働きながら弁理士試験に一発合格|リアルな受験生活とその原動力を探る【合格体験記】
by LEGAL JOB BOARD 正田
コンサルタント
- 担当職種:
こんにちは。弁理士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の正田です。
令和5年度 弁理士試験に合格された方への「合格体験記」第2弾として、三条晴明さんへのインタビューを実施いたしました。
一度の受験で弁理士合格を果たした三条さんに、予備校選びや受験生活、勉強のモチベーション維持の方法などを伺っています。
弁理士受験生の方や、弁理士試験の受験を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
▼合格体験記・第1弾はこちら
この記事の目次
三条さんのプロフィール
- 年齢:
30代前半 - 経歴:
中国出身で2012年頃に日本へ。中国の大学で法律を学び、日本の大学院へ進学。鉄道系メーカーの知財部を経て、現在は特許事務所に商標弁理士として勤務。 - 最終学歴:
大阪工業大学大学院 知的財産研究科 - 趣味:
ドライブ、アフタヌーンティーなど
知財に関わるからには弁理士資格を取得したい
大学院では知的財産を専門的に学び、就職した鉄道系メーカーで知財部員となりました。そのタイミングで、知財に関わるからにはやはり弁理士資格を取得したいと思ったんです。
実は知財部に異動になる前は、2年ほど現場で車両製造などに関わる仕事をしていました。基本的に全員が現場職としての採用だったこともあり、現場で一通りの経験を積んでから希望を出して知財部に異動しました。
知財部では特許関連の明細書などは、特許事務所に依頼する方針でした。まれに技術担当に代わって、詳細を文章に起こしたりすることはありましたね。
「独学よりも予備校」背景にはある考えがあった
弁理士という資格自体は知っていたものの、どこから手をつけて良いか分からなかったので…。試験に関する情報を一からネットで収集しました。
情報収集をして、まずは独学で合格を目指すべきか検討したんです。私は独学ではなく、予備校に通おうという結論に至りました。
というのも、弁理士資格で(仕事をして)ご飯を食べていくのが目標だったので、その通過点である弁理士試験には最短で合格したいと考えていました。
これまでに取り組んだ複数の資格勉強の経験もふまえ、短期間で合格を目指すなら独学より予備校だと判断しましたね。
通学講座よりも通信講座の方が低価格ですが、別の資格で通信講座が最後まで続かなかった失敗があり…(笑)。あとは、リアルタイムですぐに疑問を解消したいタイプなので、講師の先生と対面できる通学講座にしようと決めました。
その後の予備校選びでは、費用面よりも質を重視しましたね。それなりの金額がかかっても、短期間で合格するための「自分への投資」だと考えました。仮に1年で合格できれば、決して無駄にはならないので。
どの予備校にするかは、実際の講義や講師の様子で比較検討したかったので、無料体験講義を活用しました。別資格でその予備校を使っていた友人から口コミを聞いたりもしましたね。あとは自宅が鎌倉なので、通いやすい立地も重視してTACに決めました。
想像以上に大変だった受験生活&日々の勉強
※三条さんが実際に使用されていたテキスト
当時の上司が受験勉強に理解を示してくれており、あまり残業せずに帰宅して勉強できていたのがありがたかったです。1年間の受験生活を無理なく維持するためにも、睡眠時間は極力削らないようにしていましたね。
追い込みの時期は、土日どちらも朝7時頃から予備校で勉強をして22時過ぎに帰宅していました。早めに来て勉強に付き合ってくれる講師の先生がいたんです。講義後も先生に質問をしたり、論文式(選択科目)の民法の勉強方法について相談したり。土日は1日12時間以上、予備校にいました。
※ラインマーカーや書き込みがびっしりとされている三条さんのテキスト
質問の答えを一緒に考えることで思考の幅が広がるように感じましたし、自身の勉強にもなりました。それが楽しかったというか、通常の勉強とは違う方法で知識を深められたのが良かったです。
勉強法ですが、個人的には予備校のテキストでしっかりと勉強できていれば、十分に合格を目指せるのではないかと思います。講義内容を理解して自分の中に落とし込むため、講義の倍以上の時間を使って復習したりしていました。
あとは個人的な感想として、受験勉強の大変さは想像以上でしたね(苦笑)。先輩方の合格の裏にどれだけの努力があったのか、身をもって感じました。
ポジティブとネガティブの両方をモチベーションに
弁理士受験にそれなりの費用を投じて、土日も平日夜も勉強に費やしていたので、「金銭的にも体力的にも、今年必ず絶対に合格しよう」という気持ちがありました。まずこれが一つの大きな原動力になりました。
また合格後は特許事務所で働きたかったのですが、未経験ということもあり、35歳が一つの節目になりそうだと感じていました。
自身の年齢から逆算して猶予が無いと分かっていたので、「あと1回くらいはチャンスがある」と思わずに今回の受験で合格する前提で動こうと決意していました。
あとは大切な人と将来の話をした時に、目標などを何も考えられていないと気づいたんです。その当時は、毎日仕事を続けているだけという感じだったので…。その人に「弁理士になります」と宣言したことも、受験勉強のモチベーションの一つでしたね。
合格後までの楽しみとして取っておこうと考えるようにしていましたね。ただ全く息抜きをしていなかったわけではなく、週30分だけ(日曜朝に予備校へ行く電車の中で)SNSを見て良い時間を作っていました。
週30分のSNSチェックで、「合格したら行くぞ!」と思いながら趣味関連の情報を収集していました。趣味はドライブに行ったり、船の免許を持っているので船に乗ったり、ヌン活(アフタヌーンティー)をしたりですね。無事に合格できた今は、月1〜2回ペースでヌン活を楽しんでいます(笑)。
※三条さんが提供してくださったアフタヌーンティーの写真
転職・実務修習にも活きた合格祝賀会での交流
普通に仕事の日だったので、昼休みに覚悟を決めて確認しましたね。
論文式の必須科目は相対評価なので決して安心できず…。選択科目の民法も不安要素の一つでした。スクロールして自分の受験番号を確認した瞬間には「あったー!」と喜びました。最終合格を知った時の、受験生活が終わったという解放感は忘れられません。
合格後すぐに転職活動をしようと思っていたので、祝賀会では先輩弁理士とも積極的に交流しました。そして名刺交換した方には、対面で話した内容やその事務所で自分がやりたいと思っていることを添えて、御礼メールを送ったりもしましたね。
特にリーガルジョブボードの祝賀会やオフ会は、同期と転職やキャリアの話がしやすかったです。私は特許事務所に入りたかったので、特許技術者経験のある同期から事務所の話を聞いたり。あとは祝賀会で多くの同期と交流できたので、実務修習で同じグループになった際などに話しやすかったです。
弁理士としての展望&受験生に伝えたいこと
様々な顧客と関わることが自分の成長につながると思うので、フラットなコミュニケーションを心がけながら、顧客の要望を実現できるよう頑張っていきます。また弁理士会や専門団体の活動を通して、知財業界をより良くするための取り組みもしていきたいです。
弁理士を目指す目的や、合格後の目標を見失わず、自分を信じて合格を目指していただければと思います。また周囲の理解・協力への感謝を忘れず、周りの方との関係性も大切にしていってください。
リーガルジョブボードは、知財業界に特化した転職サイトです。
弁理士・特許技術者・特許事務・企業知財部の方、またこれらの職種への転職を検討中の方はぜひご利用ください。
担当職種ごとの専門エージェントが、一人一人に寄り添ったサポートを行わせていただきます。