測量士

測量士の年収や給与形態・賞与額の決まり方や年収の上げ方

by LEGAL JOB BOARD 篠原

転職エージェント

担当職種:
  • 土地家屋調査士
  • 測量士

こんにちは。 測量士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の篠原です。

今回は、「測量士の年収やボーナス・給料の決まり方」について解説します。

収入を上げる方法も紹介していますので、測量士の方や測量士を目指そうと考えている方は、ぜひご覧ください。

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測量士の年収について

測量業界は年収幅が大きく、経験年数などにかなり左右されます。

地域差はありますが、

  • 1〜4年:200万~300万円
  • 5〜10年(チームリーダー、主任):500万円
  • 10年以上(かなり上の役職に就く):700万~800万円

が一般的な目安となっています。

測量業界は、働き始めは給料が少ない傾向にあります。

ただ、同じ会社で働き続け、即戦力と認められれば給料は格段とアップする業界でもあります。

転職による年収の減額について

よく「転職すると年収は下がる?」と聞かれることがあります。

確かに、働き始めは収入が少ない傾向にあり、転職によって年収が下がる可能性が高いです。目安としては、今の年収の「マイナス100万円」ほどです。

しかし、実務経験や即戦力さえあれば、高年収で転職することも可能です。

実際、リーガルジョブボードをご利用いただいた経験豊富な測量士の方は、転職後の給料が500万円ほどという事例もございました。

年収・給与形態の例やモデルケース

測量士業界でメジャーな給与形態は、「基本給が安く、ボーナスが多い」というものです。

公共系測量(道路・トンネル・公共の建物などの測量)と、民間系測量(家と家の境目を測るなど、司法書士の登記などに付随した測量)どちらにも共通する部分です。

特に規模の小さい事務所は、業績が好調な時にボーナスで社員に還元し、業績が思わしくないとボーナスが減るというケースが多いです。

規模の大きい事務所は、測量以外の収益もあって基本給が上がる分、ボーナスの額は期待できないパターンが多いです。

ベテラン測量士の年収モデルケースを紹介します。

  • 年収700万円
  • 基本給は約35万
  • ボーナス年に3回(夏3ヶ月分・冬3ヶ月分・年度末1ヶ月分)

基本給はそこまで高くありませんが、ボーナスが多いため年収としてみると高くなります。

給料の上げ方やボーナス・賞与額の決まり方

測量士の業界で一番大切なのは、社内評価です。

給与や昇級などさまざまな要素に関わります。測量士は数字に換算しにくい仕事であるため、特に重要だと言えます。

実績・勤務態度を社内評価の基準にしているケースが多いです。

クライアントからの評価や測量の正確性のほか、納品日に間に合ってるか、チームの一員として働けているかなど、技術以外のことも評価対象になり得ます。

もちろん、全ての組織がそのような体制であるとは言い切れません。

しかし、今まで数多くの測量士の方の転職を支援させていただいた私からして、コミュニケーション能力が高い方ほど高収入な傾向にありました。

高収入を得るためには、技術以外のスキルで評価される必要もありそうです。

専門的な測量になるほど収入は上がる

ドローンを使う測量や海の深さの測量など、専門的な測量は高収入になりやすいです。

近年、ドローンは測量業界の中で主流になりつつあります。精密さを増せば、今後はもっと需要が増えるでしょう。

そういった需要の高い測量は、高収入になる可能性が高いです。

また、海の測量は特に専門的で経験者が少なく、希少価値があります。

求人によっては、年収300〜500万円ほどの場合もありますが、実績次第では高収入が期待できます。

出世・昇級について

年収に大きく影響する出世や昇級は、公共測量と民間測量で大きく変わってきます。

民間の場合

民間は人数が少なく、比較的規模が小さいため、若手でも認められれば早く出世できます。

なかには、30歳で年収700万円の方や、ベテランと肩を並べて働く方もおり、給料やポジションが上がりやすいと言われています。

若手のうちに経験を積んで、出世したい方は民間の事務所に転職することを推奨します。

一方で、40〜50代になると年収が停滞することが多く、同世代と比べると収入が少なくなってしまう可能性も。

上級の管理職になる、経験を活かして大規模な企業に転職するなど、対策を考える必要があるでしょう。

公共の場合

民間に比べ、公共系だとスピード出世は期待できません。

しかし、民間と逆で、40〜50代での給与額は大きくなります。

役職につくまで時間はかかりますが、役職に就いた際は給与額が一気に上がります。

安定して働いていきたい場合は、公共測量の方がおすすめです。

年収アップや給与交渉に役立つ資格

測量士・測量士補以外で、年収アップや給与交渉に役立つ資格を紹介します。

収入を伸ばしたい方は、これらの資格取得をぜひご検討ください。

※公共と民間で役立つ資格が違うため、取得を考える際にはお間違えないようご注意ください。

【公共】地理空間情報専門技術認定

地理空間情報専門技術認定の資格は、各専門分野の技術取得の程度を「日本測量協会」が認定します。

公共測量業務に関する業務発注機関に、高い評価を得ている資格です。

測量士などの測量業務従事者がその業務において更に技術力を高め、専門部門の技術取得を示す資格であり、各分野を極めた証として取得できる資格とも言えます。

【公共】RCCM(シビル コンサルティング マネージャ)

シビルコンサルティングマネージャは、高度で良質な社会資本を整備するための建設コンサルタント業務を円滑・的確に実施するため、建設コンサルタント技術力向上を目的に創設された資格です。

例として、建設コンサルタント業務において、管理技術者として業務の全てに責任を持って管理・遂行するために必要な資格です。

この資格があれば「管理技術者」になれるでしょう。

技術士の一歩手前の資格とも言われているため、取得はかなり大変です。

【公共】補償業務管理士

補償業務管理士(ほしょうぎょうむかんりし)とは、補償コンサルタントの国土交通大臣登録に必要な補償業務管理責任者に就任する要件の一つとされている資格です。

例えば、都市開発などにより、新しく道路・河川・鉄道等の社会資本整備を進めるには、整備に影響する範囲を明確にし、支障となる土地・建物・営業等について、その土地の所有者・使用者に対する正当な評価による「補償」が発生します。

この時に活躍するのが、「補償業務管理士」です。この知識があると、公共の測量士として働く上で非常に役立ちます。

【民間】土地家屋調査士

不動産の表示に関する登記の専門家で、他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査し、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う資格です。

民間の測量をする上で一番幅が広がります。

企業にとって、測量士と調査士を1人ずつ雇わなくて良くなるので、給料に大きく影響してくるでしょう。

【民間】行政書士

「行政書士法」に基づく国家資格者です。

行政に関する書類や、法律的な権利義務・事実の証明に関する様々な書類の作成や手続を、企業や個人に代わって行い、手続に関するアドバイスを行うことができます。

例えば、お店の運営の許可関係は行政とやりとりをする必要があるため、行政書士でないとできない仕事です。

規模の大きい開発案件を受け持つ場合、行政書士資格を持っていると企業にとって助かるため、求められる人材でしょう。

基本的に業務で役立つというより、仕事の幅を広げるための資格です。

【民間】宅建士・不動産鑑定士

宅建士とは「宅地建物取引士」の略称。不動産取引の専門家(宅建士)を示す資格で、毎年20万人前後の受験者数を誇る最大規模の国家資格です。

不動産の売買や賃貸物件の斡旋をする際、土地や建物の専門知識を有していないクライアントに、詳しい説明ができるようになります。

不動産鑑定士とは、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格であり、不動産の経済価値に関する高度専門家です。

不動産の鑑定評価はもとより、それを基礎とし、土地の有効利用なども考慮したコンサルティング業務等も行うこともできるようになります。

この2つの資格から得られる知識は、業務に役に立ちます。様々な視点から提案ができるため、資格を持っていない測量士に比べ、差をつけることができるでしょう。

スキルアップを狙うなら技術士

技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最高位の国家資格です。

この資格を取得すると、科学技術に関する高度な知識・応用能力および高い技術者倫理を備えていると、国家によって認定されたことになります。

新しい道路や、河川、鉄道等の社会資本整備を設計したり、それらの建設をコンサルタントできるなど、かなり専門的な資格です。

取得が難しい資格ですが、価値のある人材になれるでしょう。

求人でよく見る「実務経験」の意味について

最後に補足として、求人票でよく見る「実務経験」の意味を説明いたします。

「実務経験=経験年数」と捉えがちですが、実は少し違います。

実務経験は経験年数ではなく、「どのポジションで働いた経験があるか」というニュアンスの方が強いです。

例えば、5年間補助として働いていた方よりも、3年間チームリーダーとして測量をしている方の方が市場価値は高くなります。

求人の応募条件に「実務経験がある方」と記載されている場合は、「どのような立場で実務経験を積んできたか」が重要視されます。

あなたの推定年収を算出できます

本記事を読んで、

  • いま転職したらどれくらいの年収になるんだろう
  • 今の年収よりも上がる測量士の求人はあるだろうか?

といった疑問をお持ちの方は、測量士専門の転職エージェントであるリーガルジョブボードに、ぜひご相談ください。

あなたの市場価値や、転職した場合の推定年収の算出、実際に応募可能な求人などをお伝えいたします。測量士専任エージェントへの相談のみでも、お気軽にご利用いただけます!

まとめ

測量業界は実績重視のため、年収は実務経験に左右されます。

  • 1〜4年:200万~300万円
  • 5〜10年(チームリーダー、主任):500万円
  • 10年以上(かなり上の役職に就く):700万~800万円

また、多くの会社で「基本給は低く、ボーナスが多い」傾向にあります。

民間と公共では、給与形態に若干の差があり、以下のようになります。

  • 民間:基本給が低めで、ボーナスは業績に応じて貰えるときはかなり貰える
  • 公共:基本給が民間より貰えるが、ボーナスはそこまで期待できない

また、測量士・測量士補以外で資格を持つことで、業務の幅が広がって給料が上がることも。

  • 公共系:地理空間情報専門技術認定・RCCM・補償業務管理士
  • 民間系:土地家屋調査士・行政書士・宅建士

転職をお考えの方はもちろん、自身の市場価値や、転職後の推定年収が知りたい方は、リーガルジョブボードにご連絡くださいませ。

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 篠原

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担当職種:
  • 土地家屋調査士
  • 測量士

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