「深見特許事務所」の職場・採用インタビュー①|所長様におうかがいしました
by LEGAL JOB BOARD 三島善太
コンサルタント
- 担当職種:
※本記事のインタビューは2021年1月13日に行われました
こんにちは。知財の転職エージェント「リーガルジョブボード」の三島です。
今回は「深見特許事務所」の所長様に独占インタビューを行いました。
この記事は深見特許事務所について詳しくお伺いした記事です。
- どんな事務所なのか
- 何をやっているのか
- どんな人がより活躍できるのか
などについてお聞きしたので、応募や選考を考えている方はぜひご覧ください。
※弊社では、リーガルジョブボードに求人をご掲載されている事務所様・企業様のインタビューを行っております。
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この記事の目次
インタビューにご協力いただいた方:木原美武所長
大阪府立大学工学部電気工学科でパワーエレクトロニクスの研究に従事。
その後、大学院に進学するも途中で国家公務員試験に合格したことから修士1回生で中途退学して1981年に特許庁に入庁。
特許庁勤務34年の間、電気加熱、燃焼制御、照明、交通制御、電力制御、画像制御、エンジン制御等の特許出願に係る審査・審判に従事。
また、特許制度・運用の改正、ペーパーレス計画の推進、年次報告書や知財戦略事例集の作成等、知的財産行政を多岐にわたり担当。米国ワシントンDCにも駐在。
最後の2年間は、特許技監として、審査・審判全体を総理・総括すると共に、特許庁を代表して各種国際会議や国際シンポジウムに参画した。
2015年10月、深見特許事務所第3代所長に就任。
木原所長、深見特許事務所について
特許庁のバックグラウンドを持つ木原所長
ー所長に就任されてから大変だったことを教えてください。
2015年10月に所長に就任しまして、今6年目となりました。
経歴を見ていただいたらわかります通り、特許庁で34年と4か月お世話になりまして、そのあと深見特許事務所に入ってすぐに所長になったので事務所をどう経営していくのかがまず大変なところでした。
特許庁は国の機関で倒産することはありませんが、特許事務所は数多く存在し、当然、倒産するリスクがあります。
そういう中で深見特許事務所をどう存続させるのか、所員が250名強いるんですけれども、そのご家族も含め皆さんの生活をどう守っていくのか、もちろんこれまでお世話になってきたクライアントさんのご期待にどう応えていくのか、そういった事務所経営がまずは大変なところでした。
さらに、現在は、このコロナ渦の中でいかにしっかりと仕事を続けられるようにするのかも大変なところです。
所員の安全、安心をいかに守るのか、併せて業務を安定的に遂行させてクライアントさんにいかにご迷惑をかけないようにするのかというところが重要なところです。
ー特許庁から深見特許事務所に移るきっかけなどはあったのでしょうか?
私は大阪府立大学の電気工学科を卒業してマスターコースに進んだんですけど、マスターの1回生の時に国家公務員試験に合格いたしました。
その後、特許庁からの強いお誘いもあって大学院を中退して特許庁のほうに入庁し、まずは審査官として頑張っていこうと決心しました。
その時に、私の担当教授だった方が学科の大先輩で弁理士として大阪で活躍されている深見先生を紹介しようと言ってくださいまして、今から40年前に深見先生に初めてお会いしました。
そして、その時、出身が和歌山県と偶然同じであることも知りました。
特許庁に入った後も大阪府立大学出身者の知財勉強会などで年に1、2回は交流があってお付き合いが続いていました。
その後、深見先生が会長に就任されまして、2代目所長に森田先生がなられました。
しかし、森田先生がご病気で出勤できないということになり、3代目を探そうとなったそうです。
その時に私の特許庁退官のニュースが深見先生に入り、私に事務所を継いでもらえないかというお話がありました。
役人の経験しかない私に所長が務まるかと随分悩んだのですが、熱心にお誘い頂き、最後はお受けする大決心を致しました。
ー特許庁時代の経験で今役立っていることはありますか?
自ら審査官、審判官をやっていたという経験から審査官・審判官側の気持ちが良く分かるのでどのように審査官・審判官を説得すればよいのかを所員に指示しやすいですね。
それから3年間ワシントンDCにいたことや、企業の知財部の方々と広くお付き合いがあったことで自然と出来た国内外の人脈を今も活かすことができています。
社員の声を大切に!
ー木原所長が大切にされていることはありますか?
私が所長に就任して最初にやったことの1つは、所員一人ひとりと個別に希望調査面談をするということでした。
弁理士だけでなく、全所員に対し経歴や、自分が今後どういう仕事をしたいのか、あるいは深見事務所にどういう課題があるのかなどを紙に書いてもらって、1年ほどかけて250人全員の面談を行いました。
そういう対話がいいなと思いましたので今も続けているのですが、私の時間が十分取れなくなってきましたので他の幹部職員と手分けしながら今は進めています。
私自ら全員と面談できないのは非常に残念なのですがそういった形で今も一人ひとりの声を聞いて、事務所の進むべき方向などのヒントにしています。
ほかに、採用時の面接を非常に重要視しています。
私も採用面接に必ず出席して、直接しっかりとお話を伺い、さらに、内定を出した後にもう1度、1対1でお会いして期待する姿などをお伝えさせていただいています。
一人ひとりがどういった方で、どういうバックグラウンドや考え方をお持ちなのかを理解しておくことは、非常に重要と考えています。
ー先ほどからお話を伺っていて所員の方をとても大切にするという印象があるのですが、なぜそこまで所員の方を大切にされているのですか?
所長就任の挨拶で、所長を引き受けたからには所員の皆さんが楽しく、やりがいをもって仕事ができる職場にする、と宣言いたしました。
自分の中でもちろんクライアントさんも大事なのですが、それと同じくらい所員の方々の幸せも大事だという風に考えています。
現在の深見特許事務所について
リモートワーク推奨
ーリモートワークはやられていますか?
リモートワークを推奨しています。
弁理士や翻訳の方は特にリモートワークが向いていると考えていて、生産性との兼ね合いも見ながら週に3日まではリモートワークをやってもいいということになっています。
チームワークを重視
ーチームワークと個人どちらを大切にされていますか?
深見特許事務所は、所員一人ひとりが有する多様な能力をそれぞれ発揮しながら、チームとして協調、協力する体制が整っていると思います。
弁理士1人で全てができるかというとそうではありません。
事務職員や、翻訳、システムエンジニアの方々のサポートがあってチームとして初めて成り立っています。
ーなるほど。その体制は先生が入られる前から出来上がっていたものなのですか?
そうですね、出来上がっていましたね。
弁理士でしかできない仕事に弁理士を集中させるには周りの作業をサポートする体制が重要です。
こういう体制は創業者である深見先生が作り上げてきたものです。
ーチームはクライアントごとに分かれているのでしょうか?それとも技術分野ごとに分かれているのでしょうか?
見方としては両方ありますね。
専門部門の方は電気情報系が3つに分かれていまして、機械系が2つ、化学バイオ、意匠、商標法律など技術等専門分野ごとに縦割りになっています。
しかし、例えば大企業のクライアントさんの場合、いろんな技術を扱われていますので、1つの部門のみで対応することが困難になることがあり、そのような場合には複数の部門で協力しながら対応しています。
次の50年へ!
ー事務所の目標などはありますか?
50年続いてきた事務所なので次の50年につなげていきたいですね。
そもそも深見先生は大学ご卒業後、シャープ(株)に入社され、知財の仕事をされていたのですが、その時、関西の企業がわざわざ東京の特許事務所に依頼しているのを見て、自らがワンストップで知財サービスのできる特許事務所を大阪に作ろうと思い、事務所を設立されました。
その気持ちを私自身も受け継いで東京の事務所に負けない事務所にしていきたいですね。
スキルアップするなら深見特許事務所!
1人1人がオールマイティー弁理士を目指して
ー事務所のアピールポイントはありますか?
事務所によっては特許技術者といわれる弁理士資格のない人が何人も1人の弁理士について仕事をするというところもあると思うんですけれども、私共の事務所の場合、特許技術者は現時点で10人しかいないんですね。それに対して弁理士は88人います。
これが何を意味しているのかといいますと、私共の事務所は、例えば特許ですと、弁理士自らが直接発明者さんと向き合って、明細書やクレーム作成等の作業を行い、出願に結びつけ、その後も最後まで担当していきます。
そして、海外への出願も同じ弁理士が担当します。このやり方は分業制よりも効率が悪いかもしれませんが、1人、1人がオールマイティーに活躍できるようになることを目指しています。
そのため、マンツーマンでの徒弟制をとっていて、先輩弁理士が後輩弁理士を教えて、先輩弁理士のコピー弁理士を作るくらいしっかりと教える体制としています。
また、外国の知財制度や運用に精通するよう、海外から特許弁護士が来所した際にレクチャーをお願いしたり、米国や欧州のローファームがやっている2~3週間単位の有料の研修制度に参加させたりしています。欧米それぞれ1回は行ってもらうように年に5、6人は派遣しています。今はコロナで残念ながら中断していますが。
また、力をつけてきた人には中国とか韓国、台湾のお付き合いのあるローファームに何週間か滞在させてもらって、現地の手続きを勉強せてもらったりもしています。
さらに、年に1人ですが、米国ワシントンDCのローファームに半年間滞在させてもらい、実務を学びながら、米国での特許出願代理資格であるパテント・エージェントの試験にトライするコースもつくりました。これまで4名派遣し、全員が試験に合格して帰国しました。
採用について
事務所選択に後悔はさせない
ーどういった方が貴所に向いていますか?
1人の組織人として動ける人ですね。
また、クライアントさんのご期待にお応えすべく、高い気概と大きな熱意を持って仕事を進めることができる人ですね。
他方で、疑問に思うことをしっかりと聞いていける人、改善点をどんどんと言ってくれる人もありがたいです。
深見特許事務所の50年の歴史の中で素晴らしい文化が根付いてきているんですけど、その中で出来上がったルールの中には、ルールを作ったときには最適であったかもしれないけれども今はどうなのかと疑問に思うものがあります。そういうルールを変えていこうと思っています。
常に時代に合った形で、ルールや、方法を変えるということを所員全体に浸透させていきたいという気持ちが強いので、そういう考えに賛同していただける方はこれからの深見事務所に向いていると思います。
ー面接時に見ているポイントはありますか?
実はいろんなことに注目していてですね、経歴ももちろんお聞きするんですけれど、なぜそういう道を選んだのかなど、過去のその時々にどういう考え方でその道を選ばれたのかをお聞きしてますね。
あと、人間ですから心身ともに疲れることも当然あるので、どういう風にしてリフレッシュされているのかということも必ず聞いていますね。
その選択が良かったのか、良くなかったのかは別として、その人その人がどういう風な考え方でその経歴を選択したのかというプロセスをお聞きしています。
ですから、特許の世界にいきなり来た人には、「どうして特許の世界に来たの?」と尋ねることになります。
ー最後に転職者の方に向けて何かPRしておきたいことやお伝えしておきたいことはありますか?
採用の内定を出した方にいつも伝えているのが「深見事務所を選んだことに後悔はさせない」ということです。
私は3代目で創業者が産んだ子供を預かっているわけなんですが、預かった以上さらに立派に成長させていくという責務があると思っています。それを全うするために頑張っていきます。
転職希望者の方にはまずは深見事務所の存在を知ってもらって、トライしてもらいたいという気持ちがあります。
残念ながらご縁がないということもあるとは思いますが、事務所を試すつもりで来てほしいというのが正直な気持ちです。
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