られた数々の成果。今回のインタビューで垣間見えたはしトモ先生のSNSブランディングの手法は、今後の司法書士のニュースタンダードになっていくのかもしれません。

本記事をきっかけに、SNSによるブランディングや集客に興味を持った方がいれば、お気軽にはしトモ先生へご連絡を!

はしトモ先生のインタビューの様子は、動画でも配信しております。今回の記事では収まりきらなかった話もお伺いしていますので、ぜひご覧ください。

余談

インタビュー終了後、はしトモ先生から「北澤さん、よければ一緒に動画に映りませんか? TikTokに投稿させてください!」とお誘いいただき、急きょTikTok用の動画を撮影することに。

隙あらばSNSの発信に紐づけるはしトモ先生の行動力に、身が引き締まる思いとなりました! はしトモ先生、ありがとうございました!

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 北澤

コンサルタント

担当職種:
  • 司法書士

リーガルジョブボードの司法書士専門の転職エージェント。キャリアの選択は一過性のものではありません。人生を振り返った時に「あの転職は最善の選択だった」と言えるような転職支援を心掛けます。またご転職にあたっては、職場の雰囲気等の求人票に現れない部分もお伝えできるよう、事業所への取材を定期的に行っております。職場選びでお悩みの方はお気軽にご相談ください!

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