弁理士

特許事務所の大手・中小の特徴や違い・転職先の選び方

by LEGAL JOB BOARD 三島善太

コンサルタント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許技術者

こんにちは。弁理士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の三島です。

本記事では、弁理士や特許技術者の方が「特許事務所の大手・中小の特徴や違い・転職先の選び方」について解説します。

弁理士や特許技術者の主な転職先となる「特許事務所」。そんな特許事務所は全国に、大手から中小までさまざまに存在します。

あなたに合った特許事務所の選び方についても解説しますので、特許事務所への転職でお悩みの方は最後までご覧ください。

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特許事務所の特徴や違い(規模別)

一口に「特許事務所で働く」と言っても、実は規模ごとによって働き方や環境が変わります。

  • 大手の特許事務所
  • 中規模の特許事務所
  • 小規模の特許事務所

それぞれにおいて異なるので、詳しく解説します。

大手の特許事務所

大手事務所は、弁理士・特許技術者だけではなく事務員、調査員とさまざまなスタッフがおり所員100名以上の事務所を指します。

ビジネス街の一等地に事務所を構えており、大手企業からの案件を多く受注しています。所員が多いので、分業で案件をこなしていることがほとんど。

機械・化学・ITなど分野に分かれているだけではなく、国内案件・内外案件・国外案件など国内のみなのか海外案件も含まれているのかで担当を決めていることがあります。

また、商標・意匠・調査・翻訳・図面と分野以外でもグループが分かれている事務所もあります。案件の受注から担当はせず、主な業務は特許出願業務です。

様々な案件に携わるというより、一つの分野でプロフェッショナルになることができます。飛びぬけて稼げるというより、年収はどの職種も平均的な印象です。

案件量が安定+業務フローがある程度固まっているため、一般企業のような働き方です。

【キャリアアップ方法】
大手事務所で部署が分かれているため、リーダーや主任といった役職につくよう、上を目指しキャリア形成する方法があります。入社した事務所と肌が合うのであれば、同じ事務所で長く働きたいと考える方が多いです。その一方で、役職がつく人は一握りですので思ったように出世できないといった方も。

その場合は、大手事務所での経験をいかし、より良い条件の事務所への転職おすすめしています。

中規模の特許事務所

中規模事務所は、所員20~100名程度の特許事務所を指しております。

案件取得から特許出願まで一貫して担当するため、実力のある弁理士の割合が多く、経験者が転職する際に中規模事務所は人気が高い傾向にあります。

その理由として、かっちりしている大手事務所と比べ、業務さえこなしていれば、働き方に融通を利かすことが出来るため。

フレックス制・時短勤務・在宅勤務が可能な事務所も多い印象。

また、事務所にもよりますが、担当した案件の還元率が良い事務所があり、そうであれば案件をこなしただけ稼ぐことができます。

【キャリアアップ方法】
働きやすく、給与も自身の頑張りでアップすることが可能な中規模事務所は、同じ事務所で経験を積む方が多いです。パートナー弁理士として働き方を変えることができれば、パートナー弁理士を目指す方法があります。

下記の記事では、パートナー弁理士とは何か、年収やメリットをまとめていますので興味のある方は参考にしてください。

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小規模の特許事務所

小規模事務所は所員20名程度以下の特許事務所を指しております。

人数が少ないため、所長の色が事務所の雰囲気に反映されていることが多いです。

元々、所長と知り合いだったり、所長の人柄に惹かれて入職する方が多い印象。

自分の得意な分野の案件だけでなく、幅広い分野や意匠・商標を扱ったり、特許図面を自身で作成したりと特許出願に関わる業務全般を一人でこなすことがほとんど。

年収は事務所にもよりますが、大手・中規模と比べると少なめな傾向にあります。

ただし、実務経験が豊富な方だと高水準の給与を支給してくれるケースが一定数あります。

しかし、柔軟に働くことが出来たり、所長と昔から知り合いで入社していれば気心が知れている仲なので働きやすいと感じるでしょう。

【キャリアアップ方法】
小規模事務所は所員が少ないため、役職がないことがほとんどです。そのため、肩書きなどが欲しい方にとっては合わないかもしれません。

ただ、幅広い経験を積むことができたり、可能性が高いわけではありませんが、将来的に事務所を所長から承継してもらうチャンスがあったりします。

稼ぎたい!と考える弁理士は、今よりも条件のいい事務所へ転職するのがベストです。

転職先の選び方

働くスタイルにより、どの規模の事務所が合っているのかが変わってきます。

次は、タイプ別で大手・中規模・小規模のどの事務所が良いのかを解説します。

特許事務所の求人をお探しの方はこちら

▶︎ 弁理士の求人
▶︎ 特許技術者の求人
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知財業界未経験の方

知財業界未経験者は、大手事務所が無難。

特に、弁理士資格取得を目指す方には、弁理士試験休暇が用意されているケースもあるためオススメです。

ただし、小規模〜中規模で幅広い経験値を積むこともできる+大手で売上ノルマの高めな事務所だと、弁理士試験の勉強をする余裕がなく大変なので、ワークライフバランスが整っている小規模〜中規模に就業することもオススメです。

未経験者だと年収300万円台と平均的で、まずは知財業界の知識や業務経験を積むことが大切です。

また、経験を積んだ後、転職をするときにも大手事務所での経歴は拍がつき好印象をあたえます。

知財業界でキャリアを積んでいくのであれば、大手事務所からスタートをするのが無難でしょう。

ライフワークバランスを大切にしたい方

働き方を大切にしたいのであれば、中規模・小規模事務所がおすすめです。

中規模・小規模事務所はフレックス制・在宅・時短など働き方を相談できる事務所が多いです。

ただ、事務所によっては所員が少なく慢性的に忙しい事務所であればなかなか休みがとれないといったこともあるので、入社前にクリアにしておきましょう。

収入を重視している方

稼ぎたいと考えている方は、中規模事務所がおすすめ。

中規模事務所は、自分で担当した案件に対しての還元率がよい事務所もあり、案件をより多くこなし収入をアップさせます。

中には年収1,000万円越えの弁理士もいます。

ただし、売上に対しての還元率が良くないと年収が上がりにくいため、転職活動をする際に還元率について注意して調べておくと、入職後に思ってたよりも給料が上がらないな、というミスマッチを防げます。

または、人をまとめるのが得意な方は、大手事務所で管理職を目指すのも現実的です。

独立を考えている方

独立を考えている方は、所長との距離が近い小規模事務所がおすすめです。

開業を目指すためには、弁理士業務だけではなく、案件取得からヒアリング、特許出願業務を一通りこなせるようにします。

所長を見て学べる小規模事務所で力をつけて独立を目指すのがよいでしょう

自分に合う特許事務所へ転職する方法

自分に合う特許事務所へ転職するには、まず自身が将来どうなりたいのか、それを叶えるためにはどのようなタイプの事務所が合っているのかを分析します。

分析後、合う事務所の求人を探すのですが、求人票を見ただけでは実際にどのように働けるのか、あまりわからないのが現状です。

そんな時は、転職エージェントの利用をおすすめしています。

業界トップクラスである弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)は、弁理士・特許技術者の転職エージェントサービスを展開しております。

弁理士・特許技術者ともに転職実績が多数ございます。

また、求人作成の際に細かなヒアリングをおこなっていますので、より求職者に合う事務所をご紹介できます。

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まとめ

  • 大規模事務所は、分担制で業務をしており平均的な年収を得ることができる
  • 中規模事務所は、実力は弁理士が多く自身の努力次第で高給与目指せる
  • 小規模事務所は、所長との距離が近く、独立を考える方におすすめ

特許事務所は規模により、特徴に違いがあります。

特徴を知ることで、自身がキャリアステップを積むにはどの規模の事務所が合っているのかを見極められますので、ぜひ本記事を参考にして転職活動にいかしてください。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 三島善太

コンサルタント

担当職種:
  • 企業知財部
  • 弁理士
  • 特許技術者

リーガルジョブボードの弁理士や特許技術者・企業知財部などの知的財産分野を専門とした転職エージェント。多数の紹介実績を持つ。希望に沿った就職・転職先の紹介や、 転職相談会・キャリアカウンセリングを随時開催中。転職のちょっとした疑問や心配ごとでもご相談いただけますので、お気軽にご連絡ください。

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