【2023年】測量技術者(測量士)の勤務実態|残業時間・年収を解説!資格取得おすすめ度も
by LEGAL JOB MAGAZINE 編集部
編集部
こんにちは。測量士専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」です。
本記事では「現役の測量技術者58名の仕事に関する調査データ」を公開いたします。
具体的には、以下のようなデータをまとめています。
現役で測量業務に従事されている方は、自身の状況と照らし合わせていただき、仕事・キャリアについて振り返るきっかけとしていただけますと幸いです。
測量士・測量士補になることを検討されている方は、リアルなデータを把握することで、就業後のイメージが掴みやすくなるはずです。ぜひ参考になさってください。
※今回の調査は、測量技術者(測量会社にお勤めで測量業務に従事している方)を対象に実施しており、回答者には測量士・測量士補の有資格者と無資格者が含まれています。
この記事の目次
調査概要
リーガルジョブボードでは、測量会社にお勤めの方を対象にアンケートを実施しました。
対象者 | リーガルジョブボード会員(※測量経験1年以上) |
調査期間 | 2023年7月1日~2023年7月22日 |
回答者数 | 58名 |
回答者の属性 | 年齢:20代 10名、30代 17名、40代 10名、50代 16名、60代 5名 性別:男性 55名、女性 3名 |
実施者 | リーガルジョブボード 土地家屋調査士・測量士チーム |
測量士の年収を条件別に分析
まずは、今回の調査全体での年収の分布です。
年収300~400万円未満が最多
年収300~400万円未満が最多、続いて年収400~500万円未満が多いという結果でした。年収300~500万円未満にあたる方が、全体の約7割を占めています。
このあとは、「測量士資格の有無」や「年齢」、「メイン業務(民間・公共)」の条件別に年収の傾向を探ります。
測量士資格の有無別の年収
測量士資格なしに対して、資格ありでは、年収300万円未満の割合が少なく、年収500~700万円以上の割合が多くなっています。今回の調査では、測量士の資格の有無によって、年収帯やその分布に違いが見られました。
測量経験年数別の年収
測量経験の年数が上がるほど、年収300万円未満の割合が減り、年収400~700万円以上の割合が広がっていることが分かります。年収600~700万円以上は、経験5年以上のみで確認できました。
経験5年前後になってくると測量士資格を取得する方、測量士資格を活かして主任技術者を担当する方が増加します。そのため、年収500~700万円未満が一定数いると考えられます。
メイン業務(民間・公共)別の年収
メイン業務別の年収では、大きな変化や傾向は見られませんでした。メイン業務よりも、資格の有無や経験年数などが年収に関係していると考えられます。
測量技術者の年収満足度は?
年収満足度は「どちらともいえない」が最多で、続いて「不満」が多くなっています。「満足」の割合が最も低く、「とても満足」と回答した方はゼロでした。
全体的に、年齢や経験年数、残業時間などに対して、思うような年収が得られていないと感じている方が多いと考えられます。
測量士のリアルな残業時間とは?
まずは、今回の調査全体での残業時間の分布です。
残業時間は「月平均10~20時間未満」が最多
今回の調査では、残業時間は月平均10~20時間未満の方が最多でした。残業時間に関しては、ほぼなし~50時間以上まで幅広く回答がありました。
全体の約7割は残業20時間未満という結果に、驚きを感じた方もいらっしゃるかもしれません。建設業の2024年問題(※)対策や、ドローンやスキャナーといった最新技術の発展により、測量士業界でも残業時間が減少傾向にある可能性が考えられます。
※建設業の2024年問題とは、2024年4月から適用される「働き方改革関連法」に合わせて、解決する必要がある労働環境問題のこと。
測量経験年数別の残業時間
どの経験年数でも、残業10~20時間未満が最も多いという結果でした。残業50時間以上は、経験5年以上に最も多くなっています。
メイン業務(民間・公共)別の残業時間
民間メインよりも公共メインの方が、残業が比較的少ない傾向が見られます。また、民間メインでは残業ほぼなしの回答がゼロでした。
公共案件よりも民間案件の方がスピード感が求められ、納期がタイトになりやすい傾向にあります。そのため、このような結果になったと思われます。
※民間メイン、公共メイン、どちらも均等以外の、その他の1名は除く。
測量士・測量士補資格の取得割合
測量士・測量士補の資格取得の割合は、以下のような結果でした。
全体のうち、測量士の資格は約6割が、測量士補の資格は約8割が「持っている」と回答。
測量士補は、大学・短大・専門学校で測量に関する科目を修了して取得した方と、試験で取得した方がほぼ半分ずつでした。測量士よりも取得難易度が低いため、このような結果になったと考えられます。
測量士補・測量士資格の取得おすすめ度
「取得する必要を感じない」を1、「強くおすすめする」を10として、測量士補・測量士資格の取得おすすめ度を10段階で聞きました。おすすめする理由・おすすめしない理由も一部抜粋で紹介します。
測量士補の資格取得おすすめ度・その理由
測量士補の資格取得のおすすめ度は、「強くおすすめする(10)」が最も多くなりました。平均値は6.5です。おすすめする・おすすめしない理由として、以下のような回答が寄せられています。
▼おすすめする理由
・測量の基礎知識が養えるから。
・土地家屋調査士試験において午前の部を免除されるから。
・持っていて損はない。
▼おすすめしない理由
・士補のみではあまり役に立たないので。
・無くても(仕事が)できるのが実情。
測量士の資格取得おすすめ度・その理由
測量士の資格取得のおすすめ度は、「強くおすすめする(10)」が最も多くなりました。平均値は7.3で、測量士補よりも高くなっています。おすすめする・おすすめしない理由は、以下のとおりです。
▼おすすめする理由
・公共案件で主任技術者となるため。
・転職に有利。
・対取引先への信頼性。
・業務の幅が広がるから。
▼おすすめしない理由
・実用性と資格取得難度が釣り合っていない。
・無くても(仕事が)できる。
測量士資格は何歳でどうやって取得する?
今回の調査では、26歳の時に測量士資格を取得した方が最も多くなりました。全体的に見て、25~30歳頃に取得する方が多い傾向にあるようです。
※測量士資格者のうち3名が取得時の年齢について未回答。
ちなみに、「測量士資格はどのように取得しましたか?」という質問に対しては、33名中24名が「大学・短大・専門学校にて取得後の実務経験を経て」と回答。残り9名は「試験」と回答しています。
仕事の悩みは「人間関係」や「年収」
「今のお仕事でのお悩みは?(複数回答可)」という質問では、以下の選択肢を選んだ方が特に多くなりました。
・人間関係(労働環境)
・年収が低い
・教育制度が整っていない
・業務内容がやりたいことと異なる
人間関係(労働環境)の悩みは、測量の仕事は誰かと一緒にいる時間が長いこと、業務上の関係者が多いことに起因すると思われます。これは、測量技術者ならではの労働環境の特徴です。
具体的には、社内のメンバーとは移動から測量、帰社まで行動を共にするほか、社内外の設計職・施工管理の方ともコミュニケーションを取る機会が多いです。立場によっては依頼主と打ち合わせをすることもあります。
仕事の悩みに関連して、「もし転職する場合に求める条件は?(複数回答可)」という質問では、年収や業務内容、人間関係の改善を求める方が特に多くなっています。
9割以上が「転職経験あり」と回答
今回の調査では、全体の9割以上が一度は転職を経験していることが分かりました。測量業界では、経験者は常に売り手で転職しやすい傾向にあります。
しかし、弊害として、選考ハードルが高くないがために、相互理解が深まらないまま採用・入職となることも。結果的にミスマッチによる不満が生じ、さらなる転職に繋がるケースがあります。
複数回転職している方が一定数いるのは、このような業界の課題が関係しているかもしれません。
測量士が就職・転職で苦労したことは?
「転職・就職で苦労したことは?(複数選択可)」という質問には、「自分の希望・適性にあった求人が見つからない」という回答が最も多く寄せられました。その他に、以下の回答も多かったです。
・自己分析(転職する目的の整理、スキル・キャリアの棚卸し等)
・応募書類の準備(履歴書・職務経歴書等)
・情報収集(業界、職場選びに関して等)
これらのお悩みは全て、「リーガルジョブボード」の測量士専門エージェントを活用することで解消が目指せます。
希望に沿った求人のご紹介はもちろん、自己分析や書類添削、面接対策など、就職・転職活動のスタートからゴールまで、業界知識が豊富なエージェントが全面的にサポートいたします。
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今回の調査結果を、ご自身の仕事やキャリアについて考える一助としていただけますと幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。