特許事務所の筆記試験(採用試験)対策|出題内容や傾向など
by LEGAL JOB BOARD 三島善太
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。弁理士や特許技術者の就職・転職を支援する「リーガルジョブボード」の三島です。
本記事では、「特許事務所の筆記試験(採用試験)の出題内容・傾向」を解説します。
弁理士・特許技術者を志望する場合、特許事務所の選考ではよく「筆記試験」が課されます。
応募書類や面接の出来は非常に良かったにもかかわらず、筆記試験で基準に達することができずお見送りになってしまう方が実は多くいらっしゃいます。
特許事務所への転職を考えている方、これから選考を控えている方は、ぜひ本記事を参考になさってください。
特許事務所で筆記試験が課されるワケ
転職活動で特許事務所へ応募する際、面接と一緒に「筆記試験」を課されることがあります。
それは、面接の受け答えや経歴・人柄とは別に、スキルや地頭の良さを見定めることが目的です。
経歴が完璧で好感が持てる人柄であっても、筆記試験で事務所側が求めるレベルに達していなければ採用を見合わせる特許事務所が多いです。
筆記試験で落とされてしまっては大変もったいないので、試験前にしっかり対策を練っておきたいところですが、どのような問題が出題されるかは基本的に教えてもらせません。
そこで、本記事では出題内容やその傾向を解説します。筆記試験の本番で焦ってしまうことのないよう、ぜひ参考になさってください。
出題内容・傾向を解説
では、よく出題される内容とその傾向を解説します。
英語力を測る試験(TOEIC)
英語力を求めている特許事務所でよく出題されるのが、TOEICの問題。
一般ビジネスレベル、日常会話レベルの英語力がどの程度あるのかを見極める目的があり、事務所側が求めている水準は700点~800点程度が一般的です。
TOEICはリスニング100問・リーディング100問の計200問が出題されます。試験時間は合計2時間です。
さまざまな問題集が出ていますので、腕試しとして試験前に解いておくと良いでしょう。
SPIテスト
SPIテストとは、就職活動で使われているWebテストです。言語・非言語・英語・構造的把握力を含む能力検査と、性格検査の5科目から構成されています(※出題内容は事務所によって一部異なる可能性があります)。
能力検査の出題内容は以下のとおりです。
◾️基礎能力検査・言語分野
・二語関係
・熟語
・語句の用法
・文の並び替え
・空欄補充
・長文読解
◾️基礎能力検査・非言語分野
・推論
・順列
・割合と比
・損益算
・料金割引
・仕事算
・代金清算
・速度算
・集合
◾️英語検査
・同意語
・反意語
・英英辞典
・空欄補充
・長文読解
◾️構造的把握力検査
・非言語:問題の構造が似ている組み合わせを選択
・言語:文の前半・後半や2文の関係性の違いによって分類
SPIに絶対的な合格点はなく、事務所によって判断基準は異なります。
実際に受験された方からは、「問題数が多くて時間以内に終わらなかった」という声も。事前に例題などで対策しておくことが、本番でのスムーズな解答につながるでしょう。
明細書の要約
事務所によっては、実務に沿った課題を出されることもあります。
特許事務所の実務では、明細書の要約があります。明細書の要約書に記載するように、発明をわかりやすく簡潔にまとめる必要があります。
内容としては、応募した事務所が得意としている分野や、応募者が担当する分野に関する出題が多いです。またその分野の最新技術や、注目されている技術に関する内容であるケースもあります。
出題されるであろう分野に関する専門知識や最新の情報をキャッチアップしておくことで、スムーズに取り組むことができるでしょう。
文章作成問題
文章作成の問題を出題する事務所もあります。内容は様々ですが、例として以下のような問題です。
- 特許事務所で扱っている技術分野を説明しなさい
- 指定の技術に関して特徴のある仕様を書きなさい
明細書と同じく、事務所の得意とする分野から提出される傾向にあります。
文章作成では「文章力」を見られているのか、「分野知識」を見られているのかは、事務所によって異なります。
また当日の試験となる場合もあれば、面接の数日前に課題を出されて当日提出するパターンもあります。
「特許事務所の選考に不安がある」「自力では得られない事務所の情報を知りたい」といった方は、リーガルジョブボードの弁理士・特許技術者専門エージェントまで、お気軽にお問い合わせください。
筆記試験では何を見られているのか
5割以上の特許事務所では、筆記試験で「英語力」「技術力」「文章力」が求められています。
どの部分を特に重視しているかは、事務所によって様々です。
例えば、「文章力は後からスキルを磨けばいいから、英語力を重視している」という事務所もあれば、「事務所が得意とする分野知識を深い部分まで理解している人物がいい」という事務所もあります。
そのため可能な限り、該当の事務所の筆記試験に関する情報を収集する、試験対策を十分にしておく、といったことが重要でしょう。
リーガルジョブボードの弁理士・特許技術者専門の転職エージェントは、事務所ごとの選考・筆記試験の出題傾向などの情報把握に努めています。
特許事務所への転職・就職をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また他にもエージェントを利用するメリットとして、
- 業界知識や情報を把握しながら就職活動ができる
- 希望に沿った求人の紹介、書類添削、面接対策などが受けられる
- 複数の選考を並行しながら、効率よく進められる
などがあります。転職活動に少しでも不安のある方、プロからのサポートを受けたい方は、ぜひご活用ください。
まとめ
本記事のまとめは以下のとおりです。
- 特許事務所の採用選考においては、経歴や人柄に申し分なくても、筆記試験の結果次第では採用見合わせとなる可能性あり。
- 特にTOEICとSPIテストは、事前に勉強・対策しておくのがベターである。
- 筆記試験では「英語力」「技術力」「文章力」が求められている。
参考文献
- リクルートマネジメントソリューションズ
・適性検査「SPI」とは? - 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
・TOEIC® Programとは - ONE CAREER
・【SPI対策】全問題形式を完全網羅!練習問題&解答一覧