
【セミナーレポ】企業内弁理士3名が語る!仕事内容や活躍できる人材の特徴

by LEGAL JOB BOARD 正田
キャリアアドバイザー
- 担当職種:

弁理士・知財職種のキャリア支援を行う「リーガルジョブボード」の正田です。
リーガルジョブボードと組織内弁理士協会の協業で、昨年10月末に開催されたセミナーの一部を、特別にレポート記事でお届けします。
最後にアーカイブ動画のご案内もございますので、ぜひご覧ください。
2025年4月10日(木)19時より第2回リーガルジョブボードと組織内弁理士協会協業セミナー&交流会の開催が決定しております。
今回は対面開催となり会場の都合で定員を設けさせていただいておりますので、お早めにお申し込みください。
リーガルジョブボードは、昨年10月末に組織内弁理士協会と協業で、「企業内弁理士を目指せる人の共通点とは?」というテーマのセミナーを開催いたしました。
当日は組織内弁理士協会に所属し、有名企業の知財部門で活躍する3名が登壇。
現在に至るまでのキャリア形成、日々の業務におけるやりがいや苦労など、ディスカッション形式でお話しいただきました。
本記事では、こちらのセミナーの内容を一部抜粋してお届けいたします。
登壇者のプロフィール紹介

3名が企業内弁理士を志した経緯


そのため、研究開発部に在籍している時から、弁理士試験の勉強をしようと決意。ちょうど勉強中に知財部に欠員が出たため猛アピールをした結果、異動を叶えることができました。弁理士試験に合格したのは、知財部に異動してからです。

そんな頃に知財部に異動し、仕事をするうちに特許や知財がおもしろいと感じました。そして、この仕事を続けたいのであれば弁理士資格を取得した方が良いと特許事務所の先生から資格取得を勧められたことをきっかけに、弁理士試験の勉強をして合格に至りました。

弁理士試験に合格し、特許事務所で経験を積むうちに権利活用に興味を抱き、企業に転職しました。現職でも特許事務所との連携などにおいて、前職の経験が活きていると感じます。
企業内弁理士のリアルな業務内容とは?


特に海外の方と仕事をする際には、弁理士資格を持っていることで、信頼を得やすい傾向にあると感じています。
また、英語に関しては、正直私も得意ではありませんが、会話などとにかく実践してみることをおすすめします。意外とどうにかなるものですよ…!

関係者とコミュニケーションを取る際には、バックグラウンドや考え方がそれぞれ異なることを念頭に置くようにしています。
基本的なことですが、重要なことは必ず伝えたり確認したり、すれ違いのないように気をつけています。

最近では、お客様の潜在ニーズを先回りしてつかみ、価値を創出するため、データの活用も知財戦略に盛り込んで考えるようにしています。
また、他社との共創・協業において、知財をどう活用するかの戦略も立案しています。知財というよりも事業の観点から知財戦略を考えることが大切です。
企業内弁理士として力を発揮できたと感じる場面


企業にいながら弁理士資格を持っている意味は、高い専門性がありながら、社内や事業のことにも詳しいことだと私は考えています。両方を兼ね備えていることこそ企業内弁理士の強みであり、おもしろさにもつながっていると思います。
また、先ほどもお伝えしましたが、海外の方とやり取りする際に信頼を得やすいというメリットもあります。

その中でも私が力を発揮できたと感じるのは、事業部や経営層と話している中で、さりげなく知財の専門性を活かした話や提案ができたときでしょうか。
知財の人、特に企業内弁理士はどうしても仕事の特性上話が専門的になってしまいがちですが、それでは事業部や経営者に通じなかったりそもそも話を聞いてもらえなかったりするので、あくまで「さりげなく」知財の専門性を活かすというのが重要です。
それで事業や経営に関する提案や課題の解決ができると、専門性がキラリと光り、さすが知財の専門家だねと言ってもらえて私たちのプレゼンスも高まります。

どの国においても、同様の業務を行うのは有資格者のため、(資格を持っていることは)前提条件のような感じです。
また、弁理士資格を持っていると、開発・研究の方とコミュニケーションを取る際にも、専門的な知識がある前提で接してもらえやすいですね。
企業内弁理士として活躍できる人材の特徴

そこで、企業内弁理士として活躍できる人材の特徴について、ぜひ皆さまにお聞きしたいです。

具体的には、関係者とのコミュニケーションを円滑に行う力や、相手が求めていることを汲み取る力などが必要です。
職種柄、当然ながら専門性も必要なので、最新情報を常にキャッチアップし、質問があった時には的確に答えられるよう心がけています。

事業部の方とやり取りをする際など、必要な部分をしっかりと聞き出すことで、解決策や判断を見誤ることのないよう努めていますね。
あとは相手が求めていることを汲み取る力も必要だと思うので、そういったコミュニケーションに苦手意識がない方は、企業内弁理士に向いているのではないでしょうか。

企業内弁理士は社内外の様々な方とかかわる仕事なので、フットワーク軽く動いてコミュニケーションを取ったり、連携したりできる方は活躍しやすいと思います。
そして、知財は無形資産であって知財戦略も形が見えず成果に曖昧さを感じることも多いため、そういったときにやり切れる粘り強さを発揮できる方に向いていると感じます。
ここまで色々とお話ししましたが、知財は未来をつくっていく楽しいものであるはずです。そのため、とにかくまずは自分や組織がワクワクする気持ちを持ち続けることが大切だと思っています。


強いて言うならば、企業によって知財部のポジションやミッションは大きく異なるので、自分に合った企業なのか、情報のリサーチはしっかりしておくのが良いと思います。
ここまで、セミナーの内容を一部抜粋してお届けいたしました。
記事ではお届けできなかった
- 企業内弁理士のやりがい・苦労したこと
- 特許事務所から知財部への転職のポイント
- 弁理士資格の取得・勉強方法について
などの内容、3名のよりリアルなエピソードを含むお話を聞きたい方は、ぜひアーカイブ動画をご覧ください!
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▼組織内弁理士協会とは
2017年に設立された任意団体で、組織内弁理士の現状に関する調査・研究を行うことや、組織内弁理士の普及促進のための活動を行うこと、会員相互の親睦を図ることを目的としています。
80名を超える会員が所属しており、定期的に勉強会やセミナー、イベントなどが開催されています。
https://inhouse-benrishi.jimdofree.com/